上から見ると卵型、横から見ると甲羅を持った昆虫のようでもあり、ヘルメットのようでもあり、ひっくり返すとカニの腹のようなカタチのホッチキス。見るからに能天気で、その名も「たまほっち」と、そのまんまである。
上カバーの真ん中を手のひらで押すと割合に楽に紙を綴じることができる。「割合に」というのは、他の製品と比較して押す力が少なくて済むというわけではないからである。軽く押せるということで言えば、大きくて長い首を持った物のほうがテコの原理からいっても有利なのだ。
このホッチキスの特長はなんといっても卵形の上カバーを、手のひらでも、拳骨でも、腕でも、肘でも、何なら足でも、おでこでも使って真上から押せば良いという点である。そのことを可能にしているのは、柔らかい曲面を持った大きなカバーとともに、幅広で安定した底の形である。 |