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進化の謎を絡めて科学の進歩に警鐘を鳴らした名作といえば、衝撃的なラストシーンで有名な『猿の惑星』。地球を出発してから1年6カ月後(宇宙時間で2000年後)にオリオン座のある惑星に不時着した主人公が、人間と猿の立場が逆転した世界を目にする、という物語の導入部分は、さして映画に興味がない人でも知っているのではないだろうか。この星では、猿が言葉を話し、宗教をあがめ、オランウータンが権力者として君臨する階級社会を作り上げている一方、人間は言葉も話せず、ただ作物を食い荒らす害獣として狩られるだけの存在。地球上で進化の頂点に立つ人類とは全く違う、何万年分も退化してしまったかのような人間の姿だった。 さて、アメリカン・ヒーローに対抗するわけではないが、日本のヒーローものにも人類の進化形が登場する。それが『仮面ライダー555 パラダイス・ロスト』の中の“オルフェノク”。昔の仮面ライダーでいうショッカーで、普段は人間の姿をしているが、時に全身を鎧で覆った半人半獣の姿に変化して怪物パワーを発揮し人間を襲うのだ。本作品の舞台は人間はあと2344人しか残っていない、全人類オルフェノク化が目前に迫った近未来。人類のほとんどがショッカーとはまさに世も末だが、このオルフェノクの中にはごく少数ながら、人間との共存を目指し、人間が襲われるのを阻止しようとする者も存在する。ここで少数派の扱いを受けるのは人間ではなく、人間との共存を望むオルフェノク。人間とオルフェノクのどちらからも理解してもらえず苦悩する姿は、X-MEN同様、この仮面ライダー555(ファイズ)シリーズでも重要なポイントになっている。 |
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