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デジカメ散歩プロフィール
第17回「天文観測の発祥地を訪ねる」

「天高く馬肥ゆる秋」・・。ふと、空を見上げれば、澄み切った青空に秋の気配が漂っている。「天高く」とは、まさに言い得て妙。抜けるような空の青が、夏の終わりを告げているかのようだ。
ところでこの時期、密かに計画していることがある。十五夜に月を愛でつつ、一献傾けることだ。真ん丸の月も良いけれど、細く輝く下弦の月も個人的には好みである。そんなことを思案しつつ、今回お散歩コースに選んだのは、日本の天文観測の発祥地「日本経緯度原点」。何があるのか期待を膨らませつつ、いざ散策スタート。

月を愛でたい・・と思ったのは、最近、読み返した平安時代を舞台にした本の影響かもしれない。読み進む内に、夜のシーンに「月」が欠かせないことが分かってきた。しかも「月」に、さまざまな呼び名が与えられている。その表現が、なんとも艶っぽい。感じ入るところがあり、最近、月を観察していたのだが、その時思い出したのが高校時代に手にした古典の教科書だった。そこには、月のイラストとその呼び名、さらに和歌が添えられていた。記憶を頼りに押入の中を大捜索したものの、教科書は出てこず、寂しい思いをしたところに思わぬ発見があった。それが「日本経緯度原点」だ。
ここは、かつて東京天文台があり精密な天文観測が行われた日本の天文観測の発祥地である。さらに、1882(明治15)年に、この東京天文台の子午環の中心が日本経緯度原点と定められた。つまりここが、普段見慣れている地図の基準となっているのだ。因みに、原点の経緯度は、東経139度44分28秒8759、北緯35度39分29秒1572。金属プレートに刻まれた十字の交点が、それだ。
地図を頼りに迷うこと数十分。ロシア大使館とアメリカンクラブの間あたりにあるようなのだが、なかなか辿り着けない。あちこちで道を尋ねつつ、何とか日本経緯度原点に到着。飯倉交差点からほど近い高台にあった。車の往来の激しい表通りから一本横道に入っただけなのに、何とも静か。
秋の到来を告げるかのような虫の音が、どこからともなく漂ってきた。
緑に囲まれた、小さな敷地に「日本経緯度原点」と刻んだ碑が立てられている。この場所から眺める空の色は・・それは訪れてのお楽しみ。なかなか感慨深いものがありました。



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< マクロモードを使ってみる >
被写体が小さいものの場合、デジタルカメラについているマクロモードを使って接写にチャレンジを。デジカメは、接写に強いのです! ただし、カメラの機種によってどこまで近づけるか違うので、要確認を。また接写の際は、手ぶれに注意。しっかり腕を固定して、被写体に向かいましょう。例えば旅の記録も、風景写真だけでなく、花や料理を接写しておくと、臨場感あるすてきなフォトアルバムが作れます。

イラスト/小湊好治 Top of the page

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