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報道発表 ニュース

1999.10.04  

“網”を意識せず新サービスが可能な『NTTCOM-SCP』を開発
-電話網・移動通信網・インターネットの統合サービスを目指す-


NTTコミュニケーションウェア株式会社(以下、NTTコムウェア、本社:東京都港区、代表取締役社長:三原種昭)は、電話網とIP(インターネット・プロトコル)網、移動通信網の3つを統合した、これまでにないネットワーク・サービスを実現する『NTTCOM-SCP』を開発しました。『NTTCOM-SCP』により、各種網の統合が可能となり、インターネットに接続しながら既存の電話網を利用する等、網を意識しないこれまでにない新しいネットワークサービスが可能になります。  また、『NTTCOM-SCP』は、米サン・マイクロシステムズ社が提唱する、電話網・IP網・移動通信網統合サービス開発用のフレームワークであるJAIN(Java APIs for Integrated Networks)仕様に基づいて開発されたSCP(*1)であるため、日本のみならず、世界の通信・ソフトウェア市場における利用が期待されます。

<開発の背景>

昨今の政府による規制緩和の一環として通信についても、ネットワークのオープン化に伴う共通線信号網の事業者間接続が可能になりました。規制緩和は外部からの要求はもちろんですが、国際標準にもとづいてNTTが積極的に推進してきたものです。
こうした流れのなかで、今まで接続点は音声網に限定されていましたが、信号網にも接続することが可能となり、外部からも交換機を制御したサービスが提供できるようになりました。これにより、通信回線設備を持たない第二種電気通信事業者でも、電話網、IP網、移動通信網の垣根を越えて、様々なサービスを独自に提供することが可能となります。
しかし、こうした中で解決すべき問題点として各網により異なる通信手順方法であるプロトコルを如何に克服しスムーズな接続を実現するかが挙げられます。
NTTコムウェアでは、この問題を解決することを目指してJAIN に取り組み、電話網・IP網・移動通信網それぞれのプロトコルが利用できるJAIN仕様のSCPのプロトタイプ『NTTCOM-SCP』を開発しました。


<技術のポイント>

(1) プロトコル・スタックにより網統合を実現
通常の電話網や移動通信網は、共通線信号方式を用いて、通信を制御する信号を専用の網(共通線信号網)を通して交換機へ送っています。つまり、電話網の制御信号は終始、共通線信号網を利用し送られます。『NTTCOM-SCP』では、JAIN の仕様に基づきプロトコル・スタックと呼ばれる信号の制御方式を採用し、共通線信号を利用できます。この方式により制御信号の送受信を終端同士の網に適切に合わせることができるため、様々な種類の網の統合を実現しました。

(2) サービス開発の簡易化、低コスト化を実現
『NTTCOM-SCP』は、JAIN仕様に基づいて開発されたSCPであり、JavaBeansというComponent Architectureを利用することにより、アプリケーションプログラム(適用業務プログラム)のプログラムの一部分を共通アプリケーションとして規定し共有することができます。これにより、プログラム開発稼動の軽減・効率化をはかることができます。さらには、第2種通信事業者等が、キャリアのもつ交換機の制御に必要な複雑な知識を必要なくサービス開発の簡易化、低コスト化を実現しました。


<NTTCOM-SCPがもたらす新サービス>

『NTTCOM-SCP』による電話網、IP網と移動通信網の統合により、これまでにない新しいネットワークサービスが可能になります。具体的には、以下のような例が考えられます。

(1) インターネット・コール・ウェイティング(internet call waiting、ICW)
従来、ダイアルアップIP接続によるインターネットへの接続では使用中の回線にかかってきた電話に応答することができませんでした。ところがVoIP(*2)技術との組合せにより、インターネットに接続中でもコンピュータ画面に電話の着信を知らせるメッセージを表示し、そのまま応答することもできます。

Internet Call Waiting

(2) ユニファイド・メッセージ(unified message)
音声メール・ファクス・電子メールを同時に処理するサービスで、CTIを応用したものです。例として、電子メールを音声メールボックスに蓄積し、外出先から携帯電話で聞くなどのサービスが考えられます。

(3) ヴァーチャル・コール・センター(virtual call center)
コール・センターとは通信販売などに代表される、電話による企業の顧客対応業務・窓口のことですが、NTTCOM-SCPを利用すれば、自前で交換機のような特殊な装置をお客様がご用意することなく、コールセンターシステムを実現することが出来ます。


<今後の展開>

NTTコムウェアでは、『NTTCOM-SCP』を活用した様々なサ−ビスについて開発を進めていきます。
また、これからもグローバルなネットワーク環境を構築するシステムやソフトウェア開発に取り組み、豊かな情報流通社会づくりに貢献していきます。
なお、『NTTCOM-SCP』は、今月10日からスイス・ジュネーブで開催されるTELECOM'99に出展の予定であり、早期の実用化を目指してさらなる開発に取り組んでいきます。


<用語解説>

*1.SCP(service control point)
ネットワーク上で、フリーダイヤル、発信電話番号通知(ナンバー・ディスプレイ)など利用者への各種サービスを提供するデータベース管理システムが置かれるポイントです。たとえば、フリーダイヤルの場合では「0120」という番号をもとに交換機からSCPに制御が移り、データベースにアクセスしてフリーダイヤル番号を本当の電話番号に変換して交換機に知らせます。それと同時に着信側に課金するよう、交換機を制御します。このように、実際SCPです。

*2. VoIP(voice over IP)
IPネットワーク上で音声通信を実現するための技術です。電話網とIP網の接続などに使われ、インターネットを中継網として利用するインターネット電話にもこの技術が用いられています。

*3. CTI(computer telephony integration)
コンピュータシステムと通信システムを統合し、コンピュータから通信システムの制御を行なうことにより、さまざまなアプリケーションを実現する技術です。CTIの代表的な利用例としては、テレマーケティングなどを行なうコールセンタで、ナンバーディスプレイを活用することにより、お客様データを自動的にコンピュータ上に表示を行なうシステム、電子メールやボイスメール、ファクスなどからのメッセージをコンピュータ上で統合し、管理を行なうユニファイド・メッセージングシステムなどが有ります。

*Java、JavaBeans、JAIN、Enterprise JavaBeansは、米国および その他の国における米国Sun Microsystems、Incの商標または登録商 標です。




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