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ゲストインタビュー ~ITが支える、社会とビジネスの進化~:日本仮想化技術 CEO 宮原徹氏
ゲストインタビュー ~ITが支える、社会とビジネスの進化~:日本仮想化技術 CEO 宮原徹氏

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サーバーやデスクトップ環境、ネットワーク、ストレージなど、仮想化の活用が広がっています。仮想化によって迅速なシステム構築、柔軟な拡張性が可能になり、ビジネスのスピードアップが期待できます。早い段階から仮想化に取り組んできた日本仮想化技術の宮原徹様に、仮想化のこれまでの経緯、現在抱えている課題や将来展望について伺いました。(本文中敬称略)

2000年代の仮想化導入目的は、コスト削減

― 今では日本企業でも、当たり前のように仮想化を利用するようになりました。しかし過去には、二の足を踏む企業も少なくない時代もありました。これまでの経緯をどのように見ていますか?

宮原徹氏

宮原徹 (みやはら・とおる)氏
日本仮想化技術 代表取締役社長兼CEO。2006年に技術の研究や開発、各種調査などを事業とする日本仮想化技術を設立。日本における仮想化技術の普及を目指し、講演や執筆などの活動を行っている。

宮原:日本企業が仮想化に関心を持ち始めたのは、2006年ごろと見ています。ただし、興味は持っていても、実績のない新しい技術には、なかなか手を出しにくい状況にありました。これは鶏と卵の関係のようなもので、「導入実績があれば使ってみたいが、うちはまだ使わない」という状況でした。

実際に導入する企業が増え始めたのは2007年、2008年になってからでしょう。その理由はコスト削減でした。当時の企業では、膨大な物理サーバーが問題視されていました。例えばデータセンターにハウジングしているサーバーの台数が多いと、ラック代や電気代が高くつきます。そこでリプレースの際に、仮想化を使えばコストダウンできるのではないかと、注目されるようになったのです。

仮想化によって1台の物理サーバーに複数の仮想サーバーを乗せれば、物理サーバーの数が削減でき、結果としてラック数や電気代の抑制、維持コストの削減につながるというわけです。つまり、物理サーバーから仮想サーバーへの移行(P2V:Physical to Virtual)がトレンドになったのです。

図1:物理サーバーから仮想サーバへの移行(P2V)

図1:物理サーバーから仮想サーバへの移行

― 日本企業では、プライベートクラウドといっても、実際はデータセンターの仮想化を意味するということが多いという状況がありました。それが後押しをしていたのかもしれません。

宮原:しかし仮想化の本来の利点は、短期間にシステムを構築できる、柔軟に拡張できるといった、迅速性、俊敏性、柔軟性などです。残念ながら「ITシステムを仮想化によってどう進化させるか」ではなく、「従来と同じものを安くする」という考えのもとで導入していた企業が多かったという印象を持っています。

それから約10年がたち、今では多くの企業が仮想化を当たり前に使うようになりました。企業にも仮想化のノウハウやスキルが蓄積され、やっと仮想化本来の利点が理解されるようになったと感じています。サーバー、デスクトップ環境、さらにはネットワークやストレージまで、企業のITシステムに仮想化の活用が広がっています。

仮想化の利用が一巡し、本来持つ利点が認識された

― コスト削減から本来の仮想化が持つ利点が認識されるようになったきっかけは、何だったのでしょうか?

宮原:一つは経験です。仮想化を実際に運用し、企業も経験を積んできました。一通り触ってみれば、仮想化とはどういうものか、従来のITシステムとどう違うのか、どうすれば仮想化の利点を自社のビジネスに生かせるかということが考えられるようになります。

もう一つはパブリッククラウドの存在です。パブリッククラウドなら、すでに動いているサービスがあり、興味があれば試用して、仕事に役立つと思えば短期間で利用できるようになります。

― クラウドファーストという言葉が話題になったように、企業においてもクラウドサービスへの抵抗も減ってきたようです。それが仮想化の理解に役立っているということですか?

宮原:迅速性や俊敏性といったクラウドの利点は、仮想化と共通するものです。クラウドの普及によって、クラウドサービスに触れる情報システム部門の人が増え、仮想化を使えば、同様のメリットが享受できるという理解が浸透していきました。

今、仮想化の利用が一巡して、理解が進み、ノウハウが蓄積された段階といえます。そして、これから二巡目に移ろうとしています。本当の意味で、仮想化の利点を生かせるようになるでしょう。

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