「試着できないし、画面の写真だけでは色やデザイン、質感が分かりにくい」といった当初の心配もなんのその、今やオンラインショップはファッション業界の重要な販売チャネルになっている。
なかでも、ネット市場の成長株として注目されているのが、きもの産業。かなり意外な気がするが、大手ショッピングモール「楽天市場」によると、ここ数年、きもの分野の売上高は2桁の伸びを続けているそうで、事実、同サイトの恒例企画「ショップ・オブ・ザ・イヤー」で2002年度の新人賞を獲得したのもきもの企業だった。
大阪市の老舗呉服店が運営する「オンラインきもの見本市」がそのサイト。昨年5月に楽天市場へ出店したところ、思ったより反応が良く、1円から入札できる「1円オークション」を始めるとアクセス数は1日10万件を超え、売上げも10カ月間で1億円を突破。現在も月間2000点のきものを販売していると言う。他にもネット販売で好調な成績を維持している店は多く、相乗効果で店頭に新規客が増えた所もある。
きものの小売店やメーカー、卸などのネット参入は決して目新しいことではないのだが、ここへ来て急成長する店が増えたのはなぜなのか?
どうやらポイントは価格と若年層を意識した品ぞろえにある様子。例えば前出の「オンラインきもの見本市」では振袖が2万9800円から。留袖や紬なども参考価格の10分の1で販売しているし(仕立て代は別料金)、デニム生地の着物やレースの襦袢、ストレッチ素材のカラー足袋、ハロウィンやカエル柄の帯といったカジュアルな素材・デザインで人気を集めている店もある。
インターネットで若年層のニーズをつかみ始めたきもの産業。男性客も増えており、新しいきものファッションが今後さらに多くの人に受け入れられていくかどうか、楽しみでもある。
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4人に1人が65歳以上となる超高齢社会の到来を控え、各自治体では地域に住む高齢者へのケア体制の確立が急務となっている。その中で、どの家庭でも毎日使うガスを、一人暮らし高齢者の安否確認に活用し始めたのが神戸市。モデル事業として、昨年度は東灘区でのみ実施したガスメーターを使っての安否確認サービスを、今年10月からは全市に規模を広げスタートさせている。
今回のシステムは、まず大阪ガスが対象者宅に通信機能付きガスメーターを設置し、同社の24時間監視センターが1日1回、ガスの使用状況を確認。結果を地域高齢者の公的支援機関である在宅介護支援センターや家族へメールする。在宅介護センターでは毎朝9時にメール内容を確認し、ガス使用ゼロの場合は対象者宅へ電話をかけ、それでも安否が確認できない場合には家へ駆けつける、というもの。
神戸市では十数年前から、高齢者向けケア付き公共住宅に水道の使用状況を見張る「生活リズムセンサー」を設置してきたが、このセンサーは取り付けが難しく、コストも高かったことから、もっと汎用性の高いシステムを探していたと言う。
こうした高齢者の安否確認システムとしては、湯沸しポットの利用状況をメールで知らせるサービスがよく知られているが、他にも、家の中に取り付けたセンサーで高齢者の動きを数時間単位で記録したものをメールで知らせたり、テレビ電話で直接確認するものなどがある。しかし、コストなどの問題もあり、実際に自治体で取り入れられている方法の大半は人による確認作業。民生委員や近隣住民が定期的に訪問したり、郵便局員や新聞配達員が配達時に声をかけていることが多い。
どういった方法がベストか・・・、それは地域によって異なる。自分の住む町ではどんな方法を選択しているのか? それは地域の実情に合っているのか? これを機会に一度調べてみてはいかかだろう。
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・合繊業界の糸・わた取引 ネット取引が増加(9月29日掲載)
・量販店 衣料自動発注広がる 発注ミス、品切れ防止(9月25日掲載)
・アパ産協の無線タグ標準化 システム具体化動き出す(9月17日掲載)
・合繊メーカー04〜05年秋スポーツ素材 ナノテクを本格活用(9月10日掲載)
・ヤング向け雑誌 相次ぎ通販に進出 ケータイ受注が急伸(9月10日掲載)
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・大阪ガス 圧力の常時遠隔監視 ガス管破損を適時通知(10月1日掲載)
・東京都下水道局 汚泥から燃料ガス製造 電力自給率向上へ(9月24日掲載)
・東京ガス・鹿島建設 汚染地下水 建物壊さず浄化
工事費を2〜3割削減(9月17日掲載)
・大阪ガス・KRI 新技術で素材を開発 光通信コスト低減(9月10日掲載)
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