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◆ アメリカのオンラインショッピングについて
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◆ アメリカのショッピング事情

アメリカではオンラインショッピングが大繁盛である。日本からもオンライ ンショッピングしている人は少なくないと思うが、元々テレフォンショッピ ングやTVショッピングが盛んであったので、アメリカ人にとってオンライ ンショッピングは既に生活の一部と化している。私の会社もオンラインショ ップがいくつかあり、会社にいながらショッピングできるようになっている。 TVショッピングも相変わらず盛んで、専用のTVチャンネルが各地で最低で もひとつ、都市によっては二つ以上あるのも珍しくない。24時間放送している ことが多く、ウエブサイトもあり、そちらから買ったほうが割引になる場合も 多い。有名なものはShop At Home で専門店化しており、コイン、ナイフ、ス ポーツカード、エレクトロニクスとか宝石など、時間帯に分けて売っている 。オンラインショッピングで代表的なものは、やはりYahoo Shopping とか Amazon.comとかebay などであろうか。いまやどこでもオークションが出 るようになっているので、少しでも安いものを探している場合など便利である。

◆ 利益が上がりつつある?

最近の報道によるとアメリカのオンラインショッピング業界の併合淘汰は終わ りに近く、生き残った大手は利益を出し始めているとのことである。 私も使っ ているAmazon.comなど昨年初めて利益を計上している。かつては社長自ら、 利益ではなく業務拡大に専念すると言っていたのが嘘のようだが、私も最近 ここでコードレス電話やその他の一般電化製品(アプライアンス)を買って いるので、本当に商売が儲かり始めているのかもしれない。 反対に私が愛 用していたパソコン関連のEggHeadはFry`s Electronics に買収されてつぶれ てしまった。 残念。

◆ オンラインショッピングのコツ

エレクトロニクス関連では、何と言ってもCNETのショッパーズサイトを利用す るのが便利だ。これはエレクトロニクスのYahoo といってもよく、製品名がわ かっている時など、どこのサイトが一番安いか総合的にリストアップしてくれ るので、いちいちサイトをサーフィンして調べる手間が省ける。 以前は税金 も含めた情報をリストに入れてくれていたが、今は入っていないので良く知ら ないサイトで安い価格の場合チェックアウトまでしてみて税金の有無を調べる 必要があるのがちょっと厄介になった。
私に言わせれば、オンラインショッピングのコツは税金の有無と輸送費を含めた 価格を見るということだ。
価格が一見安くても輸送費(Shipping & Handling)が高い場合もある。以前は 時限立法でオンラインショッピングでは税金がかからなかったが、今はセールス タックス(日本の消費税に相当)のある州(セールスタックスがない州もある。 たとえばオレゴン州).に住んでいれば税金を取るサイトが多い。もちろん税金 を取らないサイトも多いのだが。輸送費はサイトによってかなり異なる。一般に 一番安いのがUSポストオフィス(但し時間がかかる)、次にはUPS、そしてFedEx であろうか。FedExは翌日配達してくれるが、20ドルくらい取られるのと、翌日 配達の必要はそれ程ないので、私はあまり使わない。
ほとんどの場合、私の選択はUPSである。配達に2-3日かかるものの、費用は5-10 ドルと比較的安く、かつUPSのデリバリトラックはいつも同じ範囲をカバーしてい るようで、配達時間も大体決まっており、配達人も同じ人の場合がほとんどなの で安心感が高い。どこの場合も、万一不在でも3日間までは連続して配達を試みて くれるので便利であるし、3日間以上昼間家にいなくて受け取れない場合は、セン ターに電話して配送センター止まりにしてもらう手もある。サインが要らないものや、 要るものでもデリバリの案内(Notice)にサインをして家の前に置いておいて貰う こともできるが、隣の家で預かるなどということはまずない。

