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第24回 第1章 心がまえ
第16項 カシカリから Give&Give&Givenへ
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■第1章 心がまえ
第16項
カシカリから Give&Give&Givenへ
〜情報をオープンに出そうという人は好かれ、
出さずに取ろうとする人は嫌われ
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■日本経済に息づく「カシカリの論理」
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「社長のリーダーシップ」などの著書でも知られる清水龍瑩先生の講義を
学生時代に受講していた時...「忘れられない言葉」がありました。
それは「日本の会社はカシカリの論理で動いている」という名言でした。
@ @ @
先生は、さまざまな社長に面談しながら、経営分析の研究を深められまし
たが、その結果、意外にも、昔ながらの「カシカリの論理」が働いている
というのです。
この「カシカリ」というのは、ビジネス上の便宜だけにはとどまらない
そうです。ご子息の就職のあっせんや、結婚式のスピーチなど、むしろ
個人的な「カシカリ」の方が、人望につながる決め手だそうです。
そして、大切なのは、いかにも「カシを作った」と恩着せがましく言葉
にせずに、その後、ひょうひょうとして忘れてしまうようにすることだと
まで教えてくださいました。
なるほど、マネジメントの底を流れる「人間関係」も、奥が深いと感じた
ものです。
■カシカリ=GIVE&TAKEの発想も捨てたい
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カシカリの論理を、言い換えるならば、GIVE&TAKEということでしょう。
すなわち、「差し上げた分に見合っただけ下さい」ということで、
あくまでも最後に「見返りをもらう」ことが前提になっているわけです。
残念ながら、インターネットの世界では...
この昔ながらの「あたり前の発想」は、通用しないことがあります。
「カシカリの論理」見え隠れすると、そのメールは感動をよばず、感謝も
されず、それどころは、嫌われることさえあるから難しいのです。
@ @ @
なぜなら、ネットワーカーと呼ばれる方の多くは、
「差し上げっぱなしで、見返りを求めない」人たちだからです。
例えば、フリーソフトやフリー画像・音源など、自分が苦労して作った
コンピュータソフト、デザイン、曲などを、タダで差し上げてしまう人
がたくさんいます。
また、自ら調べた研究成果を無料で公開したり、無料メールマガジンで
配信している人も少なくありません。
@ @ @
一番、有名な事例の一つは、新しいオペレーションシステムのひとつ。、
LINUXでありましょう。それは、世界中の、有能な技術者が、ネッ
ト上で協力しあうことで作り上げられ、改良され、無料で配布されました。
そのソフトを、今では、IBMなどの巨大コンピュータ企業が、使うことも
あるというのですから、驚きです。
@ @ @
つまり、ネットバブルや、ビジネスモデル特許などが取りざたされる
「欲得の世界」がある一方で....
自ら苦労して得た「素晴らしい情報・知識」であっても、見返りなくタダで
配ってしまう。そして、それでこそ、はじめて尊敬されるという、
「独自のインターネット文化」もあるのです。
■下心がないからこそ、自由で長続き
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私自身も、メール縁者向けの無料情報提供である「縁尋奇妙」なるメー
ルを、かれこれ7年近く続けています。
これは、その内容を見ていただければおわかりの通り、Tシャツの商売
とは直結いたしません。
ただただ、自分が面白いと感じた情報を、縁者と分かち合いたい一心で、
配信しています。
だからこそ、後ろめたい気持ちも無く、心はればれと、堂々と配信でき
ますし、長続きするのだとも思っております。
また、直接利害関係の無い、非まじめ非ビジネスのメールゆえ、
同じように自由な気持ちで、情報を寄せてくださる方が集まってくださる
のかもしれません。
きっと、メール縁者の間では、公私のバランスや、ビジネスと楽しみとの
ほどよい間合いが、自然に取れているのでしょう。
@ @ @
それでいて、時に、思いがけず「縁者同士」が結びついて、ビジネスの話
になることなどもあるようです。
(実は、関知いたしておりませんので、後でわかることが多いのですが....)
そんな思いもよらぬ縁は、往々にして、
「自分のことばかりを考えたのではない、役立つ面白いメールを出した人」に、
不思議と舞い込む傾向にあります。
すなわち、「GIVE&TAKE」ではなく、「Give&Give&Given」
見返りも求めず、ただただ情報を出していた人に、気がつけば、
意図しない形で、チャンスが訪れるのではないでしょうか?
■ネットで、嫌われる人は?
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ところが、最近、インターネットをはじめる方が増えるにしたがって、
タダで気軽でおつきあいできることをいいことに、この絶妙な間合いを
わきまえない「わがままな方」も増えているように感じます。
そんな人たちは、まさに「TAKE&TAKE&TAKE」なのです。
「なんでもチョーダイ」という感じがミエミエで、それでいて尊大....
そんな感じが、不思議とメールから伝わってきます。
@ @ @
そんな時でも、できる限りのお役に立とうとは思いますが、
さすがに限界を超えることも多く、やんわりとお断りすると....
反対に、どこかで、悪口でも言われそうで怖い気がします。
@ @ @
「Give&Give&Givenの精神」によるならば、そんな方々にも愛情をもって
接し、オープンに情報をお出しすべきでしょうが....
悲しいかな、結果として、嫌な思いをすることも少なくありません。
そんな時は、「人のふりみて我ふりを直し」、謙虚な気持ちを忘れないよ
うにしたいものです。
そして、願わくば、「TAKE&TAKE&TAKE」の人たちも、笑って許せるほど
の度量を身に付けたいものです。
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