梅雨も終わりごろになると、今までパラパラと降っていた雨が上がるやいなや、夏の日差しが容赦なく降り注ぐようになる。あわててそれまで差していた雨傘を再び開いてみても紫外線を遮る効果はあまり期待できない。逆に初夏のパラソルは誠に風情があるが、急な夕立には役立たない。同じ傘なのに役割が違うのだから仕方がないようなものの、晴れ用と雨用の二本を持って出るわけにもいかないから、天気予報がはっきりしない時などはさてどうしたものかと思案する。
そんな時ありがたいのが晴雨兼用傘だ。このオーロラ社のパラソルは紫外線吸収剤によってUVカット効果を持たせた生地に、更に防水・撥水加工を施しているので、少々の雨であれば雨傘としても役に立つ。折り畳み式なので、梅雨の間から秋口までバッグに忍ばせておけばこれ一本で安心だ。
同じオーロラ社のK.R.Iというシリーズは更に徹底した兼用傘である。テフロンによる防水加工にUV加工も施した薄いポリエステルの生地を、軽くて強いカーボンの骨に張ってあるので、重さは何と150グラムを切っている。長さも22.5センチしかないから、どこに入れて持ち歩いても気にならない。
加えてこの傘が有り難いのは、男女兼用だということ。なぜか日傘は女性のものと決まっていたのが、男性でも、特に高齢者の瞳には紫外線が有害だといわれるようになって、にわかに需要が出てきた。しかし改めて見回すと、男が持つことを考えたデザインの日傘がないのである。
晴雨兼用、男女兼用で超軽量コンパクト。常時携行傘の原点のような傘であるが、畳む時に親指で押す「はじき」にカバーがついて痛くない、形態安定加工がされているからきれいに畳めるなど、随所に使用者に対する配慮が見られるのもうれしい。
20世紀は専門とか専用という言葉が流行った時代だったと思う。それに対して汎用、共用、兼用はこれからのもののあり方を指し示す概念であり、ユニバーサルデザインの考え方の基本でもある。
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