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◆ PDA パート2
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◆ 東芝Genio 続報

先日、東芝のポケットPC Genio e550Gが素晴らしい出来栄えだと書いたが、 その後、もっと素晴らしいことが起こったのでここで報告したい。

アメリカに居てもインターネットのお陰で、日本に居るのと変わりないくらい 最新の情報が読めるだけでなく、ソフトの購入も、アップグレード(ハードは 除く)も、簡単に出来るのは大変有り難い時代になった。日本に居ても海外の 商品が買えるのは当たり前となった。10月末になって、いつも読んでいるPDA関 連のサイトの一つで、モバイルインチキ堂さんが、東芝Genio eのアップグレー ドを報告されていた。まだ東芝からなんの連絡(メール)も無い時点であったが、 すぐに東芝のサイトからアップグレード・ファイルをダウンロードして、その晩 にはインストールしてしまった。いつもはそんなに急いでアップグレードはしな いのだ。色々なサイト、例えば山田道夫さんのモバイルニュースとかZDNetジャ パンのPDAニュースなどの批評を読んでからする事が多い。なぜかというとアッ プグレードに伴う問題点など、その対策を見極めてからの方が時間の節約になる ことが多いからだ。

◆ アップグレードを決意

しかし今回はそのアップグレードが極めて魅力的であったのと、インチキ堂さん のレポートでも問題無いことが確認されていたので、すぐ導入に踏み切ったわけ だ。PDAのアップグレードはパソコンで言えばBIOSやOSのサービスパックに当り、 今までの問題点を改善する(特にコンパチビリティーの解消)のが主な目的であ ると思うが、今回の東芝 Genio e550のアップグレードにはWindows Media Manag erのバージョンアップ(8.0 から8.5)が含まれていた。すぐマイクロソフトのサ イトを調べてみたが、まだこの情報は載っていなかった。

◆ アップグレードの結果

前回お話したように、Genio e550GはXscale CPU400Mhzを採用しながらもチュー ンが今いちで、動画の再生は相変わらずぎこちないのが気になっていたのだが、 今回のアップグレードで見違えるようにスムーズな再生となった。筆者はモバイ ルインチキ堂さんのサイトで紹介されていたiPAQ用の設定ファイル(20fps)を 使っているのだが、パソコンのそれ(30fps)と比べてもあまり見劣りがしないと いったら褒めすぎか?パソコン初期(MMX以前)の動画再生と比べたら、とてつも なく良い。特に東芝Genio e550Gでは4インチ画面なので、横向き画面にしてみ るとその良さが一際目立つ。

アップグレードは極めて簡単に何の問題も無く30分足らずで終わった。スタート 画面もXPもどきの画面になり、心なしか全体にきびきびした動作になったようだ。 これが発売以来2回目のアップグレードだというのも驚いたが、東芝サイトのア ップグレードの手順説明も親切でしつこいほどの注意書きも気に入った。

◆ 他社との比較

ソニーのクリエN600もパームデスクトップのアップグレード等が以前あったが、 アップグレード後の問題点がかなりあって、ユーザーズ・クラブのチャットルー ムで対策を見つけて解決した記憶がある。全体にパームのアップグレードは、そ れほど簡単ではなく、問題が起こることがほとんどであり、そのためユーザーズ ・クラブのサイトを頻繁に見て対策を調べる必要や、時にはソフトウエアの作者 (例えば山田“神様”達司さん)にメールを打つなどする必要があったが、ポケ ットPCではまだそのような必要性が無いのが素晴らしい(パームでは特にハック ソフト関連とシンクの問題が多いように思う)。そのせいかソニーはその後新製 品を連続して出すことによりアップグレードは新製品で、と言うマーケティング になったようである。これはバイオ・パソコンも同じ戦略らしく、消費者に取っ てみたら、どんどん新製品を買わされる羽目になり、余り良いことではない。パ ソコンがコモディティーと化しているので、マーケティング戦略上、売り切りに した方が経費は掛からず、赤字になりにくいわけだが、余り度が過ぎると消費者 からそっぽを向かれる可能性もあるのではないか。

