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第2回 第0章
   はじめに 第1項 メール道とは
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■第0章 はじめに

 第1項

 メール道とは

 単なる通信手段=eメールに気心通わせ、
 相手と自分とを高めていく道

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■eメールは「冷たく」なりがち

結局のところ、eメールは、ちょっと目新しくて便利な通信手段に、すぎません。

しかしながら....そこに表示されるのは、デジタルな活字だけ。
実に味気ないものです。

電話や、手紙のように、声や文字の「感じ」で微妙なニュアンスが
伝わらない分だけ、eメールは不利です。

ひとつ間違えれば、いっそう冷たい感じを与えてしまうようです。

(だからこそ、ネット上では.....
 日々、メールでクレームが一層深刻になることもしばしばですし、
 掲示板などでも、ケンカが絶えないのです。)

        @      @      @

しかも、手書きの手紙と違って....

あらかじめ作っておいた文章を、簡単にコピーペーストして、
それらしく仕上げることもできます。

ですから、誰が打っても、同じような文面になりがちです。

そして、いかにも手抜きをした「儀礼的メール」が出来上がってしまうのです。

        @      @      @

それどころか、データベースをうまく使えば、名前だけ差し替えて、
いかにも個別に出した風のメール群を大量に出すことさえも、
決して難しいことではありません。

(これをCRM=Customer Relation Management だと勘違いしている
 企業もあるようですが....)

そのため、日に日に、メール受信箱は、迷惑メールに代表される
「うれしくない」メールで「いっぱい」になりつつあります。

        @      @      @

その上、ビジネス上のメールは、短く、形式的になりやすいもの。

ある外資系企業の方から「メールは3行でかくべし」との社内ルール
をお聞きして、仰天したことがありますが....

社内はともかくとして、社外のお客様やお取引先に対しても、
このルールのままで良いのでしょうか?

        @      @      @

残念ながら、日々受け取るメールの中には....

読んだ瞬間に心が凍って!その人とはもうおつきあいをしたくない!
と感じさせるようなメールも少なくありません

(とりわけ、大企業の方から、そんなメールをいただくことが多いような気がします。)


■メールに気心を通わそう

ところが、そんなeメール特有の「不利な条件」が重なる中でも....
なぜか、心を打つメールがあります。

たとえ、遠く離れて、顔が見えていなくても、声が聞こえなくても、
その人が近くにいるように感じられるメールがあるのです。

不思議ではありませんか?

        @      @      @

たとえ、忙しくとも、なぜかていねいな返信をしたくなるメール。

思わず、店長さんの人柄が感じられて、買いたくなるメール。

        @      @      @

そんなメールに出会うと....
なぜか、心が「別のモード」に入ってしまうかのようです。

        @      @      @

しかも、日々、メールをたくさん読めば読むほど....

「メールにこめられた本気さ」を「無意識のうちに判別する回路」が、
脳の中に、自然に形作られてくるような気がします。

つまり、経験上、メールを見る目読む目は、日に日に厳しくなりつつ
あると考えた方が良さそうです。

        @      @      @

それでは....

どうしたら、そこに気心を通わせることができるでしょうか?

        @      @      @

残念ながら、ネチケットの本や、ビジネス文例集を買ってきて
真似をしてみても...

それだけでは、あたたかみのあるメールを交わせるようには
ならないようです。

わかりやすい簡潔な本文に加え....

これからご紹介していくような、ある種の「心がまえ」と、
もてなしの言葉=それも自分の言葉=が大切だと考えております。


■メールは自分の世界を広げてくれる

あとは、場数、いや、メール数。

心の交流体験=どれだけメールのやりとりで感動したか

実践的な知恵の習得=感動したメールから何を学んだか

を重ねることが必要でありましょう。

        @      @      @

いずれ、メールに気心を通わすことができるようになりますと、
次々に、面白い体験、不思議な体験を味わうようになるはずです。

メールを交わす前よりも、深く相手のことを知る契機となって、
互いに自分のことを語るようになるのは、よくあることです。

そうすれば、仕事の関係を超えて、生涯のおつきあいに
なるかもしれません。

さらに、縁が縁を呼んで、次々に不思議な出会いが広がり、
人生が豊かになっていくことでしょう。

        @      @      @

そして、その縁者の輪の中で、情報を自在に発信し、受信し、
知らない世界が身近になっていくに違いありません。

さらに、ユングが言うところのシンクロニシティーのような
不思議な出会いも生まれることでしょう。

        @      @      @

しかしながら....

これは、単にビジネスの情報伝達手段としてeメールを使っている
人は、生涯気づかない世界かもしれません。

それは、さみしいこと....。


■メール道とはメール達人への道

ですから、eメールを単なる通信手段として使っていては、
もったいないのです。

        @      @      @

メールをお出しする相手を、思わずほほえませ、
今までよりさらに親密になるための媒体=メディアとして、

また、まだ会わぬメール縁者とのおつきあいを広げ、
自分の世界を広げるための道具=ツールとして、

自在に使いこなせる「メール達人」への道こそ、
「メール道」だと思うのです。

        @      @      @

メール道は、ビジネスを超えたところにありながら、
いつかは、きっとビジネスにも役立つものです。

このメールを、毎週読んで、少しずつビジネスの場で、
さらには非ビジネスの場で試していただきながら、

それぞれの「メール道」を歩んでいただければ幸いです。


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