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ユニバーサルデザイン 益田文和
ぷにっと心地よいマウスパッド
 

人間、同じ姿勢を続けるのはとてもくたびれるものである。特にアンバランスな体勢を保つには、特定の筋肉が緊張し続けなければならず、そのサポートのために直接関係のない筋肉にも負担がかかることになる。それでも若いころは、何とか姿勢を維持する力もあるのだが、加齢とともにその持久力は確実に落ちてくる。
重いものを持つとか、足腰を酷使するといったような重労働でなくても、例えばパソコンのキーボード操作のような指先の作業が全身の疲労につながることは、多くの人が体験的に知っている。これはマウスの操作でも同じことで、実はインターネットの検索などではキーボードよりマウスのほうをよく使う。
マウスを操作するとき、手はマウスの上に載せているように見えるが、実際は手首を机上に置いて、手の平と指とを若干持ち上げ気味に浮かせてマウスに添えている。この不安定な状態を保ちながら、画面の中のポインターを微妙にコントロールし続けるのだから、知らないうちにあちこちの筋肉にずいぶんストレスがかかっているはずだ。
この時、手首にあてがって少し高い位置で支える枕のようなものがあるとずいぶん楽なのである。ハンドレストとかリストレストとか呼ばれているこの商品、いろいろな種類が売られているところを見るとそれだけ需要もあるのだろう。
中でもこのハンドレスト一体型マウスパッドはいかにも柔らかそうな、可愛らしい形をしていて、パッケージには赤ちゃんのほっぺの写真に、「ぷにっ」と書いてある。EXGELという超柔軟性合成ゴムをポリウレタンの合皮でくるんだ構造で、ぷよぷよ、すべすべしていて実に気持ちが良い触り心地。レスト部に手首を載せると柔らかくしっかりと支えてくれる。ちょうど、脈を測るためにベテランの看護士さんに手首を持たれた時のような安心感がある。その心地良さはマウスを使わないときも手首を載せて休ませておきたいくらいだ。

エレコム dimp gel EX マウスパッド MP-101シリーズ(ライトブルー、ライトグレー、ホワイト)

益田文和(ますだ・ふみかず)プロフィール

1949年

東京生まれ。

1973年

東京造形大学デザイン学科卒業

1982年〜88年

INDUSTRAL DESIGN 誌編集長を歴任

1989年

世界デザイン会議ICSID'89 NAGOYA実行委員

1991年

(株)オープンハウスを設立

1994年

国際デザインフェア'94 NAGOYAプロデューサー

1995年

Tennen Design '95 Kyotoを主催

現在

(株)オープンハウス代表取締役。近年は特にエコロジカルなデザインの研究と実践をテーマに活動している。

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