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COMZINE PICK UP:CINEMA 今月のテーマ:犯罪抑制〜犯罪発生率0%は可能か?未来の警察システム&グッズを映画で検証!

2054年、ワシントンDCは殺人予知システムの採用により殺人事件ゼロの社会になっている……という設定で始まる『マイノリティ・リポート』。そんな社会を支えているのは、プリコグと呼ばれる3人の予知能力者と、彼らが“目撃”した未来殺人の断片的な映像を解析し、犯行現場に駆け付けて、未然に“犯人”を逮捕する犯罪予防局のスタッフ。このシステムは完璧で、導入から6年で犯罪発生率90%減少という実績を上げるのだが、実行していない行為で捕まった“犯人”はどうなるのだろうか。映画を見た限りでは、裁判を受けることなく刑務所に収監され、冬眠状態にされてしまう。一見快適なようだが、実は疑わしきは罰する、恐ろしい社会なのである。
この予定犯罪という奇抜なアイデアとともに本作を盛り上げているのが、さまざまな分野の専門家を集め、検討を重ねて作り上げたといわれる50年後の世界。突いた相手の気分を悪くし嘔吐を誘発する未来の警棒「嘔吐棒」、体温探知と網膜チェック機能で容疑者を追跡&識別するクモ型ロボット「スパイダー」、警官が空中を飛ぶために背負う「ジェットパック」など、未来の警官グッズも登場するが、こちらはどれも楽しそうで一安心。

一方、『バーチュオシティ』に登場するのは、警官が犯人追跡技術を訓練するために開発されたバーチャル・シミュレーター装置。これは過去の凶悪犯183人のデータをインプットした仮想人格“シド6.7”を追跡しながら、犯罪者の行動パターンの分析と撃退法を研究するためのもの。被験者は頭に脳をコントロールする器具を着けて仮想空間へ入り、街に潜伏するシド6.7を探し出して、一般市民を巻き込むことなく逮捕しなければならない。
現実と錯覚してしまうほどリアルな環境の中で、さまざまなケースを条件を変えながら繰り返し体験できるとしたら、こんなに有効な訓練機器はないだろう。個々の警官の能力が向上すれば、当然、警察全体の能力も底上げされ、検挙率アップや犯罪抑制といった効果も期待できるようになる。ちなみに、劇中この装置が開発されたのは1999年。2004年を迎えた今、軍隊や宇宙飛行士が訓練にシミュレーター装置を使うことは当たり前となっているが、まだバーチャルリアリティ技術が追い付かない。しかし、いずれこうした装置が開発される可能性は大きいのではないだろうか。

未来の警察といえば外せないのが『ロボコップ』。警官の能力向上の究極のカタチは、やはりコレしかない?!
ロボコップは、人間の感情と機械の運動能力を融合させたロボット警官。人間の骨をも砕く握力、右足大腿部には専用ハンドガンを装備していて、その腕前はまさに精密機械そのもの。これならば、危険な場所にも真っ先に駆け付けてくれるし、凶悪犯にひるむこともない。また、ボディにはビデオカメラやマイクが埋め込んであるため、彼の前で口にしたことはすべて記録され、後々証拠としても採用できる。さらに、シリーズ化されたパート3では、空を飛ぶ機能も追加されて……と、まさに百戦錬磨。こんな警官が街をパトロールしていれば、強盗やピッキング、車上狙い、万引きなどの犯罪は激減するはず。しかし、一方で、故障や誤作動の不安がつきまとうのも事実。実際にこうしたロボットが前から歩いてきたら、悪いことをしていなくても思わずUターンしてしまうかもしれない。

多くの人が願う、犯罪のない社会。しかし、性質も考え方も育ち方も異なる人々が隣り合わせに暮らしていく中で、犯罪をゼロにするのは無理な話なのかもしれない。だが、減らすことは可能。将来、ここで紹介したシステム・装置の中で実現するものもいくつかあるはずだ。

『マイノリティ・リポート』

2054年、ワシントンDCでは3人の超能力者を使った殺人予知システムが試験運用されたことにより犯罪件数が激減、アメリカ全土での施行を問う国民投票の日も迫っていた。そんなある日、犯罪予防局のリーダーで、腕利き捜査官でもあるジョン・アンダートンが“36時間後、レオ・クロウという男を殺害する”と予知されてしまう。追う立場が一転、追われる立場になったジョンは、自らの容疑を晴らそうと奔走するのだが……。

●2002年アメリカ ●監督:スティーブン・スピルバーグ ●出演:トム・クルーズ、コリン・ファレル、サマンサ・モートンほか
●DVD発売・販売元/20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン ●価格/3980円(税別)

『バーチュオシティ』

1999年のロサンゼルス、政府が凶悪犯罪に備え創設した警察技術研究所で、犯人追跡技術習得用のバーチャル・シミュレーター装置が開発される。この装置の中で犯人役となるのは、183人もの凶悪犯のデータをもとに作り上げられたシミュレーション人工生命体“シド6.7”。しかし、自らの意思を持ち始めたシド6.7は現実世界へ逃亡。元警官で、今は囚人となったパーカーは、自由の身になることを条件にシド6.7を追跡する。

●1995年アメリカ ●監督:ブレット・レオナード ●出演:デンゼル・ワシントン、ラッセル・クロウ、ケリー・リンチほか
●DVD発売元/パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン ●価格/4179円(税込み)

『ロボコップ<特別編>』

近未来、犯罪が蔓延するデトロイトで警察を傘下に収めている巨大企業オムニ社は、警官のロボット化を企画するが、試作1号機は実験途中に暴走する始末。急遽、代案として人間の頭脳を利用したサイボーグ警官案が採用される。その実験台として利用されたのが新任直後に殉職したマーフィー。過去の記憶を消され「ロボコップ」として蘇った彼は大活躍し、街のヒーローに。しかし、次第に以前の記憶の断片が脳裏をかすめるようになり……。

●1987年アメリカ ●監督:ポール・バーホーベン ●出演:ピーター・ウェラー、ナンシー・アレン、ロニー・コックスほか
●DVD発売・販売元/20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン ●価格/3980円(税別)

バーチュオシティ
 
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