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ユニバーサルデザイン 益田文和
安心して眠るための目覚まし
 

春眠暁を覚えず、と言うけれど、実は朝寝坊は春より秋のほうが多いような気がする。夜明けが日に日に遅くなってなかなか明るくならない上、朝が涼しくなるので、二度寝が心地良い。秋も深まると布団から出るのがおっくうになってくる。
この時期、うっかり寝過ごさないために目覚まし時計は必需品だが、なぜか良いデザインの目覚まし時計に巡り合わない。ごてごてと無意味な飾りをつけたものが多く、ずうたいが大き過ぎて邪魔だったり、逆に小さ過ぎて扱いにくかったりする。
年齢とともに気付くのは、時計なのに時刻が読みにくいものが多いことで、特に夜中に目が覚めることが多くなると、何時かを知るためにいちいち部屋の照明をつけなければならないのは困る。
コンパクトで枕元に置いて邪魔にならず、時刻表示がはっきりと読みやすく、目覚ましの設定がしやすくてアラームの音が大きい。そういう基本的な条件を満たすものがあれば、形はすっきりと単純なほうが良い。以前からそんなことを考えていて、やっと見つけたのがこれである。
何よりデジタル表示の文字が大きく、くっきりと光って読みやすいのがありがたい。文字の色に赤とグリーンがあるのは、色覚障害を持つ人に対する配慮だろうか。加齢に伴う視覚障害の場合、赤に比べてグリーンの光のほうが見やすい人が多いと言われている。どちらにしてもくっきり明快で、寝付きの邪魔にならないように輝度の調整機能がついている。アラーム音は大きくはっきりとしていて、バイブレーションに切り替えることもできる。操作ボタンは小さいながら使いやすく、直感的に扱える。交流電源なので、電池が切れていて目覚ましが鳴らなかったなどという悲劇が起こらないのも良い。
これで起きられなかったら、眠りの深い証拠、ご同慶の至りである。

コンパクト大音量目覚まし時計 ホワイト・ブラック

益田文和(ますだ・ふみかず)プロフィール

1949年

東京生まれ。

1973年

東京造形大学デザイン学科卒業

1982年〜88年

INDUSTRAL DESIGN 誌編集長を歴任

1989年

世界デザイン会議ICSID'89 NAGOYA実行委員

1991年

(株)オープンハウスを設立

1994年

国際デザインフェア'94 NAGOYAプロデューサー

1995年

Tennen Design '95 Kyotoを主催

現在

(株)オープンハウス代表取締役。近年は特にエコロジカルなデザインの研究と実践をテーマに活動している。

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