次々に流れてくるお皿を好きに選べる回転寿司だが、気になるのはその鮮度。回っているうちに明らかに乾いてしまったネタを見ると、出した手も思わず引っ込む。
 |
 |
 |
|
お皿の台座部分に貼られたQR(クイック・レスポンス)コード。どこからでも読み取れるように、1周ぐるりと付いている。
|
|
 |
フロアーから厨房へ戻ってきたお皿のQRコードを読むセンサー。一連の「時間制限管理システム」で特許を取得。
|
 |
商品名を表示したPOPの皿の後に、実際のお寿司が乗った皿が流れる。このPOPの後ろに皿がないと、その種類のお寿司を作らなければならないことが分かる。1種類につき何皿作るかも決められている。
|
|
「1日に1万皿作るお寿司の管理、これは難題でした。1時間ごとにお寿司の置き方を変えたり、お皿の色を変えたり、いろんなことを試しましたが、どれも『人海戦術では無理』という証明にしかなりませんでした。それじゃ、コンピュータでとバーコードを貼ってみたものの、少しのキズや水濡れで読み取れない、エラーが多い。で、最終的に採用したのが2次元コード『QRコード』による『時間制限管理システム』です」
1997(平成9)年に導入したこのシステムは、レーンを回るすべてのお皿にQRコードを貼り、これを厨房にあるセンサーが読み取るというもの。レーンの長さにより所要時間が決まっているので、何周したかで時間が分かる。例えば1周13分のレーンなら、2周で26分、3周で39分。30分以内と設定すれば、2周したところで廃棄されるという仕組みだ。これによって、見た目では分からない鮮度が管理できるようになった。
食べる側としてうれしいシステムだが、こんな厳密な管理をしてコストは大丈夫なのか?
「システム導入前100皿だった廃棄が、導入後は800皿に増えました。もちろん、このままでは経営的に苦しい。そこで考え出したのが『製造管理システム』です。お客様が入店されると、レジ係が大人何人、子供何人とデータを入力します。これを元に、今いらしたお客様がこれから15分以内で食べるであろう皿数と現在流れている皿数の差を分析し、すぐ作る必要があれば青色信号、足りていたら赤色信号を厨房に表示します。無駄なお寿司を作らない=廃棄が減る、ということですね。これも特許を取りました」
統計データ上、成人男性は入店後15分で6皿、その後10分で2〜3皿を食べる。どのネタの寿司を作るかだが、これも商品のランキングデータがあり、決まっているという。ちなみに、関西ではハマチ、関東ではマグロが1位だそうだ。
 |
厨房に取り付けられたモニター画面。滞留時間や廃棄数などのデータが表示される。
|
|
|
|
|