WORKSTYLE INTERVIEW
ワークスタイルインタビュー
開発の視点を女性支援に。
ダブルワークで見つけた
想いとスキルが重なる場所
KASADA KIE
笠田 姫衣
2021年入社 グローバル地域文化学部卒
ー ダブルワークについて ー
ドコモグループのダブルワークとは、所属部署での本業に加え、業務時間の最大20%を使ってグループ内の他部署の仕事に参画できる制度です。「新しい分野に挑戦したい」「スキルを磨きたい」など、社員の自律的なキャリア形成を支援する仕組みとして活用されています。転職のようなリスクを負わずとも、社内にいながら多様な業務経験を積むことができるのが魅力です。
「社会を下支えしたい」という思いから、NTTグループをITという観点で支えるNTTドコモソリューションズに興味を持ち入社しました。学生時代はジェンダー論を学んでいたこともありフェムテック※にはもともと興味があり、男性比率の高い職場環境で、女性特有の健康課題やキャリア形成との関連性について自然と考えるようになりました。※月経や更年期など女性特有の健康問題をテクノロジーで解決しようとする分野
そんな時に出会ったのが、ドコモのフェムテックプロジェクトのダブルワーク公募です。開発業務とは異なる分野でしたが、自分の興味分野であるフェムテックに携われる。業務時間の一部を使って行える期間限定のダブルワークで、リスクを恐れずに挑戦できる。「ここなら自分の想いを形にできる」と直感し、迷わず応募を決めました。

寝ている間に女性特有の温度リズムを自動計測するデバイスの販促と、グループ内へのフェムテック浸透活動を担当しました。特に注力したのは、自社への展開です。プロジェクトには約8名のダブルワークメンバーがいましたが、当社からの参加は私一人。男性社員や関心の薄い層をいかに巻き込むか。社内記事の発信や、外部講師を招いたセミナーなどのオンラインイベントを企画し、浸透方法を模索しました。
グループ内でコミュニケーションツールが異なるという情報の壁もありましたが、自社のコミュニケーションツール上に独自のコミュニティをゼロから立ち上げ、情報を噛み砕いて発信する「架け橋」の役割も担いました。また、社員モニター施策ではアンケート項目の設計も担当。「どう問えば製品の価値を測れるか」を一から検討し、ブラッシュアップを重ねる作業は非常に泥臭いものでした。しかし、目的を言語化し論理的に構成するプロセスには、本業で培ったシステム開発の思考法が大いに役立ちました。
休日は大好きな中国茶を楽しみながらリラックスしています。実は、仕事の日も中国茶を入れたマイボトルを持参するほどです。グループの新規事業創出プログラム「docomo academy」に参加した際も、お茶をテーマに事業案を練るなど、オンオフともにお茶を楽しんでいます。
プロジェクト参加当初は、企画や営業の経験豊富な他のダブルワークメンバーの中で、「開発しか知らない自分に何ができるのか」と引け目を感じていました。ブレインストーミングで次々とアイデアが出る中、自分には引き出しがないように感じて焦ることもありました。
しかし、イベント運営などの実務が進むにつれ、景色が変わりました。企画を形にするには、詳細なスケジュール管理やリスクヘッジといった「泥臭いタスク」の積み重ねが不可欠です。これらは、私が本業の大規模開発で日々当たり前に行っていることでした。「いつまでに何をやるか」を整理し、確実に推進する役割こそが自分の強みだと気づいたのです。華やかな企画職の中で、開発者としての堅実な管理能力や、納得するまでこだわる姿勢が武器になると実感できたことは、大きな自信になりました。

活動の成果は想像以上でした。社内記事を発信すると、女性社員からは「言っていいんだと思えた」という安堵の声が、男性社員からは「記事を読んで健康問題についてパートナーと話した」「パートナーも商品を欲しがっていた」といった反応が寄せられました。フェムテックを知らない層に「知るきっかけ」を作れたことに、大きな手応えを感じています。
また、私自身の意識も変わりました。以前は生理痛などで辛くても無理をしていましたが、活動を通じて「辛い時は休んでいい」と吹っ切れ、自分を大切にするようになりました。後輩たちにも「無理して頑張る必要はないよ」と胸を張って言えるようになり、周囲にも「自分を大切にする働き方」が良い形で広がり始めていると感じています。
一番の収穫は、ストレスとの付き合い方が変わったことです。以前は本業で行き詰まると視野が狭くなりがちでしたが、別の居場所を持つことで強制的に頭が切り替わり、良い意味で力が抜けました。「辛さが100%にならない」という感覚は、精神的な余裕を生んでいます。
本業への還元も大きいです。フェムテックの活動で「どう伝えれば相手に響くか」を徹底的に考えた経験から、開発業務でも「これを言ったらどう反応されるか」を強く予測し、相手の立場に立った資料作りや提案を心がけるようになりました。また、バックグラウンドの違う仲間と「同じ志」で働く喜びを知り、視野が大きく広がったと感じています。二つの世界を行き来することで、自分らしいバランスを見つけられました。

ダブルワークを通じ、お客さまと近い距離で議論し、ゼロからサービスを創り上げる過程が自分に向いていると気づけました。自分の「好き」と「得意」が明確になったことで、今後は開発の知見を活かしつつ、企画などの新しい領域にも関わっていきたいと考えています。
一方で、キャリアを一つの領域に絞りきれない思いもありますが、今はその不確実さをポジティブに捉えています。世の中も変化していく中で、無理に一つに決めず、その時々の興味に従って柔軟に挑戦し続けたい。「現状維持はしない」という姿勢で、常に新しいことに取り組みながら、迷いも含めて自分らしいキャリアを描いていきたいです。
※記事内容は取材当時のものです。