EXECUTIVE INTERVIEW

執行役員インタビュー

電話への愛着を原点に
ITの進化と並走し
未来を拓く役員の視座

君島 有紀

執行役員
ネットワーククラウド事業本部 事業企画部長
兼 ファシリティマネジメント部長

KIMIJIMA YUKI

君島 有紀

1998年入社 計算機科学専攻 修了

Career Step

1998年〜(25歳)
TS

新ノード(データ通信向け交換機)開発

2000年〜(27歳)
TS

NTT東西向けネットワークサービスの営業SE

2003年〜(30歳)
OH
主査

新卒採用・インターンシップ対応

2006年〜(33歳)
PM

経済産業省のオンライン申請システム運用・開発管理

2008年〜(35歳)
PM
課長

NTTグループ向け料金回収代行システム/業務支援システムの開発・PM

2015年〜(42歳)
OH
担当部長

全社人事調整

2018年〜(45歳)
SM
担当部長

NTTグループ向けネットワーク保守運用

2020年〜(47歳)
PM
部門長

IOWN推進室の立ち上げ

2022年〜(49歳)
OH
部門長/室長

情報システム部門として社内DX推進や社内外向けの広報

2025年〜(52歳)
OH
部長(執行役員)

通信関連システム、IT基盤関連事業の企画・戦略立案、ファシリティマネジメント(自社のビル/電力設備等の最適化・保守管理)

開発、保守運用、人事、
企画、経産省出向など
多様な経験で視野を広げる

入社のきっかけを教えてください。

大学院では計算機科学を専攻し、LISPや並列分散コンピューティングを研究していました。そのまま研究職へ進む道もありましたが、自分の携わった成果が比較的短時間で世に出る「開発職」を希望し、当社に入社しました。背景には「電話」への強い愛着があります。原点は学生時代に所属していたボート部の合宿生活です。当時は公衆電話が唯一の連絡手段で、仲間と取り合いになるほど貴重な存在でした。
入社した1998年はNTTの再編成期で、インターネットが一般化し始めた激動の時代。学生時代はワークステーションを使い、論文もTeXで書いていた私にとって、Windows環境は入社後に身につけたものです。ゲーム感覚のツールでブラインドタッチを猛練習したことも、今では懐かしい思い出です。技術が社会を変えていくワクワク感の中に、自律的なエンジニアとして飛び込みたいと強く願っていました。

君島 有紀

キャリアの序盤ではどんなことに挑戦されましたか?

初期配属は電話やデータ通信を制御するシステムである交換機の開発に従事しましたが、3年目の営業SEを経て、人事や経済産業省への出向という大きな転換期を経験しました。正直、大学での知識が直接使えなくなることへの戸惑いはありましたが、「どんな経験も無駄にならない」と考え進みました。人事に身を置いて理解できたのは、会社が「ヒト・モノ・カネ・情報」をどう動かして意思決定をしているのかという、経営の根幹です。現場とは異なるスタッフ組織の仕事の流れを知ったことは大きな収穫でした。
また、出向先の経済産業省では、行政手続きの汎用電子化という非常に挑戦的なプロジェクトに携わり、組織の壁を越えて取り組む難しさを学びました。こうした多様な環境に身を置いたことで、組織を俯瞰して動く「横串の視点」が養われました。一つの専門性を深めることも尊いですが、広く組織を知ることで自分の「面積」を縦と横に広げられたことは、現在の経営判断を支える財産となっています。

