答え :間違っているのは3番です。

1. 高齢になるほど発症率が高まる ◯

本態性振戦の患者数などをまとめた全国的な調査データはまだ報告されていませんが、熊本県内の一地区で住民健診時に住民調査が実施されました。40歳以上の男女1236人(男性507人、女性729人)を対象としたもので、その結果、本態性振戦を発症している人の割合は、40代で0.9%、50代では5.4%、60代では7.2%と、年齢が高くなるほど発症率が高まることが明らかになりました。とくに70歳以上では11.2%に達し、10人に1人という高い数値を示しています。ただし、発症年齢は中年以降が多いのですが、若い人でも発症することがあります。


2. 「ふるえ」は薬でコントロールできる ◯

上手に薬を活用することで、生活の不便が格段に改善されるというケースが少なくありません。ふるえの治療薬は必ずしも毎日定期的に飲まなければならないというものではなく、ふるえを抑えたいときだけ飲むという利用法も可能。服用をやめたからといってふるえがひどくなるわけでもありません。本態性振戦の治療薬としてまず第一に使われるアロチノロールなどのベータ遮断薬の場合、服用して1時間後くらいから効果が現れ、数時間持続するのが特徴です。毎日服用する必要のある人でも、アロチノロ−ルなら通常一日1〜2回飲めばよいことになっています。
※ アロチノロール(商品名アルマール)本態性振戦の治療薬として開発・承認された保険適用薬


3. 本態性振戦になる人は遺伝的にパーキンソン病になりやすい ×

本態性振戦には「家族性本態性振戦」という家族性(遺伝性)の疾患として現れるものがありますが、パーキンソン病のうち、高齢になってから発症したものには家族性(遺伝性)の要因はほとんどみられません。ただし、パーキンソン病の約5%は家族性のものであることが分かっており、その多くは20〜30代に発症する「若年性パーキンソン病」といわれるものです。結論としては、本態性振戦の患者が、パーキンソン病になりやすいのでは?と心配する必要はなく、現状ではまったく異なった病気として考えるべきでしょう。


4. ストレスの軽減が「ふるえ」の改善に役立つ ◯

ストレスをまったく感じない人、精神的に緊張しないという人はまずいませんが、本態性振戦の患者さんは、緊張するとどうしてもふるえが強くなりがちです。緊張を強いられる場面では、水を飲む、深呼吸する、大きく伸びをするなど、自分なりのリラックス法を考え、試してみること。また、「いざというときは薬を飲めば改善する可能性が高い」ことを知っているだけでも、精神的にはずいぶんラクになります。なお、睡眠が不足するとだれでも手がふるえがちになります。精神的な安定を保つためにも十分な睡眠を心がけてください。


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