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かしこい生き方を考える COMZINE BACK NUMBER
@

電子メールでおなじみの「@」という記号、皆さんは何と読むだろうか?
もちろん「アット・マーク」と読む方がほとんどだろうが、これは日本独特の呼び名で、米国や英国では「at sign」「at」あるいは「commercial-a (at)」と言う。

この@をユーザー名とドメイン名の区切りとして初めて使ったのが、米国BBN Technologiesの科学者で“電子メールの父”と呼ばれるレイ・トムリンソン氏。1971年秋、氏はインターネットの元となるARPANETに接続された2台のコンピュータ間で、電子メールの送信に成功する。

氏がメールアドレスに@を採用したのは、この文字が名前に使われることがほぼないこと、@が場所や位置を示す前置詞「at」と同音で、個々のユーザーがそれぞれのホストにいることを表わせると考えたからだ。

さて、「アット・マーク」が日本独自なら、他の国にもそれなりの呼び方があるはずだ。インターネットで調べてみると、いくつかユニークなものが見つかったのでご紹介しよう。

・フィンランド kissanhnta(ネコのシッポ)、miau(にゃあ=ネコの鳴き声)
・デンマーク snabel-a(ゾウの鼻のa)
 スウェーデン  
・オランダ apestaart(サルのシッポ)
・ドイツ affenschwanz(サルのシッポ)、klammeraffe(クモザル)
・イタリア chiocciola(カタツムリ)
・スペイン arroba(アローバ=重量の単位、約11キロ)
 ポルトガル  
・ロシア sobachka(子犬)
・ポーランド malpa(サル)、kotek(子猫)、ucho s'wini(ブタの耳)
・チェコ  zavinac(にしんのピクルス)
・イスラエル shablul(カタツムリ)、shtrudl(薄い生地で巻き込んだお菓子)
・台湾 xiao lao-shu(小ネズミ)、 lao shu-hao(ネズミのサイン)

この他に「いもむし」「シナモンロール」「耳」などと呼ぶ国もあると言う。@を何に喩えるかで、お国柄がしのばれ興味深い。

※上記に挙げたのは一例です。また、公式には英米の呼び名に準じている国もありますが、ここでは省略しています。

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特許流通  
TLOの役割
TLOとは、Technology Licensing Organization(技術移転機関)の略称で、大学や研究所の研究成果を特許化して企業に技術移転するとともに、そこから得られた対価を大学の研究資金にあて、新たな研究成果を生み出すことを目指す機関。研究者と企業、特許庁とつなぐコーディネーター的な存在で、98年8月の「大学等技術移転促進法」制定以降、相次いで設立されている。


特許流通促進事業成約件数の推移
特許流通アドバイザーの支援による特許ライセンス契約等の成立(成約)件数は、02年には累計2701件にまで伸びた。

これまで「特許」と言えば、もっぱら自社で開発した技術を守るために利用されることが多かったが、そこから一歩進んで、特許(知的財産権)を技術・経営戦略的に活用しようという動きが広がっている。

このような動きが出てきた背景の一つに、経済のグローバル化に伴い、企業経営において知的財産権の価値が高まってきたことがある。世界の特許出願状況に見ると、1990年代後半から海外への出願が急増。また、スタンフォード大学やIBMのように、特許を活用した成功例もある。ちなみに、スタンフォード大学の96年の特許収入は4400万ドル(研究予算の14%)、IBMも2000年にはライセンスだけで17億ドル(純利益の21%)を稼ぎ出していると言う。

今回、取り上げた「特許流通」とは、特許を実施権許諾(ライセンス)あるいは売買することによって、例えばA社からB社へ、C大学からD社へと技術移転を行うことだが、ゆくゆくは特許を普通の商品やサービスと同じように市場で取引できるようにしようという狙いがある。

経済産業省・特許庁では97年から特許流通促進事業を実施。具体的には、特許提供者と導入希望者の橋渡しをする「特許流通アドバイザー」を自治体やTLO(※図参照)に派遣する事業、特許流通データベースの整備、知的財産権取引業者の育成などがある。

こうした取り組みは、商品のライフサイクルが年々短くなり、自前で研究開発することが負担となっている中小企業や、研究成果を特許出願し、企業へ技術移転したい大学などで歓迎されている。

今後、特許流通がさらに進めば、特許をM&A(企業の合併・買収)や企業提携の切り札として経営的に使ったり、特許を担保にする、証券化するなど資金調達の手段として利用することもできる。特許流通で、目指すは知的財産立国ニッポン!

情報提供:独立行政法人工業所有権総合情報館

ルビ

「阿吽」「膏肓」「躑躅」――こんな難しい漢字には“ルビ”を振ってほしいもの。ルビとは、皆さんもご存じのように、漢字などに付ける振り仮名のことだが、どうして振り仮名をルビと呼ぶのだろうか?

意外なことに、ルビという言葉は宝石の「ルビー」に由来していると言う。
18世紀初頭まで欧米には活字の大きさを表わす一定の単位がなく、活字に宝石やその他の名前を付けてその大小を区別していたそうだ。例えば――

・ 4.5ポイント

ダイヤモンド
・ 5ポイント パール
・ 5.5ポイント ルビー(英国)
  アガット(=めのう、米国)
・ 6.5ポイント エメラルド(英国)
・ 11ポイント スモールパイカ
・ 12ポイント パイカ

日本では活版の時代、通常、本文は5号活字、振り仮名は7号活字を使っており、この7号活字がイギリスで5.5ポイント活字とほぼ同じ大きさだったことから、振り仮名活字を「ルビ」と言うようになった。印刷の手法は活版、写植(写真植字)、DTPと移り変わったが、ルビは今もルビのまま。さしずめ、印刷の歴史の小さな証人といったところか。

さて、今度、ワープロソフト「Microsoft Word」を使う時、「フォントサイズ」の欄をクリックしてみてほしい。上から、8、9、10、10.5、11、12と並んでいるが、「10.5」だけ0.5刻みになっているのはなぜ? 実は10.5ポイントは、活版の本文組みに使われた5号活字に相当する大きさ。ここにも活版が名残を留めている。

※冒頭の漢字は「あうん」「こうこう」「つつじ」と読みます。

文字の単位とサイズの比較 
用途の目安
ポイント
ミリ
 
1
 
 
0.25
 
1
 
0.3514
ルビ
4
 
 
1
7
5
8
 
キャプション
8
5.5
7
2
9
6
 
2.25
10
7
 
2.5
本文
11
7.5
6
2.75
12
8
 
3
13
9
 
3.25
14
10
 
3.5
見出し
15
10.5
5
3.75
16
11
 
4
18
12
 
4.5
20
14
4
5
24
16
3
6
28
20
 
7
32
22
2
8
タイトル
38
26
1
9.665
44
31
 
11
50
34
 
12.5
56
38
 
14
62
42
15.5
70
50
 
17.5
80
57
 
20
90
64
 
22.5
100
71
 
25
●級:写植で使われていた日本語組版の文字のサイズ。1級=0.25ミリ。1ミリの4分の1(=Quarter)であることから、「Q」と略すことが多い。
●ポイント:欧米の活字サイズに基づく単位。1ポイント=約72分の1インチ。アメリカやJISの規格では1ポイント=0.3514ミリだが、WindowsやMacでは1ポイント=0.3527ミリになっている。
●号:日本の活字のサイズ。初号〜8号までの9種類。

イラスト/小湊好冶 Top of the page
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