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ユニバーサルデザイン 益田文和
野菜の皮むきグローブ
 

野菜の皮を刃物でむくのは意外に面倒なもので、そのためにいろいろと工夫されたピーラーが売られているものの、じゃがいもや里芋などは、持っている手の中で安定しないので指を切りそうになる。芋洗い機は里芋などを水の中でお互いにこすり合わせて泥を洗い落とし、そのまま洗い続ければ皮もむけてしまうという仕掛けだが、それに近い原理でゴシゴシこすって皮をむいてしまおうというのが、簡単皮むきグローブ「ムッキー」だ。
使い方は実に簡単で、グローブをはめた両手のひらで野菜を包みこんで揉むようにすると、グローブの手のひらと指の内側に施された細かい凸凹加工で擦られて、皮がむけてしまうというもの。実際に使ってみると、じゃがいもはみるみる皮がむけてつるつるになる。里芋は皮が厚くて少し力が必要だが、親指の腹で擦るときれいにむける。形が複雑でヌルヌルする山芋も、手がかゆくなることもなく便利だ。にんじんは、最近はあまり皮をむかないで食べるのがはやりだそうだが、このグローブだとむき過ぎないで適当に加減できる。
包丁などを上手く使って手際よく皮がむける人は別として、材料をとり落としたり、けがをしたりする不安のある人には強い味方だ。指先に力が入らないような場合は、少し時間はかかるかもしれないが、手の中でゴシゴシやっているうちに皮がむけてくる感じは結構楽しい。何よりも安心して作業できるのはありがたい。
ブツブツだらけのビニール・グローブはそれだけでもグロテスクな感じがあるのに、にんじんに負けない朱色のせいもあって可愛いとはいえないデザインが気にはなるが、ここではキャンプ場などでよく目立ってなくしにくいということにしておこう。

株式会社ファイン 簡単皮むきグローブ「ムッキー」

益田文和(ますだ・ふみかず)プロフィール

1949年

東京生まれ。

1973年

東京造形大学デザイン学科卒業

1982年〜88年

INDUSTRAL DESIGN 誌編集長を歴任

1989年

世界デザイン会議ICSID'89 NAGOYA実行委員

1991年

(株)オープンハウスを設立

1994年

国際デザインフェア'94 NAGOYAプロデューサー

1995年

Tennen Design '95 Kyotoを主催

現在

(株)オープンハウス代表取締役。近年は特にエコロジカルなデザインの研究と実践をテーマに活動している。

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