現在「初午」と言うと、新暦2月の最初の午の日を指すが、もともとは陰暦2月の最初の午の日を指したもの。つまり今より時期としては少し遅く、春先の行事として広まったものだという。ということで、まだまだ「春」と呼ぶには遠い気もするけれど、気持ち的には「春」を意識しながら行ってきました。
訪れたのは、西東京市にある東伏見稲荷神社。京都の伏見稲荷大社(全国にある稲荷神社の総本社)から分霊を受けた、由緒ある神社だ。その影響力は絶大で、1929(昭和4)年の創建と同時に最寄り駅は「元上保谷駅」から「東伏見駅」と改称。また神社のある一帯は、その名を冠して「東伏見」と名付けられた程である。
東伏見駅のホームに降り立つと、線路沿いに建つ赤い鳥居が目に入る。この鳥居を頼りに参道を進むと、やがて木々にこんもりと覆われた社が見えてくる。と、どこからか、ふんわりといい香りが……。香りの正体は、境内入り口の出店で売っている、焼き団子だった。醤油が塗られた小ぶりの串団子が、炭火にあぶられ何とも言えない香ばしい香りを辺り一帯に漂わせている。
夕暮れ時に到着したのだが、境内にはかなりの人の出があった。御札を求める人、拝殿に向かって手を合わせる人、おみくじの結果をじっと見つめる人。今回は、初詣で買いそびれた破魔矢を購入。これで今年は幸運を射止めることができるはず! 更におみくじを引くも…。結果は、ご想像にお任せすることに(笑)。帰りがけには、もちろん焼き団子を購入。団子片手に、破魔矢についた鈴を「チリンチリン」鳴らしながら、夕暮れの神社を後にした。 |