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矢野 |
ゆびとまの理念として「善を再確認し、信頼を取り戻すところ。摩天楼に囲まれたセントラルパークのごとく」と書いておられますが、この意味は?
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小久保 |
ニューヨークでは摩天楼に囲まれたビジネス街の中にポッカリとセントラルパークがあり、ニューヨーカーはこの公園を大事にしています。掃除などもボランティアで市民たちがやっており、ある種の冒していけない空間なんですね。どろどろとしたビジネス街の中に自浄作用の働く空間がある。実はゆびとまこそ、このセントラルパークではないかと思ったのです。
ゆびとまは、最初から主催側が会員を指導するとか、リードするのではなく、理解していただいて協力してもらうことを大事にしてきました。中には悪戯やいやがらせをする人もいますが、すぐに拒否するのではなく、理解してもらって何とか受け入れていきたい。この空間では悪いことをしてはいけないという雰囲気が大切だと思います。
実際、「このサイトに来たら、悪いことはできない」というメールも来ますし、「昔、意地悪された人と仲良くなった」というメールも来るんです。
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矢野 |
メールは1日、何通ぐらい来ますか。
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小久保 |
1000通は来ますよ。毎晩、斜め読みでも全部目を通しています。返事が必要なものはサポートスタッフが扱いますが、100通〜200通ほどです。これは1日のうちで最も重労働であり、かつ楽しい作業でもあります。
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矢野 |
コミュニティづくりという小久保さんの思いが、これまでに裏切られたことはないですか。
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小久保 |
誤解など、悲しい思いは何度もありますが、裏切られたことはないですね。
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矢野 |
2002年からスタートした「ケータイゆびとま!」のサービスはどのようなものですか。
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小久保 |
ゆびとまのインフラはパソコンのウエブもケータイも同じですが、ウエブは無料なのに対して、ケータイは有料会員制でやっています。登録するまでは無料ですが、再会した相手とメールのやりとりをするときには手数料をもらう仕組みです。現在、会員登録数はのべ8万1000人(2003年12月現在)、ユニークユーザー数は3万8000人です。じつはウエブでもメールのやりとり段階で手数料を検討したいのですが、無料の歴史が長いもので、なかなか切り替えが難しいですね。
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矢野 |
「稲門コミュニティ」というサービスは何でしょうか。
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小久保 |
これはコミュニティの構築支援サービスです。ゆびとまのノウハウを生かして、オフィシャルな同窓会サイトの開発運営を支援するもので、その第一号として納品したのが早稲田大学向けの「稲門コミュニティ」です。今年も何校か注文をいただくことになっており、今後、当社の有力な商品として期待しています。
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