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なるほどテクノロジー
不思議な四角形「QRコード」の謎に迫る

ケータイ(※1)といえば、現在8800万台(※2)以上が利用され、様々な使われ方をしています。今回はそんなケータイに新たな可能性を加えている「QRコード」の謎に迫ります。

※1 ケータイとは「音声通話やメッセージなどコミュニケーションとしての個人ツールとなっている、携帯電話やPHSの通称」。一般的でないデータ通信タイプの端末は含まれません。
※2 気通信事業者協会(TCA)2005年8月発表データより

リアル連携がキーワード

今やケータイは、必携の個人ツールとなっています。このケータイがビジネスだけでなく、よりパーソナルなツールとして、パソコンに勝るとも劣らない魅力を持っています。ケータイが社会に浸透するにつれ、通信や情報の受信機としての機能だけでなく、さらに日常の生活と密接に関わる機能が新しく求められるようになりました。これを「リアル連携」と言い、通信会社だけで無く社会全体を巻き込んだ大きな動きとなっています。

 
■ケータイのカメラが写す謎の記号

ケータイにカメラ機能が搭載されて久しいのですが、このカメラが「写真を撮る」という機能のみならず、「リアル連携」を実現する上で欠かせない機能となってきました。このカギを解くのが、謎の四角い記号「QRコード」です。


飛躍的に向上した情報量

QRコードは縦横両方向に正方形の点をマトリックス型に描くことで情報量が飛躍的に向上しています。従来のバーコードのように数字の情報だけでなく、英字、カナ、さらにはJIS第一・第二水準の漢字を記録することが可能です。例えば名刺にQRコードを記録しておけば、名刺に書かれている文字と同じ情報を瞬時に読み込むことが可能です。また名前、フリガナ、メールアドレスといった情報をケータイのアドレス帳に一括登録することも可能となっています。

 
■簡単アクセス

最も単純な利用法として、インターネット接続があります。例えば、これまでは雑誌の中や飲食店などで「ケータイからお店のお得な情報を入手しよう」というキャンペーンがあったとしても、そのサイトにアクセスするには、ケータイでブラウザを呼び出して、URLを入力するという手間が必要でした。そのため「面倒だからそこまではしない」ということも多くありました。しかしQRコードがあればケータイのデジタルカメラでコードを写すだけで、そのキャンペーンサイトのURLが画面上に表示されます。そこからボタンひとつで簡単にそのサイトにアクセスすることができるのです。



まとめ

QRコードを作成するには、専門の業者に作ってもらう必要もありませんし、特別な装置が必要なわけでもありません。パソコンさえあれば、通信会社のサイトから無料でソフトを入手できますし、Webページ上で瞬時に作成するサービスを行なっているサイトもあります。QRコードはケータイやパソコンの画面上に表示させることも、コピーして大量に配布する事もできます。そして、読取り側はケータイがあれば良いのです。「QRコードというケータイで扱えるデジタルデータが現実の社会経済に関わっている」、これもケータイによってもたらされるリアル連携といえます。こういった仕組みはアイデア次第で誰もが便利な使い方や新しいビジネスを創造できる大きな可能性を持っています。

 

     

QRコードとは2次元コードの1つで、従来のバーコードが1次元表記なのに比べて、2次元表記にすることで記録できる情報量を数十倍に高めることを実現したものです。

 

  横方向のみの読み取り(概念図)   縦横2方向の読み取り(概念図)
 

従来の1次元のバーコードとは、一般に売られている商品や、書籍などの裏に印刷されている縦線のみで構成されたコードのことです。コンビニなどでもこのバーコードを読み取ってレジで精算するので、すにで多くの方に馴染みのあるものでしょう。このコードには製品を識別するための情報が記録されており、商品管理に役立てられています。
バーコードを読み取って取扱う場合にはスキャナ、ディスプレイ、通信機能が必須ですが、カメラ付きケータイは初めからこの機能を全て備えていたと言えるのです。



QRコードの4つの角のうち3ヶ所は作成時に必ず黒く生成されますが、これがシンボルとなってどの角度からでも正確な情報を読取ることができるようになっています。

QRコードの収納可能文字数
数字のみ 最大7,089文字
英数字 最大4,296文字
バイナリ(8ビット) 最大2,953バイト
漢字、全角カナ 最大1,817文字
 

ケータイではNTTドコモ、au、ボーダフォンと3大通信会社がサポートしていますが、QRコードはケータイだけに利用されるものではありません。国際標準であるISO、そして日本工業規格「JIS-X-0510」を取得し、一部のコンビニで流通管理に用いたりJRAの馬券などでも目にすることがあります。

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