[an error occurred while processing this directive]

ホーム > ニュース > 報道発表

報道発表 ニュース

1999.10.07  

大規模クライアント・サーバシステムの大幅なコストダウンを実現
─Linux上でオンライントランザクションシステムを容易に構築できるミドルウェア─


NTTコミュニケーションウェア株式会社(以下、NTTコムウェア、東京都港区、代表取締役社長:三原種昭)は、世界的に利用が拡大しつつあるオペレーティングシステム(OS)、Linux(*1)に対応したクライアント系・サーバ系のミドルウェア(*2)を開発しました。
これは、NTTの交換機・伝送装置などの管理システムで、既に豊富な導入・運用実績がある製品をLinuxに移植したもので、商用UNIX適用時に比べ約1/10〜1/20の低コストで、高速性・高信頼性・高可用性を備えた大規模なクライアント・サーバシステムの構築を可能にします。
NTTコムウェアでは、本ミドルウェアの製品化と並行してユーザサポート体制を整備し、物流、金融、テレコム業界などをはじめとする広範囲な分野への販売を目指します。なお、本ミドルウェアの発売は本年末を予定しています。

<開発の背景>

従来、OSの主流は、クライアントならWindows95(98)、サーバならWindowsNTやUNIXなどがスタンダードの座を占めていました。しかし、最近、これらに替わるOSとしてLinuxへの注目が高まってきました。基本機能が無料で提供されるLinuxは、従来と比較して格段に低いコストで高速性や安定性に優れるシステムを構築できることなどから、海外では政府機関や大企業などの大規模システムでも急速に利用が拡大しており、日本でも導入を検討するユーザが増えています。
しかし、現状ではLinuxに対応するアプリケーションの開発が不十分であり、また、既存アプリケーション資産の活用という観点からも、現行システムをLinuxに移行させることには困難と抵抗を伴いました。
 そこで今回、NTTコムウェアでは、UNIX上で稼働しているユーザの既存アプリケーションを無駄にすることなくLinux環境のシステムを容易に構築する製品として本ミドルウェアを開発しました。


<製品の特徴>

(1)ユーザニーズに合わせて機能を提供
「各機能のコンポーネント化を図っており、ユーザーニーズに応じた柔軟な機能構成を提供できます。ユーザは、最小セットとしてのコアコンポーネント、あるいはコアコンポーネントと必要なオプションコンポーネントを自由に組み合わせて導入することができます。

■クライアント系ミドルウェア

コアコンポーネント
分散プロセス間通信パッケージ
イベント管理パッケージ
業務AP管理パッケージ

GUIコンポーネント

オプションコンポーネント
分散オブジェクト構築パッケージ
共通業務パッケージ
メッセージ変換パッケージ
JavaAP連携パッケージ


■サーバ系ミドルウェア

コアコンポーネント
運転制御パッケージ(優先度制御、過負荷制御含む)
コンソール制御パッケージ
簡易タイマ制御パッケージ
OLTPパッケージ

オプションコンポーネント
スケジュールタイマ制御パッケージ
テーブルアクセス制御パッケージ
システムリカバリ制御パッケージ
ユーザジャーナル制御パッケージ
通信制御(TCP/IP)パッケージ
他ノード監視(ICMP)パッケージ


(2) 大規模システムに対応
UNIXで実績のある製品をLinuxに移植した本ミドルウェアは、数千単位のクライアントを擁する大規模なクライアント・サーバシステムへの適用も視野に入れて開発されています。金融機関のオンラインシステムや流通業における商品管理システムなど、高度な信頼性や高速性、高可用性が要求される大規模オンライントランザクションシステム(*3)を低コストで実現できます。
 さらに、アプリケーションの基本機能の一部を本ミドルウェアが提供することにより、メモリーをはじめとするハード資源への負担が軽減され、将来にわたる柔軟な拡張性も確保しています。


(3) システム構築が容易
本ミドルウェアは、OSとアプリケーション間を仲立ちする高機能なアプリケーションインタフェース(API)を用意しており、これを使用することによって既存アプリケーションに手を加えることなく容易にLinux環境のシステム開発・構築が行えます。


(4) GUIアプリケーション(*4)の利用が可能
クライアント系ミドルウェアでは、UNIX上のGUI(グラフィカル・ユーザ・インタ フェース)アプリケーションとの連携が可能であり、ユーザニーズに合わせた多彩な システム構成をとることができます。
また、Javaアプリケーションとの連携を可能としています。


(5) 独自OLTPを用意
サーバ系ミドルウェアでは、トランザクション処理において中心的機能を司るOLTPを新たに独自開発しました。従来製品に比べ大幅な低価格を実現したこのOLTPは、ライトウェイトな設計思想で開発されハードへの負担軽減にも貢献しています。ユーザは、この独自OLTP、もしくはTUXEDO(*5)を選択することでトランザクションシステムの構築が可能です。また、NTTコムウェアではOLTP単独での製品化も予定しています。


(6) 充実したユーザサポートを実施
NTTコムウェアでは、システムの設計から、導入、試験、運転まで一貫したサポートを実施します。また、Linux自体にユーザのシステムに影響のある変更や機能強化が図られた場合もサポートを行います。


<用語解説>

*1:Linux
1991年にフィンランドのLinus Tovalds氏がUNIXをベースに開発したOS。「安定性に優れる」「インターネットとの親和性が高い」「カスタマイズが容易」など数々の画期的特徴を備えています。また、基本的に無料で配布されるため低コストでシステムを構築できるのも大きなメリットです。

*2:ミドルウェア
OS上で動作し、アプリケーションに対してOSよりも高度で具体的な機能を提供するソフトウェア。OSとアプリケーションの中間的性格を持っています。多くのアプリケーションで共通して利用される機能は、アプリケーションごとに開発するのは非効率であるため、ミドルウェアがAPI(アプリケーションインタフェース)として提供することでシステム開発の効率化に貢献します。

*3:オンライントランザクションシステム
端末から入力された指示やデータをサーバで処理し、端末側に送り返す形態の情報処理システム。たとえば駅の予約発券システムなど、ひとつのサーバデータに対して同時・複数の利用者がある場合、すべてのアクセスを監視・制御し優先処理などを行います。

*4:GUIアプリケーション
アイコンなどのグラフィックを利用して表示や入力を行うユーザインタフェースを持つアプリケーションです。

*5:TUXEDO
業界標準のオープンTPモニタ。分散環境におけるトランザクション処理に必要な機能 を提供します。TUXEDOは、BEA Systems,Incの登録商標です。




Page Top

[an error occurred while processing this directive]
[an error occurred while processing this directive]