◆ 決済方法

アメリカのオンラインショッピングではほとんどがクレジットカード決済であり、 もうチェックを書くことはほとんど無くなった。銀行もATMカードがチェックの代 用となるようになったため、スーパーマーケットでもチェックを切っている人はま れになった。一時期、オンライン専用のクレジットカード(EPROM入りで暗証番号 など書き込める)が出回って私も手に入れたが、専用のカードリーダ(無料だった が)をパソコンに繋げる必要があり(COMポートなので始末が悪い。USBのカード リーダは見たことがない)、しかも特定のカード会社しか使えないので結局使って いないし、あまり一般的にもならなかったようである。ほとんどのサイトではユ ーザー登録を推奨しており、ユーザプロファイルの一部としてクレジットカード 番号を登録できるが、私はクレジットカード番号だけは、毎回入力することにし ている。クレジットカードの盗用はアメリカではかなり日常茶飯事の事のようで、 注意するに越したことはない。SSL適用サイトであっても絶対大丈夫という保証は ない。まあもし使われたとしても、すぐクレームすれば支払わなくても良いと言わ れているが、私はまだこの事態に直面したことがないので、本当にそうであるか どうかは判らない。

◆ クレジットカードについて

クレジットカードといえばアメリカではクレジット・ヒストリーが無いとカード は発行してもらえない。逆に、ヒストリーが良いと毎週のように無料のカードが 送られてきてカードの山となる。私も一時期、使いもしないカードを貯めまくり、 20枚以上持っていたこともある。アメリカに最初にきたころ、クレジット・ヒスト リーが無くてカードが貰えず日本のカードでしばらく過ごしたことがある。一般に アメリカでは高校生になったら、ヒストリーが要らないデパートとかガソリン スタンドのカード(専用カード)を手に入れて、ヒストリーを作り始めるのだ そうだ。もちろん大手会社に勤めて6ヶ月もたっていれば紹介状を会社に書いても らって、銀行の支店長やクレジット担当者に持って行き、カードを発行してもらう ことができる。有名な会社であれば名乗るだけでOKの場合も多い。私の場合シリ コンバレーに住所を移したときに、用心して紹介状を持って銀行に行ったが、 会社の名前を言っただけですぐにカードを発行してくれた。田舎では会社の名前 は通用しないのでヒストリーが無い場合厄介だ。私の知っているカーディーラー のクレジット担当者(アメリカ人)は日本にも住んでいただけあって、日本人なら アメリカのヒストリーがなくてもクレジット会社経由で日本のクレジット状況を 調べることができると言っていた。彼によるとこんな簡単なことも知らないアメ リカのクレジット担当者はざらだと言っていた。
アメリカはクレジットカードの国とよく言われるが、本当にそうだと実感するのは、 次のような事実を目のあたりに見てからである。まず個人が持っているカードの数。 平均で5枚位らしいが、私の周囲では5枚なんてものではない。次に現金を全くと言 っていいほど持っていない。20ドルもっていれば大金持ちだ。大抵は10ドル以下で、 食事に行く前にATMに寄ってからというケースは稀ではない。かく言う私も、日本に 帰った時、現金が全く無いことに気が付くことがある。最後にクレジット会社への 支払い(負債)が毎月1000ドルから5000ドルにもなる人が結構いる。毎月全額支払 えない場合、最低10ドルくらい払っておけばよいのだが、毎月の利息はとんでも ないくらい高いだけでなく、手数料(Financial Charge)も毎月払わなくてはい けない。この事態から一時的に助かる方法として、新しいクレジットカードを発行 してもらって(もちろん新しいクレジット会社から)、その会社に負債を全額肩代 わりしてもらう方法がきわめて一般化している。そういう会社は0%Financial Charge と謳ってカードを送ってくることが多い。 しかしこれがいつまでも続くねずみ 講では無く、あっという間に借金が何十倍にも増えていることになる。俗に言う クレジットカード破産の始まりだ。まあ明日の事しか考えていないアメリカ人の 習慣が問題なのだが。

