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デジカメ散歩
第4回 海と江戸と近未来が交錯する街「台場」

東京臨海部に位置する台場地区。1987(昭和62)年に、「臨海副都心開発基本構想」として開発がスタートし、93(平成5)年には、レインボーブリッジ、95(平成7)年には、新交通システム「ゆりかもめ」が開業するなど、臨海部の風景を形作ってきた。現在は、フジテレビ本社ビルや、パレットタウンなどが建設され、一大アミューズメントエリアとして多くの人々が足を運ぶ場所となった。
海に囲まれたこのエリアを、残暑のお散歩コースとしてご紹介。

 
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テレコムセンター駅

新交通システム「ゆりかもめ」に乗車。車内から眼下に広がるのは、臨海副都心と海。ちょっとした小旅行気分を味わいつつテレコムセンター駅で下車。

駅付近の公園から「ゆりかもめ」を見る
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駅付近の公園から「ゆりかもめ」を見る

 
テレコムセンター駅
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テレコムセンター駅
日本科学未来館
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日本科学未来館
 

駅からお台場海浜公園まで約4km続く公園「シンボルプロムナード」を通り、最先端の科学技術を展示・公開する「日本科学未来館」へ到着。今年の7月10月で開館3周年を迎えた「日本科学未来館」。やはり親子連れの姿が多く目に付く。
取材時は1階の催事ゾーンで『疾走するファイバー』展を開催中(8月31日まで)。アテネオリンピック野球日本代表が実際に着用するユニフォームなど競技用ウェアの他、人工臓器に使われる繊維や、水に触れると発熱する繊維など、見るだけでなく実際に触れ、その機能を体験できるコーナーが会場の各所に設けられていた。


続いて未来館のシンボルともなっている「Geo Cosmos」を見学。直径は6.5mあり、これは地球の直径(約1万3000km)のほぼ200万分の1の大きさだ。表面に取り付けられた球体ディスプレイには、宇宙から見た現在の地球の姿が映し出されている。地球だけでなく、火星やお月見シーズンには月の姿、さらに開館3周年を記念して、全世界規模の大気循環のシミュレーションなど新コンテンツを公開。1階に設けられた寝椅子にごろりと横たわり、刻々と表情を変える「Geo Cosmos」を眺めるも良し。

 
6層吹き抜けの空間に浮かぶ「Geo Cosmos」
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6層吹き抜けの空間に浮かぶ「Geo Cosmos」
入口付近。左手奥のミュージアムショップの一番人気は、宇宙食!
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入口付近。左手奥のミュージアムショップの一番人気は、宇宙食!
日本科学未来館1
日本科学未来館2「館内散策」

情報科学、生命科学、地球環境、技術革新など、さまざまな分野の科学技術に関するコンテンツが収容された館内の散策を開始。各展示ゾーンには、インタープリターと呼ばれる展示解説員と、館内の活動をサポートするオレンジ色のベストを着用したボランティアが常駐しており、展示に見入っていると、すかさず彼らが解説してくれる。目の前の展示の説明だけではなく、それに関連した事項にまで、話題は尽きない。

 
専門知識を積んだ展示解説員が疑問に答えてくれる
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専門知識を積んだ展示解説員が
疑問に答えてくれる
     
宇宙居住棟。館長の毛利衛さんが宇宙から見た地球の映像も流れている
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宇宙居住棟。館長の毛利衛さんが宇宙から見た地球の映像も流れている
展示の一つ。色付きクッションに触れると床面を泳ぎ回る魚が様々な音を奏でる。子供たちも大興奮
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展示の一つ。色付きクッションに触れると床面を泳ぎ回る魚が様々な音を奏でる。子供たちも大興奮

常設展示の一つ、宇宙居住棟を見学。日本、アメリカ、ロシアなど16カ国が参加する大規模な国際共同プロジェクトとして進行中の国際宇宙ステーション(ISS)の一部で、そこに滞在し、研究、調査を行う宇宙飛行士達のための施設だ。地上約400kmに位置するISSは、先の「Geo Cosmos」で換算すると、表面から20cmのところを漂っていることになる。
幅約4m、長さ約8.3m(実物は長さ約11m)の居住棟内部に、最大7人の宇宙飛行士を収容。限られたこの空間の中で、半年以上も滞在することになるという。実際、現在も2名の宇宙飛行士がISSの居住棟内に滞在し、地球や周囲の天体の観測を続けている。

