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ベイエリアの高速ネットアクセス状況
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◆ ベイエリア約600所帯の調査結果

昨年、ベイエリアで約600所帯のインターネット・アクセス状況を調査された。なるほどというか地元では当たり前のような結果が発表されたので紹介したい。

この結果によると、ベイエリアでは約30%の世帯が高速ネットアクセスをしているとのことで、これは全米の平均である15%の二倍近い。具体的には28%が高速ネットアクセスで35%が通常のダイアルアップであった。更に5%がその他でこれには無線LANやサテライト・リンクが含まれる。合計で68%の世帯が家庭からネットアクセスをしていることになる。これが世界的にも多いのかどうかはさて置き、この全米平均の二倍の高速アクセス率はベイエリア世帯の所得が高いことが原因であるとのコメントがあり、高速ネットアクセスしている内の92%が年間所得8万ドル以上であるとの結果も出ている。ダイアルアップ(ランドライン)は基本料金月12ドルだが、高速ネットアクセスは基本料金が月35ドルくらいであるので、ベイエリア居住者の27%に当たる年収4万ドル以下の世帯はダイアルアップで我慢しているらしい。

地域別にみると、もっとも普及率が高いのがContra Costa郡で、その普及率は53%、次がSanta Clara郡の48%である。San Francisco(市=郡)がトップでないのは、市内に住む多くの世帯は比較的低所得層だからであろうと筆者は推測する。信じられないかもしれないが、サンフランシスコ市内にはかなり多くの低所得者向け公共住宅があるし、筆者の友人で無職のため月200ドルのアパートを探し出してきて住んでいる実例もあるくらいだ。

◆ CATVよりもDSLが多いベイエリア

ここでもう一つ面白い事実は、ベイエリアではDSL利用者が26%でケーブルモデム利用者の17%を大きく上回っている点だろう。全米平均はその逆のケーブル2に対しDSLは1の割合となっている。筆者の自宅もSBC(Pacific Bell)のDSLであるのでこの結果にはうなずける。これはベイエリアでは、ケーブルの引かれている世帯2百万6千世帯に対して、AT&Tがわずかに百万3千世帯しかケーブルモデムを提供していなく、San Joseではなんと2002年末までに3分の1の世帯にケーブルモデムを提供できるようになるとの事実から判るように、ベイエリアではPacific Bell(ベイエリア唯一の電話会社)が先行してDSLを普及させAT&Tは完全に出遅れたというのがその理由らしい。更に、ベイエリアではベンチャーのCOVADやNorthPointがパイオニアとしてDSLを普及させて行ったのも効いている、とはブロードバンド・コンサルタントのMark Kerseyのコメントである。COVADからは更に社員がスピンオフしてMeshNetを手がける会社などができているようだ。

そう言われてみると、今でこそAT&Tがケーブルモデムを売り込んでいるが、高速ネットアクセスを最初に売り込んで来たのはPacific Bellだった。筆者の自宅にはケーブルは既に入っていたが、もっぱらテレビを見るだけにしか使っていない。確かAT&Tは一時サテライトの会社を買収して、サテライトでの高速ネットアクセスを売り込んでいたが、そのサテライト会社も手放してしまった(?)ようだ。サテライトを持つことでアダルト番組を提供できるのが本当の目的だったらしいが、教会などからの猛反対に合ってしまったことは、テレビで観たので覚えている。

◆ 固定電話事情

AT&Tは今でも筆者のナンバー1のISPであり、全米はおろかカナダでもダイアルアップが安定して出来るので、旅行先にノートパソコンを持って行く時に利用する。日本のAT&Tと契約すれば、日本とアメリカの両方でダイアルアップ出来るらしいが、日本ではケーブルモデムを使っているのでダイアルアップの必要が無い。サンフランシスコの自宅には、最近はSprintよりAT&Tの勧誘(ランドライン電話のキャリアの変更)の方が多い。AT&Tと言えば従来は長距離専門だったのだが、解禁により国内も手がけることが出来るようになった。Sprintと同様、市外電話をたくさん、長時間かける人に割安となるように料金を設定しているが、筆者も含めて自宅の電話で市外電話している人は現在では余りいなくなった。なぜなら携帯電話で普通市外電話とローミングが無料のところが殆どであり、かつ一定時間の料金は既に支払い済みなので、どうしても携帯電話で長距離をかけることになる。

友人の一人などは真面目に電話(ランドライン)の契約解消を考えている。彼の場合、高速ネットアクセスはケーブルなので尚更自宅電話の必要性が無いわけだ。筆者の自宅の電話器はパナソニックの2ギガのワイヤレスで、子機は携帯電話とそっくりで、自宅から見通しで1.5マイル近く届くため、近所に買い物に行くときなど自宅とインターホン接続出来る。買い物内容の確認など出来て大変便利である。又この電話は着信があると自動的にページャー呼び出しが出来る機能(日本では当たり前だがアメリカでは珍しい)が付いているので、自宅を離れている時なども、一々留守録の有無を確かめるために電話する手間が無くて使い勝手が良い。このため(DSLを使っていると言うこともあるが)、自宅の電話を撤去することは今のところ考えていない。面白い事に、アメリカでは住民票などが無いため、現住所の確認は自動車免許証と電話料金の請求書で行うことが多い。自宅の電話を撤去した場合、携帯電話の請求書が有効なのであろうか?まだ試したことがないので判らない。嘘をつけばいくらでも現住所をごまかすことができる訳だが、そのためかどうか、携帯電話の契約時にはSocial Securityナンバーが必要である。


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