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「トキ消費」の3つの特徴

前述のような再現性の低い「トキ」の過ごし方が、特に若い世代から求められていることが博報堂生活総合研究所の調査結果にも表れています。(調査は2018年1月に、東名阪3都市圏で20~69歳までの男女1,500名を対象に行われました。)

例えばフェスやハロウィンなど「同じ趣味嗜好を持つ人達が集まる場」に参加した「経験」がある人の割合は、20~69歳までの全体では28.4%ですが、20代に限ると37.6%に増えます。

しかし、今後参加してみたいかという質問に対しては、20代に限らず全体の割合が高くなります。例えば前述の「同じ趣味嗜好を持つ人達が集まる場」に参加する「意向」がある人は、全体で38.6%、20代で51.0%と、「経験」がある人よりも増えています。

調査ではこのほかにコラボカフェや聖地巡礼などの「好きなコンテンツがテーマになったお店や場」、ファンミーティングなどの「好きな人やグループと直接交流できるリアルな場」、そしてオンラインサロンや動画配信などの「好きな人やグループと直接交流できるオンラインの場」についても質問を行っていますが、いずれも参加経験者よりも参加意向を持つ人の割合が増えています。 この調査を行った博報堂生活総合研究所では、「トキ消費」には「コト消費」と比較して3つの特徴があると分析しています。

1つは、「非再現性」です。
これは、そのときを逃すと同じ盛り上がりや感動を二度と得られない体験を示します。

2つめは、「参加性」です。
これは同じ趣味嗜好を持つ人たちが集まって盛り上げる場を、単なる来場者や傍観者として消費するのではなく主体的に参加することで消費することを示します。

そして3つめは、「貢献性」です。
これは、集まりやイベントに対して、各参加者が盛り上がりに貢献しているという自覚を持てることです。

博報堂生活総合研究所では、以上の特徴を持った「トキ消費」こそが、モノにもコトにも満ちている現代で生まれつつある新しい消費スタイルだと考察しているのです。

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消費のトレンドを捉えてビジネス機会に

既に企業も、「トキ消費」のトレンドを捉えようとした取り組みを行っています。

例えばユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)では、期間を限定して来場者参加型のイベントである「ミニオン・スノー・ファイト」や「セサミストリート・スノー・パーティ」、「ウォーター・サプライズ・パレード」を開催し、「トキ消費」の3つの特徴を満たしています。

THECOOが主催している「VINYL MUSEUM」は、来場者が自らアートの一部となり、インスタ映えするフォトジェニックな写真を撮影することを目的とした共感型アート展です。

トヨタの高級車ブランドであるレクサスが開催した期間限定の「LEXUS LS “INSTINCT” by DINING OUT」は、フルモデルチェンジを行った新生LSを体験するために「本能(INSTINCT)」をテーマとして行ったイベントです。来場者は自然の中をドライブしたり、キャンプスタイルのバーベキューを体験したりすることで「トキ消費」を行います。

また、特に「トキ消費」を狙ったわけではなく、結果的に「トキ消費」となった可能性がある現象もあります。

例えばアイドルグループである「ももいろクローバーZ」や「BiS」や「アンジュルム」がNHK紅白歌合戦出演や日本武道館ライブを目標に掲げ、その目標をファンが一緒に応援しながらめざしていくことで人気を高めたことや、カワサキハロウィンに2,000人以上のコスプレをした参加者が集まり、参加費を払ってパレードを楽しむこと、そして映画『この世界の片隅に』がクラウドファンディングで3,912万円もの支援金を調達して制作されたことなども「トキ消費」に含まれると考えられています。

このように、「モノ消費」から「コト消費」へと移行した後の消費スタイルと考えられる「トキ消費」は、新たなビジネス機会を捉える際に考慮すべきトレンドとして押さえておく必要があるでしょう。

【 制作/ブレイン 】

2019/7/22

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