◆ 返品・クレーム

クレームといえば最初アメリカでショッピングした頃、返品がこんなに容易だとは 思っていなくて、友達に言われてから返品し始めたら、とても簡単で気楽なことに 感激した記憶がある。基本的に店の中に返品コーナー(カスタマーサービスと 言っている場合が多い)が必ずあり、理由は気に入らなかったでも何でもよく、 1週間から30日以内の返品交換あるいは現金交換が可能である。これを利用した 悪いケースでは、大型テレビを買ってスポーツゲームを見た後、返品した人を私は 知っている。もちろん売っている商品の中にはそのような返品されたものが含まれて いることも、知っておかないといけない。親切な店ではこのような商品には返品の タグがあり、価格も相談次第なことがある。オンラインショッピングの場合、 カスタマーサービスに電話して(メールでもOK)RMAナンバーを貰い、返送すると 折り返し新品が送られて来る(RMAとは Return Material Authorizationのこと)。 大手のサイトではこの郵送費用が無料であることも多い。私がハンドスプリング社 のバイザーPDAを買って一年くらいたった時、液晶のガラスに傷をつけてしまい修理 しなければならなくなった。友人がハンドスプリング社のサイトでは修理でなく交 換してくれると教えてくれて、早速電話してRMAを貰おうとしたらカスタマーサービス の人から、まず新品を送るからそれで前のバイザーのファイルをシンクして使えるよ うにしてから、添付されているRMAを使って古いほうを送り返してくださいと言われ て感激した。もちろんクレジットカード番号など知らせてあるので新品をネコババな どできないのだが、こんなサービスは未だかつて聞いたことがない。このサービスで ハンドスプリング社の顧客が急速に増えたことは間違いないだろう。

◆ オンラインならではの商品

今や何でもオンラインショッピングできる時代だが、オンラインならではのショッ ピングとして流行っているものに車の保険があり、オンラインショップのみの保険 会社も多数出て来ており、何よりも他社との比較がすぐに出来、他社よりこれだけ 安いとすぐに表示できるのは、オンラインならではの特徴だ。アメリカの車の保険 は非常に高く、住んでいる地方や都市の状況によって値段がかなり異なる。車によっ ては年間2000ドル以上もとられるので安い保険に対する関心は極めて高い。 Yahoo Shopping も歴史は古いが、最近ここでは商品を出しているサイトが個人か あるいはそれに近い起業家のものであることが多いように見受けられる。サイトの グラフィクスが似通っており、注文すると、特定の倉庫あるいは個人らしき発送元 から商品が送られて来るのがその特徴である。

◆ オンラインショッピングで億万長者!?

アメリカでは夜10時以降TVでいろいろな金儲けのコマーシャルをやっているが、代表 的なものに土地建物売買(Real Estate Sales)で億万長者になろうというものと、 最近ではオンラインショッピングで億万長者になろうというものがある。この売り 込みがなかなか良く出来ていて、思わず飛びつきそうになるが、そうは簡単に億万 長者になれるわけがない。このシステムではまず、始める人は一銭も払わずにその 会社のサイトに希望のショッピングサイトを造ることが出来、サイトのデザインも その会社のデザイナーがやってくれて、本人は商品をその会社のリストから選び希 望の価格をつければよいだけで、オーダー受付から発送までその会社でやってくれる と言う夢のような内容である。本人は家からこのオンラインショッピングを運営し、 売れた商品の価格と仕入れ値との差額が丸々手取りとなるそうだ。何ともうまい話で、 この話にはもちろん落ちがあるのだが、アメリカ人は家にいて仕事が出来ることに 対してかなりの執着心があるようだ。

◆ ワイヤレス(モバイル)ショッピング

最後にワイアレスショッピングについてだが、これについてはアメリカではほとんど 進んでいないどころか撤退する企業が相次いでいる。アメリカには街頭自動販売機 などないので、ケータイでコーラを買うなんて事は全然話にもならないが、私も使 ったことのあるWells Fargo銀行のワイヤレスサイトも最近閉鎖になった。理由は 320万人のオンラインユーザーに対してワイヤレスバンキングは2500人しか利用客が いなかったそうである。各種振込みなど、思い出した時すぐできるので便利だとは 思っていたのだが、まあケータイ事情からいってもアメリカの生活習慣からいっても、 アメリカでモバイルコマースが花開くのは世代交代してからであろう。

次回は最近の移民パワーについて


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