ユニバーサルデザインというと、特別な考え方にもとづいて作られた、特別な商品だと思うかもしれない。確かに福祉用品の多くは特別の目的と機能を持っているし、ユニバーサルデザインとして売られているものの中には、今までにない変わった形のちょっと便利なアイデア商品が少なくないから、そう思うのも無理はない。
しかし、現在日本でユニバーサルデザインといわれているものは、その多くが共用品である。これは世界的にも「kyoyo-hin」で通る、日本独自の考え方であり、老いも若きも、障害の有無をも越えて、皆が使えるものやサービスのことである。どうせデザインをするなら、なるべく多くの人に使ってもらえるように、様々な人や状況を慮り、きめ細かな配慮をもってデザインする。この「気配り」のデザインこそ日本流ユニバーサルデザインである。そこから思わぬ使いやすさや、安全、安心、更には楽しさや美しさが生まれてくる。 |