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デジカメ散歩
第2回 贅沢駅前空間に、人情味溢れる商店街「南砂町」を歩く

今回のお散歩は、東京メトロ東西線の南砂町駅周辺。
今、南砂町では、駅前に広がる約31ヘクタールの土地に、マンションやショッピングモール、医療施設などを含めた再開発が進められている。かつては倉庫街が広がっていた地域が、どのように変貌を遂げつつあるのか、デジカメ片手に探検スタート!

 
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南砂三公園

東京メトロ東西線、南砂町駅で下車。城東地区最大級のショッピングモール「トピレックプラザ」方面へと向かう2番出口を出ると、目の前は区立南砂三丁目公園、新砂あゆみ公園、児童公園の3つが連なる公園ゾーンとなって、緑豊かな空間を作り出している。
公園に隣接する駅前自転車駐車場には、整然と並んだ自転車の列が。南砂町駅の利用者は一日平均、約3万人というが、通勤や通学に自転車を利用されている方が多いようだ。

南砂三丁目公園。
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南砂三丁目公園。

これらの公園は、通勤・通学前のあるいは帰宅時の憩いの場にうってつけ。日射しが強くなるこれからの季節、木陰の下で一休み、なんて姿も増えるのではないだろうか。児童公園には、元気に広場を駆け回る子供達と、木陰で談話中のお母さん達の姿が。ちょっと贅沢な駅前空間を楽しみつつ歩みを進めると、右前方に「トピレックプラザ」が見えてくる。

児童公園。晴天の下、元気に駆け回る子供達。
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児童公園。晴天の下、元気に駆け回る子供達。
トピレックプラザ。親子で買い物を楽しむ人多し
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トピレックプラザ。親子で買い物を楽しむ人多し

1975(昭和50)年に、フィットネスクラブ、ゴルフ練習場、テニスセンターなどのスポーツ・レジャー施設として誕生した「トピレックプラザ」が、2002(平成12)年11月にリニューアル・オープン。生活雑貨店から、生鮮食品店、スポーツ施設、ホームセンター、各種専門店などを有した、大型ショッピングモールとなった。
1階に並ぶ店舗には、建物の内部に入らずとも外部から直接アクセスができるよう配慮されている。天気に恵まれたお散歩当日は、夕飯の買い出しと思しき買い物袋を下げた人や、買い物の合間にオープン・カフェでお茶を楽しむ人々で賑わっていた。同じ敷地内に建つスイミング・スクールは、水着袋を抱えた子供たちでいっぱい! そういえば今年は、オリンピック年。手に汗握る、世界的なスポーツの祭典の開催まで、あと一ヶ月。ひょっとしたら、この子達の中から未来の五輪選手が誕生するかも……。

トピレックプラザ
仙台堀川公園

隅田川に続く水路として江戸時代より堀割が多く存在していたこの一帯。仙台藩の蔵屋敷があったことから名付けられたという「仙台堀川」もその一つ。現在は、この川を木場公園の東川で堰き止め、小名木川手前まで続く川辺を公園として整備し、都内最大級の親水公園「仙台堀川公園」として、地域の人々の憩いの場となっている。
その規模、何と延長約3700メートル。面積にすると10.4ヘクタール。途中、何度か大通りと交差するのだが、通りの下をくぐるトンネルを設けたり、橋を設けるなどして、利用者が安心して、またゆったりと公園内を散策できるよう配慮されている。歩行者道と自転車道を分けるなど、散歩好きにも嬉しい限り。

仙台堀川公園
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仙台堀川公園
公園内の池で、ザリガニ釣りに熱中している少年
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公園内の池で、ザリガニ釣りに熱中している少年

公園内には、全長約900メートルの桜並木、ハーブ園、池や釣り堀などもあり、至るところにベンチが設置されている。川辺に設置されたベンチに腰掛け、川面を眺めながら、しばし休憩。

人、人、人の砂町銀座商店街
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人、人、人の砂町銀座商店街
 

東京都が選ぶ「元気のある商店街100」にも選ばれた、砂町銀座商店街に到着。明治通りと丸八通りを東西に走る全長約670メートルの商店街には、約180もの店舗が立ち並ぶ。
八百屋さん、魚屋さん、お肉屋さん、スーパーといった食品店の他、衣料品店、薬局などなど……。この商店街は決して駅から近い訳ではないのに、通りは買い物客で埋め尽くされている。この商店街を訪れる人、何と、一日平均約2万人。そのためか、全国から視察に訪れる人も多いと聞く。
多彩なイベントも魅力の一つだろうか。毎月10日に「ばか値市」と題した、商店街あげての大安売りが行われる他、縁日や福引き、七夕祭り、毎年4月8日には近隣の幼稚園児、約100名からなる鼓笛隊のパレードが、商店街を練り歩く花まつりが行われる。

しかし、歩くだけで、楽しい気分になってしまう秘密は他にもあるはず。よく注意すると、あちこちから商店主とお客との「会話」が聞こえてくる。晩ご飯のおかずの相談、商店主が本日のおすすめや、子供の「なんで?」という質問に答える声。
しかし意外にも、この商店街には飲食店が少ない(飲み屋はなし!)。それでも、リピーターが増え続けているということは、こうした人情味溢れる関係や、商店街あげての努力があってのことだろう。

揚げ物に、お野菜、お肉にお魚、ずらっと並んだ商品に目移りする
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揚げ物に、お野菜、お肉にお魚、ずらっと並んだ商品に目移りする
砂町銀座商店街
荒川・砂町水辺公園

砂町銀座商店街から仙台堀川公園を通り、そのまま荒川沿いへ。土手を駆け上がると、そこに広がるのは川と緑。この川沿いに広がるのが、小名木川排水機場付近から荒川河口約3kmの川沿いに設けられた荒川・砂町水辺公園だ。公園には、花壇や野草園、テニスコートやパターゴルフ場なども設けられている。

お散歩途中の犬君とばったり遭遇
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お散歩途中の犬君とばったり遭遇
満開の野の花畑。遠くに見えるのは、葛西橋
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満開の野の花畑。遠くに見えるのは、葛西橋

到着したのは、ちょうど夕暮れ時。公園では、愛犬をお散歩中の人、ベンチで読書を楽しむ人、四つ葉のクローバーを探す人など、皆思い思いの時間を過ごしている。色とりどりの花で彩られた野の花畑越しに見る荒川の夕景を楽しみながら、またしてもしばし休憩。

普段なかなかお目にかかれない実物の車両
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普段なかなかお目にかかれない実物の車両

本日のお散歩の終点は、2002年につくられた「新砂あゆみ公園」。東西線の真上に位置するこの公園には、東西線の先頭車両の実物が置かれている。
全鋼製のボディで覆われた車両は、1968(昭和43)年に製造され、2001(平成13)年3月まで実際に、使用されていたもの。この間の走行距離、396万8957km。地球を99周した計算だとか。車内の座席は、木製ベンチに据え替えられているものの、普段「地上」で目にする機会がめったにない、地下鉄車両の全景を眺められる。中に入ると、東西線が走行する「ゴトゴト」という音まで聞こえる! 公園には、下水道管の一部の他、車両をイメージした遊具も設置されている。

新砂あゆみ公園
南砂町

南砂町では、駅前の再開発が進む一方で、小名木川貨物駅跡地、約10ヘクタールの再開発も進められているが、実際に街を歩くと、変わりゆくもの、変わらないもの、それぞれがうまくミックスして、街の魅力を生み出していると知る。地元の人ももちろん、この街を訪れた人をも惹きつける、そんな街になることを願って。

イラスト/小湊好治 Top of the page

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