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第16回 第1章 心がまえ
   第8項 書き加える一行があたたかみになる
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■第1章 心がまえ

 第8項

 書き加える一行があたたかみになる

 〜米国流、用件のみの3行メールでは、心は通わない

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■メールは3行で良い?
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某外資系IT関連企業で活躍されていた、あるコンサルタントの方から、

 「メールは3行で十分」

という話をうかがった時は、正直言って驚きました。

なるほど、たしかに書こうと思えば...
「3行でも伝わる」ことは多いと気付きました。

たしかに、社内の事務連絡の時などには、意味もなく長いメールは、
逆に迷惑になりましょう。

        @      @      @

また、ある外資系IT関連企業のエグゼクティブから

 「メールは、
        1)最初に結論
        2)その理由
        3)実証するデータ
                   の順番で書くと良い」

とお聞きした時も、深くうなづいたものです。

たしかに、ありがちな日本人的?コミュニケーションでは、
話言葉でも、メールでも、「結論は最後の最後」、あるいは「ない!」
ことが多いかもしれません。

ですから、メールでも「結論から簡潔に伝える」という意見には、
もちろん大賛成です。

なにしろ、今後、多くのビジネスパーソンは、1日100通以上のメールに
すばやく対応しなければならないのですから。



■合理的なメールが誤解につながることも
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その一方で、あるマスコミ関連の方が、シリコンバレー駐在の同僚から
届いたメールに「思わず怒った」という話も、時々思い出すのです。

「あまりに短く」「用件だけ」書いてあったため、
「事務的で冷たい感じ」がしたというのです。

「昔は、あたたかみのある人間だったのに...。」

と人物評価まで変わってしまったそうで、そのインパクトに驚きました。

おそらく、その同僚も「郷に入れば郷に従え」を実践しただけで
きっと悪気はなかったのでしょう。

実際に会ってみれば、昔と変わらぬ、人なつこい笑顔で迎えられるかも
しれません。

しかし、本心にもない無意識の言葉づかい、いやメールづかいで
「米国かぶれ」「ITかぶれ」だと思われてしまったようです。

これは「損な話」です。



■1〜2行で華やぐ、うれしくなる
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ところが、その反対に....

たった1〜2行で、「うれしくなったり、ありがたくなったり」も
するのです。

これもまた「ヒトの感情」の不思議なところですが...

        @      @      @

例えば、あるお客様と、メールのやりとりをしていた時に....
その業務連絡メールの文末に、こんな言葉を添えてくださったことが
ありました。

》久米さん、もうすぐベイビー誕生ですよね。
》誕生という言葉、本当にステキですね。奥様にどうぞよろしく!

        @      @      @

きっと、以前、ちょっとお話した個人的なニュースを、どこかで
おぼえていてくれていたのでしょう。

(私自身、お話したことも忘れていたのですが...)

たった、この一言だけで、なんとなくその日一日「いい気分」になれた
のです。

もちろん、そのお客様のことが、ますます大切な方に思えてきたのは、
言うまでもありません。



■添えるべき言葉は?
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ですから、添えるべき一言は、

 「私のことを色々おぼえていてくれてありがたい。
  心配りをしてくれてありがたい.」

と感じられるような一言でしょう。

        @      @      @

先日、お会いした時に、体調が悪かったようならば...
そのお体を気づかって

》○○さん、先日は、咳き込みがちでしたが、いかがですか?
》同じく花粉に毎日涙している私も、なんとかやっています。

        @      @      @

ご家族を大切にする方なら...
お子様やお孫様のことや、楽しいレジャーのことを

》土日は、五月晴れで気持ちよかったですね。
》いつものようにお子様とサッカーで汗だくでしたか?

        @      @      @
        
もちろん、共通の趣味があるならば...
最近のできごとや調子を!!

》また、衝動買いでルアーが増えてしまいました。
》カミサンにばれないようにハラハラしています。



■心のキャッチボール
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メールの相手とは、お互い、忙しいビジネスパーソンの顔で、日々接して
います。

毎日、eメールなどを使って、バリバリ効率的に仕事をしているように
見えて、実は、さまざまなストレスをためこんでもいるのかもしれません。

        @      @      @

そんな中で、ほんの一瞬、相手の、さらには、ご家族の顔を思い浮かべ、
心を寄せて書かかれた一言がどんなに嬉しいか。

そんなメールを読んだ人は、一瞬で、幸せな気持ちになり、
それこそ、脳内ホルモンのセロトニンが分泌されて癒されるかもしれません。

        @      @      @

自ら、そんな「1〜2行のスパイス」を添えるメール発信を心がければ、
相手からも、きっと「うれしい一言」が添えられて返ってくるはずです。

そうすれば、人と人としての心のキャッチボールも行われるようになり、
結果として、ビジネス上のキャッチボールも円滑になるでしょう。

        @      @      @

一見すると、面倒にも思えますが....

クールな仕事をしながら、お互いに「心をあたためあえる」のです。

しかも、どんな顧客データベースよりも優れた「潜在意識」に、その人
の「生きた記憶」を上書きでき、またメールをきっかけに「再現」できる
のです。

「無用の用」にも見える「1〜2行の言葉」を添えることは、
「良いことづくめ」なのではないでしょうか?


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