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ユニバーサルデザイン 益田文和
Vol.009 CDに手を触れずスマートに扱う
 

CDは音楽メディアの主流としてすっかり定着した。一方、オフィスではパソコンのデータ記録メディアはCD-ROMに落ち着いた感がある。最近はこれにDVDが加わって、どこへ行っても、ポリカーボネートでできた直径12センチの薄い円盤だらけである。

今でこそCDの扱いに大分慣れたものの、初めのうちはこの虹色に怪しく光る円盤をケースから取り出し、CDプレーヤーやディスクドライブのトレイにセットするまで、円盤の表面に指紋をつけないように随分気を使ったものである。ところが、最近になってパソコン用CD-Rが普及し一枚数十円で買えるようになると、大分扱いがぞんざいになってきた。だが、何も記録されていないディスクは安くても、貴重なデータを記録したCD-Rは掛け替えのない価値を持つ。傷や汚れや変形や指紋べたべたは避けたいものである。
このCD-LIFTはデンマークのデザイナー、TOMMY LARSENコレクションの一つで、その名のとおりCDを持ち上げるための道具である。CDのまんなかに置いて丸いゴムの部分を押すと、中の空気が逃げてディスクが吸着する。そのまま持ち上げればCDはケースの爪を離れて付いてくる。ドライブのトレイにセットしたらもう一度ゴムを押すとCDは離れる。
加齢と共に、机の上にペタンと置かれたCDのような平べったいものを取り上げることが難しくなる。そうでなくても指先に絆創膏でも貼っているとどうにも扱いかねる。英語で不器用なことを「指がぜんぶ親指だ」と言うが、親指だらけの人にとってCDをケースから取り出したり汚さないように扱ったりするのはイライラする作業に違いない。どの場合もCD-LIFTのような道具があればスマートにCDを扱える。

CD-LIFT  3,780円 (銀座伊東屋)

益田文和(ますだ・ふみかず)プロフィール

1949年

東京生まれ。

1973年

東京造形大学デザイン学科卒業

1982年〜88年

INDUSTRAL DESIGN 誌編集長を歴任

1989年

世界デザイン会議ICSID'89 NAGOYA実行委員

1994年

国際デザインフェア'94 NAGOYAプロデューサー

1995年

Tennen Design '95 Kyotoを主催

1991年

(株)オープンハウスを設立
現在代表取締役。近年は特にエコロジカルなデザインの研究と実践をテーマに活動している

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