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2003.09.08 |
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ICタグを使った飲料用PETボトル素材の物流管理実験を開始
NTTコムウェア株式会社(本社:東京都港区 代表取締役社長:松尾勇二 以下:NTTコムウェア)、サン・マイクロシステムズ株式会社(本社:東京都世田谷区 代表取締役社長:ダニエル・ミラー 以下:サン)、大日本印刷株式会社(本社:東京都新宿区 代表取締役社長:北島義俊 以下:DNP)の3社は、ICタグを使った飲料用PETボトル素材の物流管理実験を開始します。
本年9月末日までに、リーダ設置等の事前準備を完了し、10月1日より実験を開始する予定です。
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《実験の概要》
DNP柏工場(千葉県柏市)では、飲料用PETボトル素材であるプリフォーム(*1)を製造しており、専用の折りたたみ式コンテナを使って、飲料メーカに納入しています。
当実験では、DNP柏工場から、中間倉庫である東洋倉庫株式会社を経由して、キリンビバレッジ株式会社湘南工場(神奈川県高座郡寒川町)へ搬送するすべてのコンテナにICタグを装着、コンテナ単位での物流管理実験を行います。
当実験では、オートIDセンターが開発を進めているEPC(*2)、Savant(*3)などの技術を使用します。ICタグには個別ID(EPC)のみを付与し、各コンテナの属性データをインターネット上のサーバに蓄積するネットワーク型タグとなります。
オートIDセンターの技術を使い、異なる事業体の間を移動するICタグを追跡するケースは、当実験が日本初となります。実験期間は、平成15年10月〜平成16年3月までの6ヶ月間です。
参考資料:実験概略図 [PDFファイル 68KB]
1. |
ICタグ仕様 |
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DNP製 ICタグ 『ACCUWAVE® (アキュウェーブ)』 |
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使用ICチップ |
: |
フィリップス社製 『iCODE』 |
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通信周波数 |
: |
13.56MHz |
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メモリ容量 |
: |
384ビット(96ビットEPC使用) |
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形状 |
: |
54×8ミリ(ラベル形状) |
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数量 |
: |
約10,000個 |
2. |
コンテナ仕様 |
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プリフォーム用DNPオリジナルコンテナ |
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材質 |
: |
ポリプロピレン(一部金属) |
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サイズ |
: |
1100×1100×105ミリ(使用時) 1100×1100×350ミリ(折りたたみ時) |
3. |
リーダ設置箇所 |
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(1) |
DNP柏工場PETボトル用プリフォーム製造ライン出庫口 |
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(2) |
東洋倉庫株式会社(中間倉庫)入出庫口 |
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(3) |
キリンビバレッジ湘南工場・飲料充填ライン入庫口(9月末設置予定) |
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の3箇所 |
4. |
データベースについて |
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前項3箇所のリーダをコンテナが通過する際、自動的にコンテナID(EPC)を読み取り、インターネットを経由して、NTTコムウェアが運営するインターネットデータセンター内に設置したデータベースに登録します。 リーダID、読み取った年月日及び時刻、コンテナIDを関連付けて、データを蓄積します。 (「いつ」 「どのリーダを」 「何番のコンテナが通過したか」を記録することで、各コンテナが、現在、どこにあるかを間接的に把握) |
5. |
データ閲覧について |
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(1) |
データベースに蓄積されたデータは、Webブラウザを利用し、インターネット経由で確認可能。 (インターネット経由であるため、ID、パスワードによりアクセスを制御) |
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(2) |
DNP社内では、プリフォームの生産データが蓄積されており、コンテナIDと関連付けた受注情報、製品仕様情報などの関連情報も閲覧可能。 |
《実験の目的》
ICタグを使ったプリフォームの物流管理、コンテナの資産管理を行うとともに、DNP社内の生産システムなど既存システムとの連動を行うことで、ICタグの有効性を確認します。また、3社が、ICタグを運用する上での、技術・ノウハウ・データを蓄積するとともに、各社の事業領域の可能性を探る目的もあります。
今回のケースでは、ICタグを実運用することによる効果として、
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トレーサビリティ |
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クレーム発生時に、同一ロットが現在どこにあるかを追跡する。 |
● |
生産管理・在庫管理の効率化 |
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ボトルメーカ、中間倉庫、飲料メーカそれぞれの在庫状況を、リアルタイムで把握。 |
● |
飲料メーカにおけるプリフォーム利用状況のリアルタイム把握 |
などを見込んでおり、これらが実際に効果として現れるか、またその費用対効果について検証します。
将来的には、前述の期待効果に加えて、
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FIFO(First In First Out;製造年月日の古いものから順に使用)の徹底 |
● |
物流管理データと品質管理データとの連携 |
● |
飲料メーカ側でのデータ活用(生産管理、品質管理データ) |
などの効果検証も実施する計画です。
《実験における各社の役割分担》
NTTコムウェア |
: |
データベース関連ソフトウェアおよびシステム全体のシステムインテグレーション データセンター提供 |
サン |
: |
ハードウェア提供 |
DNP |
: |
ICタグ提供、リーダライタ提供、実証実験環境の提供 |
キリンビバレッジ |
: |
実験フィールドの提供 |
東洋倉庫 |
: |
実験フィールドの提供 |
サンとDNPは、平成14年11月から平成15年8月まで、ICタグの動作確認を主眼に、今回の実験と同じく、プリフォーム搬送用コンテナにICタグを装着した読取実験を行いました。
当初、ICタグの読取率は85%程度でしたが、リーダなどハードウェアの改善やソフトウェアの最適化などにより、最終的には99.97%まで向上しました。
読取率が実用レベルに達したことにより、実用化を目指したフィールドテストに移行するとし、システムインテグレータとしてNTTコムウェアが新たに参画しました。
PETボトル用プリフォーム(*1):
プリフォームとはPET樹脂を材料とする、試験管形状の射出成形品です。これを加熱し、金型内で膨らませること(ブロー成形)でPETボトルができます。従来、容器メーカでPETボトルに加工し、飲料メーカに納品していました。DNPでは、輸送効率や環境負荷軽減を勘案し、プリフォームの状態で飲料メーカに納入し、充填ライン内でインライン成型を行う方式を採用しています。
EPC(*2):
Electronic Product Code
オートIDセンターが開発を進めている次世代の商品コード体系。
SAVANT(*3):
ICタグと通信をしてEPCを読み取るリーダを制御し、EPCに対応するネットワークサーバ上のデータを読み書きするソフトウェア。
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