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第18回 第1章 心がまえ
   第10項 望ましい公私混同比率とその内容
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■第1章 心がまえ

 第10項

 望ましい公私混同比率と内容

 〜望ましい公私混同比率とその内容
  中身は先方の上司が見ても怒らないもの〜

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■適度な「公私混同」で交遊が広がる
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これまで、仕事の話だけではさびしいので、時には、最初と最後の
1〜2行に、「私」事をまじえた方が良いと申し上げてきました。

ちょっとした一言によって、今までより親交が深まることはもちろん、
時には思わぬご縁をいただき交遊が広がったことも、多々体験したから
です。

また、ふだんはあまりしないような雑談によって、お客様の潜在的な
ニーズやご不満を感じ取ったり、新しい商品やサービスについての
ひらめきが生まれることも多いのです。

ですから、お取引先とのメールのやりとりについては、
むしろ積極的に「公私混同」するぐらいの方が、逆に知的生産性が
高まるのではないかと考えております。

        @      @      @

しかし、かつてのように、なにがあっても笑って済まされたような
「牧歌的なインターネット黎明期」は、もう終わっています。

いまや、大企業を中心として、ほとんどビジネスツールとしてeメール
は定着しつつあるのですから、望ましい「公私混同」のバランスをとる
ことが重要になるでしょう。



■大企業ではメール管制はますます厳しく
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先日、大学時代の友人たちと再会した時に、驚いたことがあります。

日本の大企業でも、社内でのWEB閲覧や、メール利用について
既に厳しいルールと監視体制が引かれているケースが、思いのほか多い
と聞かされたからです。

        @      @      @

特に、IT関連の外資系企業では厳しいようでした。

たとえば...

パソコンを立ち上げて、ネットにつながる時に「私用で使うな」と
いう警告文が出た上に、そこでOKというアイコンをクリックしないと、
先に進めなかったり、

商用以外の登録されていない「お遊びのホームページ」を見ると、
とたんに画面の色が変わって!注意を促した上で、周囲にも気づかれて
恥ずかしい思いをするようになっているそうです。

さらには、当然のように、管理者がシステムの裏側で利用記録を取って
おいて、「私用が目にあまる」と解雇の理由にすらなるというから
徹底しています。

        @      @      @

裏返せば、インターネットを使って仕事中に遊んでいる人も多いという
ことでしょう。

皮肉なことに、大金を使って1人1台のネットを組んだのに、かえって
生産性が下がってしまった会社も多いようです。



■厳しい企業に送るときは、「公が8」で「私が2」
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ですから、もし会話がはずんだとしても....

相手がネット利用のルールに厳しい大企業、
それも、即日解雇もありうる外資系企業であれば....

「相手のことを思って」内容に、十分留意する必要があるでしょう。

私は、ふだんならば、親しみのわくコミュニケーションのために
「公が7」で「私が3」ぐらいの心積もりでおりますが、

メール管制が厳しそうな企業に勤めている相手には
「公が8」で「私が2」という感覚に切り替えてメールをします。



■「公が8」で「私が2」のメールとは?
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つまり、部下の落ち度をチェックするのが大好きな?上司が見ても、
怒られないメールを書くことが重要です。

また、社内の大量メールをチェックするシステム管理者にも、
見つからない内容?も重要です。


具体的には、

1)メールタイトルが、ビジネス調でカッチリしている

   まずは管理者はメールタイトルで判断することでしょう。

   具体的なタイトルのつけ方は別項であらためてご説明しますが、
 
   親しくとも「まいど!」「こんちは」といった馴れ馴れしいものや
   「昨夜は楽しかったです」「また飲みましょう」などの遊び仲間風
   は、もちろんやめた方がよさそうです。
  
   「お問合せいただいた○○の件OKです」
   「ご注文の商品、発送いたしました」
   という内容がはっきりビジネス用途とわかるものが良いでしょう。


2)本文はしっかり、最初のあいさつや、PSで親しみをこめる。

   もちろん、タイトルだけが堅くても、中身がダレていては、
   ひと目でチェック対象になってしまうでしょう。
  
   最初のあいさつの中で、相手を思いやる一文を添えるのは、
   むしろビジネスマナー、コミュニケーションの潤滑油です。
  
   その後の本文で、結論から先に話され、箇条書きでわかりやすく
   内容が伝えられていることは、公私のバランスのみならず、
   わかりやすく伝達でき、自らの力量をしめすことが出来る点
   からもおすすめだと言えましょう。
  
   そして、きっちりビジネスの連絡を終えたあとに、
   PS、あるいは追伸として、共通の趣味について語る分には、
   上司も怒らず、むしろきっちりコミュニケーションが出来て
   いると感じることでしょう。


3)テキストマイニングで検索されそうな危険語はつつしむ

   最近は、高速で、特定の検索語や類義語を検索する
   テキストマイニングのツールが出回ってきています。

   ですから、システム管理者たるもの、経営層からの厳命を受けて
   ポルノなど公序良俗に反するものや、
   内部告発や機密漏洩と思しき内容ものなどを、
   大量のメールから探し出すべく、日々検索していることでしょう。
  
   ですから、誰が読んでも誤解されない内容であっても、
   使っている用語次第では、こうした検索に引っかかる可能性が
   あるのです。

   そこで、「李下に冠を正さず」のことわざにあるとおり、
   うかつな用語を盛り込んで、無用の詮索を受けないように
   したいものです。



■先方さえOKなら時に「私が10」のメールがあっても良い
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しかし、お客様は、そんなお堅い方、厳しい状況にある方ばかりでは
ありません。

例えば、私のような中小企業経営者が相手なら、その人さえ良ければ、
すべてOKとなるでしょうし、むしろ仕事の話ばかりしかしない人は
「無味乾燥な人間」だと思われかねません。

また、そこに勤めている人も、大企業ほど厳しい管理をされていない
でしょう。

それから、たとえ外資系に勤めている人でも、仲良くなって自宅の個
人アドレスから出してくださっている時があるはずです。

そんな時は、普段は話せないことについて、ここぞとばかりに盛り上
がれば、いっそう仲良くなれることでしょう。


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