特に、力が弱く手先が器用でもない子供とか、視力が弱く指先に力が入らない高齢者にとって、この開梱作業はやっかいで、中身を早く見たいと思うほどに気ばかりせいて手元がもどかしい。そこで刃物が欲しくなるのだが、鋏だとどこから切り始めたら良いのか分からない。かといって、鋏の刃を開いたまま片刃で切ろうとすると怪我をするから止めたほうが良い。それではと、ガムテープの真ん中にカッターナイフを突き立てて切り裂くと、中身の品物まで傷つけてしまいかねない。
そもそも、包装材の多くは梱包のしやすさばかり考えて、開けやすさまで考えていないものが多すぎる。そこで登場したのが開梱専用のカートンカッターである。箱に軽く押し付けるようにすると、本体下部のスライドガイドが引っ込んでカッターの刃が最大2.5mm程出てくる。そのままズズーッと手前に引けばガムテープだけきれいに切れる。軽く、握りやすくて安全に操作できる形も良く考えられているが、この道具の機能そのものが問題解決型のユニバーサルデザインである。
なくならないよう、ぶら下げておくための穴や、スライドカバーのロック機構、ユニット式替え刃など、細かいところまで使い手に対する配慮が行き届いている。スライドカバーにつけられた直角の溝をガイドにして紙箱の稜線に沿って切ることができるので、牛乳パックを開くのにも使える。一見地味な道具でも青、オレンジ、ピンク、グレーと、4色のカラーバリエーションがそろっているのもうれしい。
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