「修羅場」での猛省を糧に
チームで戦う強さを知る

ターニングポイントになった経験を
教えてください。

最大の転機は、PMとして携わった「ワンビリングプロジェクト」です。NTTグループの請求を一元化する大規模案件で納期は絶対。不慣れな領域でリーダーを任された私は、難易度の高いプロジェクトに対するプレッシャーから余裕をなくし、周囲への配慮を欠いた振る舞いをしてしまうこともありました。今振り返れば未熟だったと猛省しています。
事態を打開するため、私は開発現場の大阪へ半年間常駐しました。メンバーと膝を突き合わせて対話し、膨大な要件を一件ずつ精査。「運用でカバーするもの」と「今作るべきもの」を見極め、お客様に丁寧に説明をしました。チームと一体になって戦うスタイルへ変えたことで、無事リリースを迎えられたのです。後に家族の介護も経験しましたが、スーパーフレックスやリモートワーク制度をフル活用し、周囲の支えで乗り越えることができました。困難な時こそ、仲間に頼り、対話する重要性を痛感した経験です。

君島 有紀

女性としてのキャリアをどう振り返りますか?

私が課長になる少し前、女性管理職の先輩方が「女性管理職の会」を立ち上げてくださいました。少数派だからこその悩みを共有できる場があることは、大きな安心感に繋がりました。私自身はこれまで性別を意識せず接してくれる環境に支えられてきました。「女性だから」と発言を遮られることもなく、平等にチャンスを与えられたと感じています。しかし、周囲を見渡せばまだ女性が少ないのも事実です。
だからこそ今は、多様な立場の人がお互いの状況を想像し合える場を整えたいと考えています。自分が発言した際に相手がどう受け取るか、多角的な視点を持つことは、マネジメントを円滑にするだけでなく、お客様起点で考えることにも繋がります。現在は「蝶のように舞い、蜂のように刺す」スタイルを理想としています。ある程度はメンバーに任せて見守りつつ、ここぞという急所を見極めて介入する。そんな「人間力」を重視したマネジメントを心掛けています。

技術力に想像力を掛け合わせ
社会を変える価値を創る

目指すべき企業像を教えてください。

当社は「誠実」な文化を持っていますが、それゆえに完璧を求めすぎて慎重になる面もあります。私は社員に「もっと想像してほしい」と伝えています。技術力で高品質なものを作るのは前提として、その先にいるユーザーが何を喜び、どのような価値に投資したいと思うか。自分も一人のユーザーとして考え抜く「想像力」が、付加価値を生む鍵となると思っています。
20年近く前、当時はまだ普及していなかった音声認識技術をシステムに組み込んだことがありますが、今やそれは当たり前の技術です。時代を読むのは難しいですが、マーケットを冷静に見極め、技術を正しく連動させることが重要です。かつて私が経済産業省で実現しようとした「汎用的なIT基盤」と同様な思想に基づくシステムを、約20年後にグループ共通で導入し、NTTグループのDXを推進できたように、積み重ねた経験は必ず形になります。今後もIOWNのようなパラダイムシフトを起こし、社会インフラを劇的に変える瞬間に立ち会える会社でありたいです。

君島 有紀

学生の皆さんへメッセージをお願いします。

学生の皆さんには、失敗を恐れず積極的にチャレンジしてほしいです。多少の失敗は何とかなりますし、それが成長の糧になります。特に理系の方は論理的思考力という強力な武器を持っていますが、専門性だけに閉じこもると視野が狭くなりがちです。ぜひ「視座を高く、視野を広げること、多角的な視点」を意識して、自分の専門外の分野も学び続けてください。
今のデジタルネイティブ世代が10年、20年後にリーダーになる頃、世の中は想像もつかない姿になっているでしょう。AIが進化しても、人間ならではの想像力やリーダーシップが問われる場面は必ず残ります。加速する技術と、本質的に変わらない人間力を冷静に見極め、新しい時代を自らの手で牽引していこうとするバイタリティ溢れる皆さんと出会えるのを楽しみにしています。

※記事内容は取材当時のものです。

OFF STYLE

趣味はゴルフで、2023年からはジュニア教室の指導補助にも関わっています。自身の技術の向上だけでなく、次世代の育成に携われることが大きなやりがいです。休日はラウンドやレッスン、練習場で体を動かすほか、鍼治療でコンディションを整えています。また、美味しい食事とお酒を楽しむ時間や、しっかりと休息を取ることも大切にしています。