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品川デジカメ散歩
第8回「寺社を巡る」 第7回「文学の道を辿る」

年の瀬も迫り、せわしない日々を送られている方も多いことだろう。仕事にイベントにと駆け回る中、ちょっと一息入れて今年一年を振り返る時間も持ちたいところ。
そこでおススメしたいのが、寺社巡り。品川にはこの時季の定番、赤穂浪士に因んだ寺院をはじめ、歴史ある寺社が点在している。心を静め、身を清め、来年の抱負を思い描くのはいかがだろうか。泉岳寺駅を起点に、いざ寺社巡りの散歩のスタート。


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年末には必ず登場する、泉岳寺。今回のお散歩はその泉岳寺駅からスタート!

 
都営地下鉄泉岳寺駅
都営地下鉄泉岳寺駅
 

泉岳寺駅を出発して間もなく、赤穂浪士47名の墓がある「泉岳寺」が見えてくる。曹洞宗江戸三ヶ寺であり、浅野家の菩提寺でもある。訪れる人は後を絶たず、境内からは柔らかい線香の香りが漂ってくる。
そのまま伊皿子坂を抜け、高松宮邸を横目に見つつ都営住宅の裏手へ。ここに大石内蔵助ら義士17名が切腹した、細川邸があった。
跡地には「赤穂義士史蹟碑」が設けられ、旧細川邸の庭園として保存されている。大木に抱かれるようにたたずむ石碑を前に、静かに時が流れる。

赤穂義士史蹟碑
赤穂義士史蹟碑(細川越中守の下屋敷跡)
赤穂義士史蹟碑(細川越中守の下屋敷跡)
細川邸跡。都天然記念物の旧細川邸のシイの木は、高さ約17mもある大木
覚林寺

裏道をぐるぐる歩いていると、ふいに大通りに突き当たった。目の前にはお寺の屋根が見える。桜田通りと目黒通りの交差点に程近い場所に建つ「覚林寺(清正公)」だ。1631(寛永8)年に、日延上人が開山した日蓮宗の寺で、武運の強かった加藤清正の位牌が奉られている。先の細川邸の下屋敷は、もともと加藤清正の屋敷であり、加藤家没落後に細川家が拝領することとなったもの。

覚林寺

毎年5月4〜5日の清正公大祭の際は、境内から天神坂上まで夜店が連なるというが、現在は、本堂新築と清正公堂改修のための工事が行われている。

覚林寺
覚林寺
現在工事の真っ最中。看板には、完成後の姿が描かれている。2004年9月に完成予定

高輪署を左手に見ながらそのまま5分ほど歩みを進めると、ビルの谷間に光福寺の山門が見えてくる。ここに納められた「ゆうれい地蔵」は、港区登録有形民俗文化財に指定されたもの。何でも江戸時代、雨の日でも傘を差さずに飴を買いに来る母子がいたそうで、飴屋の主人が不思議に思い後をつけたところ、寺の中にある地蔵の前に辿り着いた。その地蔵を供養したところ母子は現れなくなったと言う。それがこの「ゆうれい地蔵」だ。現在は、子安地蔵の名で信仰されている。境内には、開運稲荷大明神の稲荷堂もある。

光福寺
浄土宗開運山光福寺
浄土宗開運山光福寺
山門をくぐり、左手に進むと「ゆうれい地蔵」がある。不思議な伝承に心を巡らせながら、合掌
高野山

四国八十八カ所の特別霊場である「高野山東京別院」。山門をくぐり右手を見ると、数字が刻まれた石板が敷かれている。この石板の下には、各お寺のお砂が納められているそうだ。遠い四国の地に思いを馳せながら、ぐるりと巡拝。立派な本堂は1988(昭和63)年に建立されたもの。

高野山東京別院
高野山東京別院
各お寺のお砂が納められた「お砂踏場」

閑静な住宅街を抜けていく洞坂を下ると、1859(安政6)年、日本で初めてイギリス公使宿館が設けられた東禅寺の門前にたどり着く。73(明治6)年ごろまで公使宿館として使われていたというが、現在は、奥書院と玄関が当時のまま残されている。きれいに掃き清められた境内に立つと、まるで京都にでも来たかのような錯覚をおこす。すぐ近くにある児童館脇の大きな公園は、絶好の休憩ポイント。

東禅寺
東禅寺
東禅寺
夕刻になると紅葉した木々が鮮やかさを増す
高輪神社

本日の散歩の終点は、ビルの谷間に社を構える「高輪神社」。小さいながらも、室町時代中期に創建された由緒ある神社だ。高輪一円の総鎮守で、今でも参拝者は多い。真新しい社殿は、1980(昭和55)年に造営されたものだと言う。

高輪神社
高輪神社
大通りからビルの谷間へと続く参道
 


本日の散歩の所用時間は約4時間。
この辺り一帯は、何とも魅力的な坂が多く、思わず長時間歩いてしまう。
寺社の境内に立つと、師走の慌ただしさも忘れ、静かな時の流れを感じることができた。

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イラスト/小湊好治 Top of the page

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