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矢野
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その後、ご主人が東京勤務になるわけですね。
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田澤
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北見に来て2年目ぐらいに東京への転勤命令が出ました。じつはその3ヶ月前に北見に平屋の家を建てていたんです。もし、どこかに転勤になっても、この家は別荘として置いておいて、毎夏に戻ってこようと家族で決めていました。それほど北見が気に入ったんです。
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矢野
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東京には行かなかった。
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田澤
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東京以外だったら、またついていったかもしれませんね。東京に住むのはどうしても嫌だったんです。ここは子育てにもいいですからね。そこで、初めて夫が単身赴任で東京に出て、私たちは残りました。
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矢野
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そうしたら、ご主人も会社を辞めて戻ってきたと。
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田澤
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そうなんです。8ヶ月ほど経って、「おれもやっぱり北海道がいい」と会社を辞めてしまったんですよ。私は「あなたの会社の転勤についていくために、この人生を選んだのに」と、ちょっと思いましたけれど(笑)。家計の安定のことを考えると本当は続けてほしかったんですけど、北見で生きていくのも一つの選択かな、流れかなとも思いました。そのときは夫もこの会社で働くつもりじゃなかったんです。就職活動をしましたが、見合った仕事はなかなかなくて、ちょうど会社も成長し始めたので、経理の仕事を助けてもらおうと役員になってもらいました。いまは、経理だけでなく、ローカルスタッフの採用、物品管理など総務関連業務全般を担当してくれています。また、今は夫がそばにいてくれるので、私が出張するときも安心です。それまではベビーシッターと家政婦に交代で泊まってもらうなど、大変でしたから。
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矢野
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お子さんも北見を気に入っているようですね。
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田澤
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3人とも女で、いま中学1年、小学4年、1年ですが、子どもたちも北見での生活が大すきです。のびのびと育っていて、少なくとも下の子が大きくなるまではここを離れるつもりはないです。
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矢野
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ご両親は奈良におられるわけですね。一人娘が心配なのでは。
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田澤
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今年4月に関西方面の拠点として奈良オフィスをオープンしたので、両親は喜んでいます。北海道に移住して、二度と帰ってこないのではないかと思っていたようでしたから安心したんでしょう。でも、私としては、十数年後に自分がどこに住んでいたいかなどについては、あまり考えていません。
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