何事にも一長一短があります。その「長」の部分を大いに活用し役立たせたり、楽しんだりして伸ばすことが大事なのでしょう。「短」に振り回されっぱなしでは前に進めません。また、その「短」を改善することに人間に英知があるのでしょう。
私は54歳ですが、子どもの頃からの動画の流れを思うと、まず白黒テレビが我が家にも入るようになり、それが高度経済成長とともにカラーテレビに移行。更に、そのカラーテレビが一家に一台から、家族それぞれに持てるようになったというテレビの「盛」の時代を生きて来ました。その動画がテレビ媒体以外からも享受でき、そしてはたまた家庭からも飛び出すようになりました。能動的にも受動的にも楽しめ、思うように編集もできる世の中になりました。より動画を楽しむパーソナル化が進んできているようです。動く画像を楽しみ、止まった画像を懐かしむ。「動」と「静」とを対称化して、面白く詠まれている作品をたくさん頂きました。人間は時代を追いかけつつも、いつも時代を振り返るという習性があるようですね。
特選句は議会の退屈さと議員の無気力さを、風刺をもって「動画」というテーマに乗せてうまく表現できていると思います。コミカルさも浮かんできます。
「わざわざに思い出動画を静止さす」
立川談幸
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