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矢野
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ワイズスタッフの現状についてお伺いしますが、いま社員は何人ですか。
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田澤
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北見オフィスでは、月給制の社員が私たち夫婦を含めて5人、アルバイトが2人の総勢7名です。このほか札幌に社員が1人、奈良オフィスに社員が1人、アルバイトが1人。社員は全部で7人ですね。北見オフィスのようなローカルオフィスの役割は普通の会社でいえば、総務・経理の管理部門。それと物理的業務はすべて担当しています。例えば、電話の応対や交渉、郵便物の受け取り・発送、宅配便の配送など、物流の伴う業務はすべてローカルオフィスでやっています。ネットメンバーの住所や電話は個人情報なので、お客さんといえども、直接、何かを送ったり、電話をしないようにお願いしています。多少、非効率でも、いったんはローカルオフィスに送ってもらって、必要に応じてネットメンバーに転送します。今年4月に奈良オフィスができたことで、こうした配送業務はだいぶ効率化されました。奈良と北見を拠点にほぼ1日で全国に送れますからね。
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矢野
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物理的なやりとりは、ローカルオフィスを通すということですが、クライアントとの交渉はどうしているんですか?
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田澤
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クライアントとの交渉や連絡はプロジェクトのチーフがおこなって、メンバーに伝えます。その間のやり取りはすべてcc(コピー)メールで私にも送ってもらっています。
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矢野
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ホームページにある資料によると、2004年2月時点で、ネットメンバーは関東が41人、近畿が20人、北海道が17人、海外が5人となっていますが、いまも変わりませんか。
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田澤
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ほとんど変わっていません。月に1名〜2名が増える程度で、辞める人はほとんどいませんね。年齢は30代が50%、40代が43%、20代が7%で、9割が女性です。大手企業で人事、企画、プログラマーなどをやっていたのですが、夫の転勤や子育て、親の介護などでやむなく会社を辞めた人が多いですね。元国際線のキャビンアテンダントや占い師、婦人警官などの経験者もいます。メンバーたちはいくつかのプロジェクトに参加する形で仕事をしており、現在まで大きなトラブルはほとんどありません。
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矢野
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どのような仕事をなさっているのですか。
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田澤
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ホームページやメールマガジンの企画・制作、ネットリサーチ、ネットプロモーション、編集・執筆、イベント企画などで普通のIT企業とあまり変わりません。クライアントは大企業がほとんどですが、私たちの会社がどこにあるかなど気にしていませんね。重要なのはネット上でのレスポンスの早さです。ネットメンバーは選び抜いた人たちなので、仕事の対応に関しては何の心配もありません。
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矢野
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ネット上の会社としては、働き手が100人弱というのは少ない方ですね。
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田澤
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たしかにネット上では100人は少ないという印象でしょうね。私の知っているSOHOネットワークの会社では、数千人から数万人のメンバーがいるところもあります。でも数万人いるといっても、本当に仕事をしているのはゼロコンマ数パーセントの単位ですよ。在宅ワークやSOHOが流行っているとき、私たちも集めようと思えばメンバーを増やすことができたでしょうが、結局、人数が増えると仕事を管理できないので、データ入力やテープ起こしといった単純で単価の安い仕事を分配するだけになってしまうのです。
ワイズスタッフは、限りなく普通の会社を目指し、リアルの会社と同じような仕事の環境や収入を得られるようにしたいと考えました。単なるSOHOではなく、ネットオフィスで働くSOHOなのです。だから、ネットメンバーになるのも簡単ではありません。登録すればOKではなく、書類選考し、試験し、最後に面接します。入社後も教育をします。この5年間ずっと、こうした社内の土台作りをしてきました。
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矢野
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メンバーの報酬はどのくらいですか。
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田澤
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人によってバラバラですが、100人を平均すると年収は100万円台でしょう。多い人で700万円ぐらい、チーフクラスで200〜400万円ぐらいでしょうか。育児や介護で今は100パーセントの力を発揮できなくても、将来に向けた勉強を欠かさないという意識が高い人ばかりです。
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矢野
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勝手にメンバーが仕事を取ってきてもいいのですか。
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田澤
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それはかまいません。仕事を取ってきたメンバーにも成功報酬があります。でも、外出しにくい環境の人が多いので、自分で営業する人は少ないです。基本的に私が営業を担当しています。
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