INTERVIEW
開発とビジネスの間に立ち
双方の想いを正解へ導く
人間力あふれる調整役
ScM
スクラムマスター
SAKAI YUKI
阪井 悠記
2020年度入社 文化情報学部卒
大学3年生の夏に参加したインターンシップが、当社に興味を持ったきっかけです。当時はまだ仕事の本質がよく分かっておらず、グループワークでも、今思えばちぐはぐで的外れな議論をしてしまうことがありました。しかし、社員の方々は決して頭ごなしに否定することはありませんでした。「なぜそう思ったの?」と私の思考に寄り添い、優しく正解へと導くように考えを引き出してくれたのです。
その姿に、単なる技術力の高さだけでなく、人としての誠実さや温かさを強く感じました。今振り返っても、あのアドバイスの一つひとつが非常に的確だったと感じます。「こんな尊敬できる人たちと一緒に働きたい」と直感したことが、入社の決め手となりました。進化し続けるITを身近に感じる仕事がしたいという思いもありましたが、最終的に背中を押したのは、そこで働く「人」の魅力だったと確信しています。

現在は、自社ソリューション「LIKEUP®」開発チームで、スクラムマスターを務めています。本サービスは、ユーザーの状況に合わせて最適な情報を提案するUXエンジン®で、観光や交通系のアプリなどで活用されています。
配属当初、私はアジャイル開発に対し「柔軟でスピード重視」という漠然としたイメージを抱いていました。しかし実際の現場は、単に自由なだけではなく、決めるべき規律は厳守した上で柔軟に動くという、非常に論理的でシステマチックな世界でした。2週間ごとのスプリントで機能を形にするスピード感が求められるからこそ、チームの潤滑油となる存在が不可欠です。
具体的には、新機能開発における要件整理や、開発プロセスで発生する課題解決、進捗管理など、開発のほぼすべての工程に関わっています。自らコードを書くわけではありませんが、開発者が本来の業務に集中できる環境を整え、チーム全体が最大限のパフォーマンスを発揮できるよう支援するのが私のミッションです。
※「LIKEUP」、「UXエンジン」は、NTTドコモソリューションズ株式会社の登録商標です。
最近は会社の先輩に誘われて始めたゴルフに熱中しています。普段は関わりの少ない部署の方とも、ラウンドを回る中で自然と会話が弾み、仕事とは違う一面が見られるのが楽しいですね。また、サウナも好きで、仕事終わりに同僚とスーパーフレックスを活用して早めに退勤し、人気店へ足を運ぶこともあります。混雑していない時間にリフレッシュし、翌日の仕事への活力を養っています。
役割を一言で表すなら「調整役」です。開発チームとプロダクトオーナー(PO)の間には、品質や実現可能性を重視する技術視点と、ビジネス価値や予算を追求する事業視点というギャップが必ず生まれます。この間に立ち、双方の納得解を見つけ出すのが私の役割です。
もともと人と話すことが好きで、場の空気を読んで求められていることを察するのが得意でした。この性格は、チームの潤滑油となるこの仕事と非常に親和性が高いと感じています。当初は開発出身ゆえに技術的な制約にこだわりすぎ、「この予算では難しいです」と開発側の意見ばかりを代弁してPOと対立してしまう失敗もありました。しかし今は、単に「できない」と突っぱねるのではなく、限られたリソースの中で優先順位を整理し、全員が「良いものを作る」という共通のゴールに向かえるよう導くことに、大きな手応えを感じています。

観光系アプリのプロジェクトが印象に残っています。アジャイル開発の特性上、仕様変更はつきものですが、その時は頻繁に要件が変わり、開発メンバーに疲弊の色が見えていました。リモートワーク中心で対面の会話が少ない中、私はメンバーがいつでも相談できるよう、オンライン会議を常時接続する「疑似オフィス」のような環境を用意し、不安の解消に努めました。
同時にPOに対しては、現状の開発リソースで対応可能なラインを粘り強く交渉しました。「まずは現場を落ち着かせることが最優先」と考え、負担を軽減できるよう調整を行ったのです。その結果、チームから「阪井さんが言うなら仕方ない」と言ってもらえ、POからも「調整は任せる」と信頼を寄せられるようになりました。論理的な正しさだけでなく、日々の対話で積み重ねた信頼こそが、壁を乗り越える鍵になると学びました。
中長期的には学生時代の専攻も活かし、データサイエンティストとして活躍したいと考えています。しかし、単に数字だけを見る分析官になるつもりはありません。開発の現場を知り、アジャイルの苦労や面白さを肌で感じた経験を活かし、「開発者の気持ちが分かるデータサイエンティスト」になることが目標です。ログデータから客観的な改善点を導き出しつつ、それを実装する開発チームの情熱や苦労にも思いを馳せられる存在でありたいです。
AI技術が台頭し、コーディングなどの技術的なハードルが下がる中でも、人と人をつなぐコミュニケーションや、テキストだけでは伝わらない相手の機嫌や行間を読む調整力は、人間にしかできない価値として残るでしょう。技術と人の心の両方を深く理解できるリーダーとして、チームを牽引できる存在になりたいです。

「誠実さ」と「本質的な課題解決」を大切にする文化だと感じます。ある時、私が開発の遅れを上司に報告した際、2週間のスプリントという目先のタスクに焦っていました。それに対し上司は「もっと長い視点で、サービス提供という最終ゴールを見なさい。そこに向けてどうリカバリーするかが重要だ」と諭してくれました。
目の前の事象に一喜一憂せず、「何のためにやるのか」「どうすればお客様の課題を解決できるか」という本質を常に問いかける姿勢が、この会社には根付いています。また、NTTドコモグループの膨大なBtoCデータを扱えることも大きな強みです。この顧客基盤を活用し、「LIKEUP®」などを通じて多くのユーザーに価値を届け、社会に大きなインパクトを与えられる規模感も、当社ならではの魅力であり「らしさ」だと感じています。
※記事内容は取材当時のものです。