佐川急便は独自のネットワーク網をお客様サービスだけでなく、新規事業にも役立てている。その一つが「e-コレクト」。「e-コレクト」は、配達された商品の代金を、これまでの現金に加え、クレジットカードやデビットカードでも支払いができるサービスだ。
2000年のサービス開始以来、毎年、前年比130〜150%の伸びを記録。わずか4年間で、取扱個数、取扱金額ともに約3.5倍に急成長した。その理由は?
「インターネットショッピングを利用するお客様が不安に思うことは、個人情報の漏えいと商品が届かないのに代金が引き落とされること。一方、売り主の心配は、商品を送ったのに代金が支払われないことです。ある調査によると、通信販売業界での貸し倒れ率は売上げの0.3〜0.6%、約100億円にも上るといいます。『e-コレクト』なら、売り主は確実に商品代金の回収ができますし、買う側も商品と引き換えなので安心。つまり、売り手と買い手の双方にメリットのあるサービス、ということですね」
「e-コレクト」のクレジットカード決済は分割やリボ払いもできる。
「決済代金については、興味深いデータがあります。現金の平均単価が1万5000円、それがクレジットカードだと3万1000円、デビットカードでは3万8000円なんです」。高額商品の現金一括払いは苦しいが、クレジットの分割払いでなら買える、そんなお財布事情も垣間見える。
「e-コレクト」のカード決済には、PDTとは別の「カード決済携帯端末」が使われている。これにカードを通して読み込み、DoPa網を利用して与信を行う。読み取った情報は送信後、消去されるのでセキュリティ面でも安心。また、情報が漏れないよう、端末のネジを開けた瞬間にプログラム自体を消去してしまう仕組みになっているそうだ。
現在、この専用端末は約1万2000台導入されており、今年中には全セールスドライバーに配備される予定だ。 |