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日刊建設工業新聞 銀行新報
日刊建設工業新聞

戦国武将の栄華を今に伝える城跡。近年は地方都市の活性化や歴史遺産保護の高まりから、この城跡に往時の天守閣や櫓(やぐら)を復元し、街のシンボルとなる大型公園に整備する構想が全国各地で進められている。こうした事業では、安全対策として、城跡の基礎である石垣の安定性を確認する調査や、場合によっては修復作業が必要となることもあり、そのニーズの高まりを期待する企業も少なくない。

そうした中、IT技術を駆使した「城郭石垣修復トータルシステム」を開発したのが三井住友建設。これは石垣の現状調査から解析、修復、維持・管理までを総合的に支援するもので、例えば現状調査では「3次元レーザー計測」「レイリー波探査(※)」「レーダー探査」という3つの非破壊計測手法を活用して、石垣の表面形状、内部構造、地盤の硬さや埋設物の有無などを、石垣を傷付けることなく把握。また、施工時にはデジタル写真計測技術を利用することで、施工前の石垣の現況図に各施工段階での写真データを合成し、コンピュータ画面上でリアルタイムに修復の進捗状況をチェックできるようになっている。

もちろん、こうした現代の最新技術だけで石垣を修復することはできない。調査だけならともかく、実際に修復することになった場合の解体、積み直し作業はすべて石工(いしく)職人の手作業になる。それも、文化財保護の観点からコンクリートなどは一切用いず、可能な限り元の石を使い、築造当時の伝統工法に則した積み上げ方で復元しなければならないのだから、費やされる時間もコストも大変なものだ。
肉眼では見えない石垣内部の状況を詳細データで提供し、石垣の今と未来の形を示す現代技術は、そうした実作業の優秀なサポート役というところだろうか。

修復という作業は、新しく造るよりもはるかに難しい。石垣に限らず、さまざまな形ある文化財を昔のままの姿で残すために、さらに優れた技量を持つ名サポート役の登場を期待したい。

※レイリー波とは、地盤に上下振動を与えた際に現れる表面波。

  銀行新報

少し前まで、銀行といえば、金利や手数料、営業時間など、何でもかんでも横並びで、選ぶ際のポイントはATMの立地と通帳&キャッシュカードに採用されるキャラクターぐらいしかなかった。しかし、最近ではそれぞれに特色あるサービスを打ち出し、差別化を図ろうとしている。

例えば、東海エリアを拠点とする大垣共立銀行では、4月から全国初の取り組みとして、携帯電話の赤外線通信機能を使い、キャッシュカードを用いずにATMを利用できる「ケータイキャッシュカード」サービスを開始している。現金を引き出す時は、携帯電話の専用アプリケーション上で金額を入力してATMに送信。暗証番号の入力は従来通りATMで行うことになるが、手元にキャッシュカードがなくても出金できるのは、やはり便利。最近では、財布は忘れても携帯電話だけは必ず持ち歩くという人が少なくないだけに、これに追随する銀行が出てくるかもしれない。

一方、大手銀行の取り組みを挙げるとしたら、「ウェブ通帳」だろうか。その名称からも分かるように、従来のような紙の通帳は発行せず、代わりにインターネット上で預金口座の取引内容を確認できるようにしたもので、三井住友銀行が昨年11月に、りそな銀行が今年3月に導入した。両行とも利用者にはATMの時間外手数料を無料にするなどの特典を付けているので、専らATMでお金を出し入れするだけの人なら、このウェブ通帳の方がお得だろう。近ごろ取り沙汰されている盗難通帳による不正払い出しの防止策にもなる。

三井住友銀行では、さらに3月15日から営業店の混雑状況をインターネット上でチェックできる「店頭混雑ナビ」の試用運転を都内2店舗(新宿支店、渋谷駅前支店)で実施中。5月からは顧客が営業店の窓口へ出向く際に、その日程と時間帯を予約できる「窓口予約サービス」も追加して、全店舗でのサービス提供の足がかりとする予定だ。

こうして見てみると、どのサービスもなかなかユニーク。多種多様化し始めた銀行サービスだが、インターネットを活用すれば情報収集は簡単。上手にチョイスして、かしこいマネーライフを始めてみては?

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