大江戸温泉物語
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大江戸温泉物語

越後屋。女性の一番人気の浴衣は、花魁の仙台高尾。男性は相撲取りの雷電の姿絵が背中に描かれたものだとか
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越後屋。女性の一番人気の浴衣は、花魁の仙台高尾。男性は相撲取りの雷電の姿絵が背中に描かれたものだとか
 

日本科学未来館で知的な刺激を受けたあとは、ゆったりと「大江戸温泉物語」へ。臨海副都心の活性化を掲げた東京都のコンペで選ばれ、これまでお台場近辺になかった「和」の風景、なかでも「江戸」の風景を作るべく、そして大人も楽しめる施設として、2003(平成15)年に誕生した温泉テーマパークだ。施設内には、縁日や大道芸などが催される「広小路」や飲食店が立ち並ぶ「八百八町」、湯上がりの体を休める大広間「中村座」など、江戸の町の楽しさ、活気を表現した空間が作られている。
「帳場」と呼ばれる受付を抜け、まず19種類以上もの浴衣が並ぶ「越後屋」を訪れなくてはならない。施設内にいる限り、この浴衣を着用しなければならないからだ。浴衣はすべてオリジナル柄で、背中には、人物画が描かれている。ピンクや、紫など色とりどりの浴衣の中から、一着をチョイス。もちろん、スタッフも全員着物を着用。浴衣に袖を通し帯を締めれば、たちまち江戸の町人気分に。
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開館直後には、役者が口上を披露。
キマッテます
開館直後には、役者が口上を披露。キマッテます


大江戸温泉物語1
大江戸温泉物語2「広小路」

浴衣に着替えたら早速温泉! と思いきや、着替えを済ませて暖簾をくぐると、そこに広がるのは縁日や屋台が立ち並ぶ「広小路」。お蕎麦屋さんや甘味処、手裏剣投げなど、あちこち覗いていく。
町の活気を生み出している造作物の一部はスタッフの手作りだそうだ。また、お店の屋号も専門家の意見を取り入れて付けたものだとか。凝ってます。広小路の中心に位置するのが、銭湯をイメージしたという湯船の入口。

広小路。火の見櫓に提灯の灯りがともる
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広小路。火の見櫓に提灯の灯りがともる
   
湯船入口。江戸の銭湯をイメージしている
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湯船入口。江戸の銭湯をイメージしている

 

内湯。中央の高見に位置するのが大江戸温泉の湯
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内湯。中央の高見に位置するのが大江戸温泉の湯
 

いよいよ湯船へ。天然温泉の他、寝湯やサウナ、また全国各地の温泉地からお湯を採取した「参勤交代の湯」などがある。広々とした湯船に浸かりながら、しばしリラックス。そして露天風呂へ。女湯には檜でつくられた桶風呂が設置されている。檜のやさしい香りが、疲れも解消。
地下約1,400mから湧き出る天然温泉は、弱アルカリ性。神経痛や、筋肉痛、疲労回復などに効果があるそうだ。
再び浴衣を着用して、今度は屋外に広がる「大江戸足湯」へと向かう。足湯の一角に設けられた休憩コーナーには、飲み物片手にほてった体を休める人達の姿が。

     

足を湯に浸しつつゆっくりと湯船を歩くと……思わず「イタタタタッ!」。湯の底に敷き並べられた丸い石が、足裏のツボを刺激しているのだ!初めこそ、その刺激に驚くものの、徐々に刺激が気持ちよく感じられるようになってくる。
湯上がりには、施設内の「もみ処」で、全身マッサージや、あかすり、エステなども受けられる。

露天風呂。檜で作られた桶風呂
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露天風呂。檜で作られた桶風呂
足湯。敷き詰められた丸い石でツボを刺激!
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足湯。敷き詰められた丸い石でツボを刺激!
大江戸温泉物語3「女湯」
お台場海浜公園

体もすっきりしたところで、お台場海浜公園へ。夕暮れ時の浜辺に立って、海上を行き交う船を眺める。潮風も心地よい。ご夫婦で、友達同士で、カップルで、皆静かに夕暮れ時の海を眺めていた。

行き交う船
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行き交う船

 
岩場で何かを発見した様子
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岩場で何かを発見した様子
 

江戸情緒から最先端の科学までが集約した臨海副都心。海辺には公園も多数整備されており、散策にはもってこいのエリア。秋のピクニック気分で、出掛けてみてはいかがだろうか。

台場
イラスト/小湊好治 Top of the page

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