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ユニバーサルデザイン 益田文和
くるくるドーナツ延長コード
 

「おじいちゃん、DVD見せてあげるね。コンセントどこ?」「あぁ、そうか、おばあちゃん、あれどこだっけ?」
コンセントから離れたところで電気製品を使おうとするときに必要になる「あれ」が、延長コードとかテーブルタップと呼ばれる配線器具。コードの長さが2メートルとか3メートルとか何種類かあって、プラグの挿し込み口も3口とか4口とか選べるものの、基本的には同じような機能、形態のものがほとんど。
普段使われている状態はどなたもご存知のとおりで、いっぱいに伸ばされたコードの先にパソコンやケータイの充電器やテレビや電気スタンドなど、いろいろな電気製品の電源プラグが挿さったままの、いわゆる蛸足配線状態だ。余裕があったはずの挿し込み口がいつの間にか全部ふさがってしまって、なぜこんなに電気製品が多いのかと不思議に思う。普段使わない電気製品を使おうとすると「コンセント、どこ?」と、新たな挿し込み口を探すことになる。
さて、ここで登場する予備の延長コードだが、これがどこにしまったものやら、なぜかすぐには出てこない。テーブルタップ本体にコードがぐるぐると巻きついた状態で見つかれば良いほうで、大抵は本体を引きずり出すと巻いていない汚れたコードがゾロゾロとくっついてくる。
もう少し何とかならないものかと漠然とした不満を持っている人は多いだろう。このPLUGOというテーブルタップは、2.5メートルのコードを本体に巻きつけて収納でき、3本のプラグを挿すことができる。少し大振りだが、色も鮮やかで見つけやすく、持ちやすく、くるくると片手で回しながらコードを繰り出したり巻き取ったりできる。片手に掃除機やポットなどの電気製品を持った体勢でも、あるいは空いたほうの手で体を支えながらでも安全に操作できる。
「おばあちゃん、あのドーナツみたいなの貸して」「ああ、あのくるくるするやつかい?」
「そう、あのくるくるドーナツ。」親しまれるデザインにはすぐにあだ名がつくものだ。

テーブルタップPLUGO / monos (5色)

益田文和(ますだ・ふみかず)プロフィール

1949年

東京生まれ。

1973年

東京造形大学デザイン学科卒業

1982年〜88年

INDUSTRAL DESIGN 誌編集長を歴任

1989年

世界デザイン会議ICSID'89 NAGOYA実行委員

1991年

(株)オープンハウスを設立

1994年

国際デザインフェア'94 NAGOYAプロデューサー

1995年

Tennen Design '95 Kyotoを主催

現在

(株)オープンハウス代表取締役。近年は特にエコロジカルなデザインの研究と実践をテーマに活動している。

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