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かしこい生き方を考える COMZINE BACK NUMBER
品川デジカメ散歩
第1回「名建築を訪ねる」

今月は、「名建築を訪ねるコース」。品川駅から高輪の一帯は、江戸時代は大名の屋敷町でもあり、明治時代には宮家の屋敷が数多くあったところ。大正、昭和初期の雰囲気を残した趣のある地域だ。
コースの中心となる二本榎通は、旧東海道として賑わっていた時代もあり、今は古い造りの和菓子屋や理髪店、あるいは所狭しと古道具が並ぶ骨董店など、ぶらっと散歩がぴったりの界隈だ。
 

散歩マップ
品川概要
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港南口 再開発工事のクレーンを対岸に見て、
品川駅西口を出発。
「ホテル城下町」と呼ばれる一角だ。
駅前:再開発も完成間近の港南口  
新高輪プリンス 村野藤吾が設計した白亜の新高輪プリンスを右の空に見ながら、二本榎通りをずっと進むと、右側に「味の素記念館」。旧鈴木三郎助邸で、以前は見学もできたようだが、現在は研修所として使われているとかで、内部の見学は基本的にできない。
味の素記念館
国際館パミール ただ、その門構えを見るだけでも、由緒正しい建築物であることは想像できる。実際、設計者の木子幸三郎は明治期に活躍した和風建築の第一人者だが、現高輪プリンスホテル洋館の設計者でもある。
その道を脇に入って道なりに進むと高輪プリンスホテルの一画に出る。国際館パミールは、作家の井上靖氏が命名したとのこと。シルクロードの峠道であり、世界の屋根と言われるパミール高原に由来している。
白亜のプリンス(左):ホテル城下町の中でも最もホテルらしい新高輪プリンス
味の素土塀(右):現在は研修所となった味の素記念館外壁
国際館パミール(下)
日本基督教団高輪教会 次に目指すは、日本基督教団高輪教会。途中、「床屋さん」と呼ぶにふさわしい理髪店がある。「タイムスリップしたような」という常套句がこれほど似合うお店も都内では少なくなった。
さて、先ほどの高輪教会と同じ「高輪教会」だが、こちらは昭和7(1932)年に竣工した木造の教会。帝国ホテルの建築で有名なフランク・ロイド・ライトの弟子、岡見健彦の設計で、とにかく先生の言うことを忠実に守る姿勢が見て取れる。
基督教団教会:モダニズムの伝統を忠実に受け継いでいる
小学校ランプ 高輪台小学校
道を右に入ると、高輪小学校が左手にある。こちらは、モダニズム建築の先駆け、そして耐火構造を導入した点でも新しかったそうだ。
大正、昭和の建築散歩は、所要約2時間。温故知新を好む向きには是非オススメしたいコースだ。
高輪台小学校(右):大きく開いた窓が当時は新しかった
小学校ランプ(左):こんな趣のあるランプの元で過ごす小学生はどんな大人になるだろう
柘榴坂〜カトリック高輪教会〜国際館パミール〜高輪プリンス旧館〜日本基督教団高輪教会〜高輪消防署二本榎出張所〜高輪台小学校
ホテルパシフィックの脇の柘榴坂を上がりきる手前、左手に見えるのがカトリック高輪教会。
こちらは竣工平成元(1989)年の現代建築で、打ち放しのコンクリートの壁や金属の梁は教会にはあまり見られないデザインかも。
カトリック高輪教会
カトリック教会:現代建築らしいフォルム
一方、高輪プリンスの旧館は、旧竹田宮邸。設計は片山東熊という明治の日本を代表する建築家で、代表作は東宮御所。ちなみにこの東熊は、日本に洋風建築を紹介したイギリス人技師ジョサイア・コンドルの最初の弟子。
どれも同じような名称なので、どれだか、ちょっとややこしくなる。
脇道の旧家
高輪プリンスの旧館
先の交差点の空には、高輪消防署の頭の楼が見えてくる。こちらは昭和8(1933)年に完成、警視庁営繕係の越智操氏の設計とのこと。望楼の美しさが目を引く。都内の消防署で望楼があるのはここだけだそうだ。 消防署
消火栓
消防署(右):望楼が美しい高輪消防署二本榎出張所
消火栓(左):土地柄、消火栓にもこんな遊び心が

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イラスト/小湊好治 Top of the page

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