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第28回 第1章 心がまえ
   第20項 クレームこそ「すぐさま」共有すべき
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メール道■1-20 クレームこそすぐさま共有すべき

■第1章 心がまえ

 第20項

 クレームこそすぐさま共有すべき
 
 〜悪いニュースほどはやくトップに報告、トップが即応

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■ネットはクレーム投票箱
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例えば、どこかの商品を買って不具合があれば、昔なら、それを買った
お店に「文句を言いに行った」でしょう。

やがて、フリーダイヤルつきのメーカーお客様相談室が整備されるよう
になってからは、メーカーに直接「電話」をする人が増えたはずです。

しかし、これからは、あるときはメーカーの、あるときは小売店の
「WEBサイト」にアクセス、「クレームメール」する人が増えそうです。



■急増するクレームに、トップが「耳を傾ける企業、耳をふさぐ企業」
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予想通り、インターネットが普及するに従って、とりわけ大手メーカー、
大手小売業のホームページに、クレームメールが殺到したようです。

その対応に追われたあげく、その後の企業の「クレームメール対応」は
企業理念によって大きく二つに分かれました。

        @      @      @

心ある企業は、もちろん真剣に対応することを決意しました。

むしろ、積極的に、お客様の声をトップに「直接伝えられる」という効果
に気づいたのです。

その場合、トップページや連絡先一覧ページなどに「社長直通アドレス」
を表示するというのが「究極にして理想の姿」でしょう。

しかも、社長の個人名アドレスが表示されていれば、たとえ秘書室長、
社長室長が代読するにせよ、メールも出す側に「気合いが入る」はずです。

(ちなみに規模こそ異なれ、私たち T-GALAXY.COM トップページ下の
 メールアドレス一覧の冒頭には、社長の私直通のアドレスがあります!)

        @      @      @

ところが、クレームメールが届かないように...
「メール問合せ用のアドレス」を無くすか「わかりにくく」したり、

「複雑なフォームに入力させる」ことで、クレームを途中で断念させる!?
ような作りのサイトも少なくありません。

特に大企業や官公庁などに多いようです。

また、「問合せ先」が、部門別、個人別アドレスではなく
info@....question@...などの「やる気のない」「不特定多数向け」と
思しき名称では...

いかにも、キーマンが「読んでくれなそう」「自動返送されそう」です。

        @      @      @

もちろん、これら「お客様の声に耳をふさぐ行為」は最悪の選択です。

こうしたwebサイト上のメール対応ひとつ見れば、会社の姿勢も自ずと
わかってしまいような気がします。



■ネット上のクレームの多くは「二次クレーム」
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クレームとは言っても、一部の趣味的性格的クレーマーが出す
「悪意のクレームメール」をのぞけば...

むしろ自分が「気にかけている企業に対する忠告」であることも多く、
「明日へのヒント」につながるケースもあるはずです。

その会社が「好きだからこそ」「期待しているからこそ」の形を変えた
「リクエストメール」だと考えるのが良いでしょう。

        @      @      @

ところが、そんな「軽い気持ちで出したクレームメール」なのに、
一転して「深刻なクレーム=二次クレーム」に発展してしまう例も、
少なくありません。

それは、そのありがたい「クレームメール」を放置してしまって、
「何の対応もしない」ことで起こります。

いつまでも返信がないので、お客様が、もともとの「クレーム以上」に
怒ってしまうのです。

        @      @      @

電話でのクレームならば、お話中や時間外というケース以外は、すぐ、
その場で対応される場合が多いので、その問題は起きづらいのですが....

メールでは、うっかり見落としたり、関連部署に社内転送をして忘れて
しまうというケースも考えられます。

一方で「メールに慣れた方」ほど、「素早い返信が当たり前」と考えて
いらっしゃる場合が多いので、やはり、翌営業日までに返信がないと、
お客様の気持ちを損ねるでしょう。



■二次クレームが起きないために1:こまめなメールチェック
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そのためにも、外出がちなビジネスパーソンでも、せめて朝夕1日2回は
メールチェックする必要があるでしょう。

もちろん、その時、クレームやトラブル対応のメールはないか、タイトルで
判断して、優先的に返信するようにしたいものです。

        @      @      @

必要があれば、休日中も1日1回はメールを開くようにすれば完璧です。
すぐに返信すべきメールを探すだけなら、さほど時間はかかりません。

そして、年に何度か、ここぞという非常時の対応を行うことは、かつてない
信頼を勝ち得るチャンスかもしれません。

        @      @      @

また、すぐに回答できない、自分ひとりでは解決できない「複雑な内容」
であっても、まず、メールを読んだことを相手に伝え、お詫びをすることが
第一です。

解決策が決まってから答えようとすると、お客様をお待たせすることに
なってしまうからです。



■二次クレームが起きないために2:すぐにトップに転送、報告
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企業においては、大体、悪いニュースは、上司、さらにはトップには
伝わらずに隠されがちです。

それは、自分が怒られ、評価が下がり、出世にも響くと、勝手に思い込
んでいるからでしょうが.....

うっかりミスをした結果、クレームを発生させてしまったことよりも、
そのクレームを放置し、隠す方が、はるかに企業に大きな損失を長期的
に与えることを、忘れてはなりません。

        @      @      @

昨今、いくつかの大企業で見られたクレーム隠しなどを見ても、その対応
が遅れることが致命的であることがわかります。

ましてや、インターネットを通じて怒ったお客様が配信することなどで、
企業にとってネガティブな情報は、またたく間にお客様に広がるのです。

        @      @      @

そこで、心あるトップなら、真っ先に深刻なクレームやトラブルを報告
するスタッフを評価するでしょう。

そして、トップの重要な役割のひとつは「トラブル対応」と「おわび」
だと心得、怒る前にすぐ行動を起こすでしょう。

また、そのミスについては、次回以降、それを繰り返さないことを心が
ければ取り返せるはずですし、今後ミスが起こらない仕組みやマニュア
ルを考案して広めれば、クレーム対策費=サービス開発投資に転化する
ことさえできるのです。



■二次クレームが起きないために3:こんな謝罪メールを社長と連携で
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具体的には、まず、

・「お客様のクレーム全文」をそのまま文末に、引用で残し
・「心からのおわびの文」と
・「ただちに社長に報告、相談して、善後策をご連絡いたします」

との内容のメールを、

 TO:お客様、
 CC(カーボンコピー):社長あるいは店長など顧客対応責任者

...として、同報で返信すべきです。

        @      @      @

そうすれば、お客様は

・自分のクレームを担当者が、しっかり読んで理解してくれたこと、
・きちんとおわびをしてもらったこと

...を感じて、少しだけ気持ちが落ち着いた上、

・社長にまで自分のメッセージが届いていること
・善後策まで協議されていること

...を実感できるでしょう。

        @      @      @

同時に、社長や顧客対応責任者も、クレームの内容や、そのお客様への
自社の「最初のアクション」を直ちに知ることができるのできるのです。

そして、その深刻度に応じて、社長自身が「直接お客様におわび」と、
その後の対応についてのご連絡を差し上げることで、

「二次クレーム」に発展することを、未然に防げる可能性が高くなります。


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