川柳は人間観察と時代の流れをユーモアや風刺などの要素を加え表現する文芸です。ということは詠む側に人間を見、時代を読む目が養われなくてはなりません。一般論になった時にその話題は、もう時既に遅し、ということになってしまいます。類型が多くなるとその話題に新鮮味やオリジナリティがなくなってしまいます。ご自身の目で独自に感じたものを川柳の要素を踏まえ作品にしてみて下さい。
今回も秀作が数多く寄せられました。回を追うごとに選者泣かせになってきています。
IT関連企業の話題が世間を騒がせていますが「良好な人間関係の構築なくしてはものごとはうまく運ばない」というような発言がありました。人間の顔が見えにくいIT社会に対しての警鐘のように受け止めました。やっぱりIT社会、高度に進んだ文明社会においても「人間味あふれる温かい心」は忘れてはならないものでしょう。
時代の流れとともにライフスタイルも変わってきます。生活習慣、風俗などもふと気が付くと、ちょっと前までなかったことに皆が身を置くようになってしまうようです。「やらずの雨」なんて色っぽい雨もありますが、雨宿りの風景もその時代を映す鏡となっているようですね。
「クリックで扉の開かぬ情もあり」 立川談幸
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