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![]() ![]() ホワイトハウスから、車で約20分の我が家は、ワシントンから川を隔てた隣町にあり、古い家が並ぶ。昔から住んでいるというシニアが少なくないコミュニティーだ。でも住民同士の連絡手段には、メーリングリストが大活躍。「ベビーシッターを探しているんだけど、おススメの人いる?」「うちの猫が昨日から見つかりません。見かけたら教えてください」「不要になった本棚を家の前に置いておきます。欲しい人は取りに来てください」等々、MLに登録していると、頻繁にメールが来る。こうした問い合わせに対する返信も素早く「ありがとう!」「助かりました!」などのお礼メールも届き、コミュニティーの温かさを感じる。
「凄腕大工さん」「水道管のトラブル発生には」など、今後役立ちそうな内容は、私もすぐにメールを保存。お陰で、引っ越して間もなく地域情報に詳しくなった。でも、毎日複数のメールを受けるのは面倒!という人には、ダイジェスト版の選択肢もあり、欲しいときに、欲しいだけ情報が得られるようになっている。 また、既存のコミュニティーだけでなく、緊急時に助け合うコミュニティーを作るのにも、インターネットが大きな役割を果たしている。つい最近、娘の通う幼稚園で、ある園児の母親が膝を痛め、運転はもちろん、歩くこともできない状態になり、その園児の幼稚園や習い事教室への送り迎え、更に小学生のお姉ちゃんの学校の送り迎えなど、一日に複数の手助けが必要となった。しかし、膝の回復には1ヶ月以上かかると見られ、ずっと同じ人に世話になる訳にはいかない。しかも、複数の人のスケジュールとつき合わせて、毎回連絡するのも、それだけで大変な作業だ。そこで彼女の親友が、ウェブサイトを利用して、幅広くボランティアを集めた。
![]() インターネットを巧みに使っているのは民間だけではない。ホワイトハウスの庭で例年、春に行われるイースターイベントのチケットも、今年は初めてインターネットを使って配布された。
これは、一年に一度、ホワイトハウスの庭で遊べて、時間によっては、大統領に会える貴重な機会とあって、毎年、超人気の催しである。去年まではワシントン近郊に住む人が、前日から長蛇の列を作って、早い者勝ちでチケットを入手していた。ところが今年は、オバマ大統領がワシントン以外の子供達にも楽しんでもらいたいと、インターネットを使って、広くアメリカ全土から希望者を募ったのである。もちろん競争率は急激に高まり、時間を決めて散発的に配布されたものの、2万枚以上のチケットは、あっという間になくなった。 こうしたインターネットの浸透は、国政のみならず地域の行政にも及んでいる。息子が通う公立の小学校では、電話連絡網というものが存在しない。悪天候による学校の休校情報はメールで送られてくるし、新型インフルエンザの予防接種が、いつ、どの学年に行われるか、という内容も、地域の役所からお知らせメールが送られてくる。学校のランチはカフェテリアで生徒が買うのだが、そのお金もオンラインで入金することができ、生徒が現金を学校に持っていく必要がない。地域のスポーツ、文化教室も、インターネットの登録が当たり前だ。
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