梅雨明け、梅雨入りを迎えるこの時期は、曇天を仰いでは、青空に恋いこがれることが多くなる。しかし、春から夏への移り変わりに梅雨を経るからこそ、夏の到来がひとしお喜ばしいものに感じられるのかもしれない。正確には「つゆ」とは、「晩春から夏にかけて雨や曇りの日が多く現れる現象、またはその期間」を指し、私たちが良く耳にするような「梅雨入り」「梅雨明け」「梅雨前線」「梅雨型の気圧配置」といった気象用語が存在する。
さて今回、探しに出掛けた東京気象台があったのは、現在の港区虎ノ門2-10、ホテルオークラの辺りだという。1884(明治17)年には、この場所から、毎日3回、日本全国の天気予報を発表。といっても、現在のような各地の予報ではなく、全土に対する予報だったそうだ。ちなみに、週間天気予報が毎日発表されるようになったのは、1988(昭和63)年のこと。今では、インターネット上で、局地天気予報や雲の動きなどを随時知ることができるが、当時は天気図一つを作成するのにも、相当な苦労があったのではないかと、その時代の苦労に思いを馳せずにはいられない。
さて、あれやこれやと考えている内に、気象台跡地に到着した模様。ぐるりと歩きまわってみたところ、坂に囲まれた小高い場所だと気づく。こうした土地の起伏を感じとれるのも、お散歩の醍醐味の一つ。そうした上で、イメージを膨らませれば、観測塔の在りし日の姿が見えるやも。ちょっと息切れはしつつ、心地よいお散歩を楽しんだ一日だった。
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