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第15回 第1章 心がまえ
第7項 話し言葉(ですます体)をうまく使う
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■第1章 心がまえ
第7項
話し言葉(ですます体)をうまく使う
〜ビジネスライクな言葉使い+大げさな敬語は、よそよそしい。
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■メールはビジネス文書のコピーではありません
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世の中にメール指南書は山ほどありますが、どれも似たり寄ったりで
ビジネス文書の文例集を、メール版にしただけのように見えるのは、
私だけでしょうか?
ビジネス文書では、用件は伝えられても、心は伝わらないと思います。
用件を伝えるだけなら、機械同士で自動的にやりとりできるのですから。
人が、わざわざキーボードを打つ以上は、相手に用件を伝えること以上
の「何か」がなければならないはずです。
「メール」というと「手紙」や「文書」のように思えますが、実は、
「電話」や「対談」に近いと思うのです。
■「礼儀正しさ」と「親しみやすさ」のバランス
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往々にして、ビジネス文書は、「礼儀正しさ過剰」になっています。
もともと、実際に会うより、電話をするより、冷たい印象になるのが
メールなのですから、より「親しみを感じる」ことに重点をおくべき
ではないでしょうか?
妙に格式ばったビジネスライクな言葉づかいや、大げさな敬語は、
礼儀正しさを超えて、よそよそしさを感じさせます。
そして、かえって「文例集をまるごとコピー」したような印象を
相手に与えかねません。
@ @ @
ですから、私は、なるべく「話し言葉」をつかって、
普通の「ですます」調の文章を多用するように心がけています。
@ @ @
ただし、ここでも、相手との関係に応じて、
微妙に「礼儀正しさ」と「親しみやすさ」のバランスを変えていく
心配りが重要でしょう。
目上、年上の場合には、「礼儀正しさ」をより意識する。
逆に、自分が目上、年上の場合は、「親しみやすさ」を重視する。
そして...
面談前、初対面の頃には、礼儀正しさをより意識する
面談後、仲良くなるに従って、親しみやすさを重視する。
そんな、バランス感覚を持ちながら、交流が深まるうちに、
無意識のうちに、言葉使いを変えていくことができれば、
人間関係もスムーズに深まるはずです。
■親しみやすさ重視の「あいさつ部」と、用件重視の「本題部」
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親しみを特に感じるのは...
「冒頭のあいさつ」の部分と、別れ際に「余韻を残すあいさつ」の部分、
即ち、最初と最後が大切です。
ここでは、ほどよい親しみをこめた話し言葉で、それこそ共通の趣味の
話題や、昨日今日で感動したエピソードなどを臨機応変に盛り込みながら、
会話を楽しみたいものです。
また、今朝、通勤途中で見た、ちょっとした季節のサイン、花鳥風月の
記述などにも心惹かれますし、その人の感性がうかがえます。
(ただし、○○の候、時下ますますご清祥....では逆効果です。)
もちろん、ウイットやユーモアに富む一文が書ければ、それこそ、
最も上等な書き出し、別れの言葉でしょう!
@ @ @
一方、本題の用件については、「一転して、箇条書きにしてしまう」
という方法を、私はよく使います。
何より、それが一番シンプルで、内容が伝わりやすいからですし、
メールがダラダラと長くなることも防げます。
ただし、その箇条書きだけをメールしますと冷たくなってしまいます。
そこで、本文の前後にある「親しみをこめたあいさつ」や「自然な会話」
が生きるのです。
むしろ、本題がシンプルでビジネスライクだからこそ、前後の会話の
あたたかみや、人間くささが際立って、好印象を与えるということにも
なるでしょう。
@ @ @
ところが、肝心の本題まで「ですます調」の話し言葉で書かれていると、
どれが、本当に伝えたいことなのか、結論や要点がはっきりしません。
ただただ冗長なメールを出しては、相手に「要領を得ない人」だと
思われてしまうかもしれません。
■メール毎に臨機応変に変えられるバランス感覚を見につけよう
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このように、相手のとの関係や、交流の深さによって、
「礼儀正しさ」と「親しみやすさ」のバランスを取るのみならず、
一つのメールの中でも、
親しみやすさ重視の「あいさつ部」と、用件重視の「本題部」の
メリハリをつけて、うまくバランスを取ることで、
ビジネスとして伝えるべきことを、しっかり伝えながら、
個人的にも、さらに親しくなることができると思うのです。
これは、ビジネス文書をコピーするだけのマシンには出来ない、
対人感受性をもった人間ならではの、高度な知的作業なのです。
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