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報道発表 ニュース

2003.02.19  

「大学事務システムプロトタイプ」を無償提供
- 大学の経営改革を支援 -


早稲田大学(東京都新宿区、総長 白井克彦)、NTTコムウェア株式会社(東京都港区、代表取締役社長 松尾勇二)、日本電気株式会社(東京都港区、代表取締役社長 西垣浩司)は、現在開発中の「大学事務システムプロトタイプ」を全国の大学に無償で提供することを決定いたしました。 WISDOM/U(Web-based Information Systems -- Development and Operation Model for Universities=ウィズダムフォーユー)と名付けた本プロトタイプは、大学事務機構運営の利便性を高めるためWebインターフェースでの開発・運用を可能としています。

■大学事務システムプロトタイプの概要

 大学事務システムプロトタイプは、@予算編成、入金管理などの「財務」A人事管理、月例給与・各期手当てなどの「人事・給与・厚生」B入試、学籍、履修、学費などの「教学」C共有情報データベース管理などの「共通」D会費管理などの「校友会」、の五つのシステムで構成しています。システムのOSにはオープンソースのLinuxを採用しています。また、EUC(End User Computing*1)のコンセプトに基づき、大学事務を熟知する早稲田大学の職員がアプリケーションやGUI(Graphical User Interface*2)を開発しました。
 Linuxの採用、EUCのコンセプトで構築したシステムにより、小規模から大規模までの大学の事務システムを柔軟かつ効率的に構築できます。

<導入効果>
  1. システム構築・運用コストの大幅削減
  2. システム構築期間の大幅短縮
  3. 大学の諸制度改革に伴うシステム設計変更の柔軟対応
  4. システム処理時間の大幅短縮
  5. 現場の業務担当者である大学職員が直接プログラムをカスタマイズすることが可能
    → ユーザ主導型システム開発の実現
参考資料1:大学事務システムプロトタイプの概要 [PDFファイル 21KB]
参考資料2:大学事務システムプロトタイプの公開・利用方式


■大学事務システムプロトタイプの設計思想

 セキュリティ関係を除くすべてのソースコードをオープンにすることで、利用する大学が自由にカスタマイズや改善ができ、利用者の利便性を高めるため、Webベースのインターフェースとしています。
  1. 95%のソースコードを公開(セキュリティ関連を除く)することにより、コア部分を除いて利用大学が直接カスタマイズすることが可能。
  2. サーバ側はLinux、PostgreSQL、Apache、phpなどフリーソフトを組合わせて安価なプロトタイプを構築。クライアント側はWindowsXP、Access2000など業務担当者が開発可能な標準的ソフトウェアを採用。
  3. 利用者が直接アクセスすることを前提としたWebベースのプロトタイプ。

■大学事務システムプロトタイプの無償提供のねらい

 利用する大学から改善の状況や要望を9月設立予定の「大学事務システムプロトタイプユーザー会(仮称)」にフィードバックしてもらい、機能拡充した次期バージョンを構築し公開するというサイクルを回していくことで、大学事務システムの新たな構築モデルの確立を目指します。
 この試みは、多くの大学の英知を結集し、個々の大学の努力を共有することにより、規模の大小に関わり無くすべての大学に、大学事務システムの導入効果をもたらし、大学経営への支援を通じて大学界全体の発展に寄与することを目的としています。


■大学事務システムプロトタイプの公開・利用方法

 全利用大学で構成する『大学事務システムプロトタイプユーザー会(仮称)』を設立(2003年9月予定)し、プロトタイプ開発完了 (2003年3月予定)後、無償で譲渡します。その後は、各利用大学の要望に即したシステムにカスタマイズする仕組みを構築し、2003年9月に提供を開始します。(各利用大学が個別に外部業者に委託してカスタマイズする場合は、当該業者による有償サービスとなります。)


【参考:背景】

 大学事務システムは、財務システム(予算・経理・資産管理等)・人事システム(人事・給与・厚生等)・教学システム(入試・学籍・履修・学費・奨学金・就職・健康管理・証明書等)・校友会システムなどの各サブシステムから構成されるコンピュータシステム群のことを指し、1980年代頃から各大学は事務業務の電算化・コンピュータ化を図ってきました。これらのシステムは、個々の大学がそれぞれ独自のシステムを構築・導入しています。こうした状況の中、基本となる事務業務については、大学間において共通する部分が多く、システムを共有することで、投資効率を大幅に高められることから、今回プロトタイプの公開・無償提供に踏み切りました。


【参考:用語解説】

*1 EUC(End User Computing)
コンピュータシステムを利用して現場で実際に業務を行なう者(エンドユーザ)が、自らシステムの構築や運用・管理に積極的に携わること。外部の業者や情報システム部に任せきりでは業務に本当に役立つシステムを構築するのは難しいという反省がEUCという考え方を生んだ。背景には、コンピュータの操作性の大幅な向上、オフィスでのパソコン利用の一般化、市販のアプリケーションソフトの高機能化などがある。
*2 GUI(Graphical User Interface)
ユーザに対する情報の表示にグラフィックを多用し、大半の基礎的な操作をマウスなどのポインティングデバイスによって行なうことができるユーザインターフェースのこと。


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