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10年、150億円が最低相場といわれる新薬開発。しかし、それだけの時間と費用をかけても成果が出ないことが多く、「医薬品」として市場に出る確率は5000〜1万分の1程度というから製薬産業が抱えるリスクは大変なもの。それを軽減するために進められているのがEDC(Electronic Data Capturing)の導入だ。

EDCは新薬開発の最終ステップである「治験」の症例データを電子管理するシステム。治験とは人間を対象に実施される臨床試験のことで、第1段階:少数の健康成人、第2段階:少数の患者さん、第3段階:多数の患者さんと投与対象を変えながら、その安全性や有効性を確認していくため通常でも3〜7年かかってしまう。EDCの目的はこの治験を迅速に進めることで、最終的には開発期間全体の短縮を目指している。

迅速化を図る方法だが、これまで紙ベースだった「症例報告書」を電子化して医師や治験コーディネーターがデータ入力するものとし、製薬会社はそれをインターネットや専用回線で回収する――現時点で実用化されているのは、これだけだ。それでも製薬会社にとっては不備項目のチェックやデータ入力作業、症例報告書の回収作業などが省力化でき、効率性の向上に役立っている。また、有害事象発生時の対応という点でも、早い段階で情報が集められることには大きな意味がある。

今後の主な課題としては、まず、現在各社バラバラになっているシステムを標準化し、医療機関側の負担を軽くすること。そして、もう一つが、医師の捺印がある“紙”を症例報告書の原本としなければいけない法規制を改め、電子署名などのシステムを取り入れた本当のペーパーレス環境をつくり出すこと。既にどちらの問題も解決に向けた働きかけが始まっており、見通しも明るい様子。

将来は電子カルテとの融合を期待されているEDC。これが実現すれば、電子カルテから自動的に症例報告書が作成されるようになり、さらに時間とコストを削減できるようになる。治験環境で欧米に遅れを取っている日本だが、このEDCが環境整備につながることは間違いない。

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ロシアの批准引き延ばしで、なかなか発効されない「京都議定書」。しかし、2002年6月にこれに批准した日本では、08〜12年の温室効果ガス排出量を1990年比で6%削減という目標の達成のため取り組みを進めている。その一つが、太陽や風などの自然の力を利用したり、これまで捨てられていた資源を有効に使う“新エネルギー”の導入促進。
有力な石油代替エネルギーであり、発電時の二酸化炭素排出量が少ないなど優れた特性を持ちながら、発電コストが割高なため本格導入が見送られていた新エネルギーだが、昨年4月に施行された「RPS法」の影響もあり、周囲の認識は変わりつつある。

RPS法は、電力会社にその販売電力量に応じた一定割合以上の新エネルギー電力の利用を義務付けた法律で、03年度の“義務量”は業界全体で32.8億kWh。02年度の新エネルギー発電電力量が30億kwhあったことを考えると少ない気もするが、数字は段階的に引き上げられ、10年度には全電力量の1.35%に当たる122億kWhが義務付けられることとなる。

また、新エネルギーは地域ごとに偏りがあるため、義務量の履行には、(1)自社で新エネルギーを発電する、(2)他社から新エネルギー電気を購入する、(3)他社から「新エネ等電気相当量」を購入する、の3つの選択肢が用意されている。3番目は他社が新エネルギーで発電し供給した“実績”を購入し、自社の扱いに充当できるシステムで、やりとりされる数字は政府保有の電子口座で管理される。

一方、一般企業では「グリーン電力証書制度」への取り組みが盛んだ。これは、新エネルギー電力を“電気自体の価値”と“環境付加価値”とに分け、後者を環境貢献を望む企業が購入する制度。企業には「グリーン電力証書」が発行されるだけだが、その積極的な取り組みをアピールできることもあり、昨年12月末の時点で43団体、4308.4万kWhの契約が締結されている。

やっと広まり始めた新エネルギーだが、まだ環境は万全ではなく、さらなる枠組みの調整が求められる。京都議定書では発揮できなかったリーダーシップを、国は本制度でこそ発揮してほしい。

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