ポケットPCも1年ぐらい前であったら使えるソフトもほとんど無かったので、 関心はあって調べてはいたのだが、買う気がしなかった。今ではパームのソフト もどんどんポケットPCに移植されて来ており、パームから切り替えても使えるソ フトは問題ないレベルになったと言えよう。インストールの方法は3種類ほどあ り、どれも簡単で失敗が無い。ソフトに添付されているReadme を見ればパソコ ンのソフトをインストールしたことのある人ならば問題無く出来るだろう。ファ イルだけの転送なら赤外線でも、ウインドウズ・エクスプローラーからモバイル ・デバイスを選択して、直接内部の希望ディレクトリーにコピーするなど、パソ コンを使い慣れた人には全く同じ感覚・操作で出来るのが素晴らしい。

◆ 東芝の新製品登場

さてその翌日、またまたびっくり。何と128メガメモリーのGenio e550が発売さ れたではないか!音楽コンテンツ入りのSDカードが使用出来るとか、無線LAN 拡張アダプター(なぜ拡張アダプターでCFカードでないのか、お判りの方は既 に無線LANを試された方と思うが)とか、クリアトップ・カバーとか更に魅力の ある製品となっている。特に128メガ・メモリーはついこの間までポケットPC のメモリーは32メガが標準で64メガはオプションであったことを考えると、ちょ うどパソコンが640Kメモリーから一気にメガ・バイトに突入した時代を思い出さ せる。私は256メガのSDカードを付けっぱなしにしている上に、1ギガのマイクロ ・ドライブ(デジカメ用)と5ギガのPCカードHDDを付けているので、128メガ・ メモリーには余り魅力は感じないが(ただただ驚きのみ)、SDカード入りのコン テンツを買って(音楽とかマガジンとか動画など)使おうとしている人にはぴっ たりだろう。

東芝ではビジネス向けとして大量のワード、エクセルあるいはパワーポイント のファイルを入れて持ち歩くことを想定しているようだ。それらのファイルを 全画面表示出来るソフトもバンドルされている。日本では音楽コンテンツは当 初コンビニの自動販売機で売られるらしいが、アメリカでは考えられない光景 ではある。また新しいモデルではXscaleの速度も100Mhzまで落とすことが可能 となったようで、通勤電車内で読むことにも対処している。

◆ パーム社からも新製品

同じ日にパームからTungstenが発表された。何と10月はPDA新製品のラッシュと なった。Tungstenはパーム社初めてのOS5マシンでシャープのザウルスみたいな テレスコピック構造で普段はグラフィティエリアが隠れるようになっている。 このため縦がかなり詰まった印象を受ける。画面解像度も320X320と高解像度で メモリーも16メガある。しかしこれらは既に日本の企業によってOS4の時点で 実現されている機能であって、OS5の利点は見出せない。OS5の発表時に既に明 らかになっていることなのだが、OS5への移行ではレガシー対応を重点としたた め、このような結果となってしまったようだ。このスペックでは、同じパーム 陣営のクリエにも勝てないどころか、ポケットPCにも勝てないだろう。まして 値段がポケットPCと差が無くなってきている今、なぜこんな新製品をだすのか、 パーム社がハードウエア・ビジネスから撤退する日が秒読みに入ったことを想 像させる。

◆ ハンドスプリング社の製品

ハンドスプリング社(私の最初のPDAはブルーのバイザーだった)は既にPDA事 業から撤退して、スマートフォンのTreoシリーズのみ販売しているが、その売 れ行きは芳しくない。アメリカでは最近もかなりのリベートを付けて販売台数 を延ばそうと試みているようだが、11月現在、私を含めてサムスンや京セラの 新製品を待っている人がほとんどで、Blackberryのコピー商品を個人で買おう と言う人は余りいないのではないかと思う。となるとソニーがクリエでどこま で頑張れるか?だけが興味の焦点となるのだが・・・。


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